水道におけるダイオキシン類の除去機構等に関する調査(総括研究報告書)

文献情報

文献番号
200000758A
報告書区分
総括
研究課題名
水道におけるダイオキシン類の除去機構等に関する調査(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成12(2000)年度
研究代表者(所属機関)
眞柄 泰基(北海道大学大学院)
研究分担者(所属機関)
  • 国包章一(国立公衆衛生院)
  • 相澤貴子(国立公衆衛生院)
  • 安藤正典(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 古市徹(北海道大学大学院)
研究区分
厚生科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 生活安全総合研究事業
研究開始年度
平成11(1999)年度
研究終了予定年度
平成12(2000)年度
研究費
70,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
水道水水源が、ダイオキシン類の発生源である廃棄物焼却炉等が全国に広く存在することやCNP等農薬も広範に使用されていたことから、ダイオキシン類の影響を受けていることもが考えられる。また、ダイオキシン類のTDIの見直しの検討に伴い、コプラナPCBsも毒性等価換算に含めることとなったが、水道におけるそれについての知見がない。このようなことから水道におけるダイオキシン類の存在状況などについての知見を得ることとした。
研究方法
平成12年度には全国の代表的な水道水におけるダイオキシン類及びコプラナPCBについて年2回(豊水期および低水期)測定を行い、浄水処理過程における除去機構及び動態の概要の把握を行った。高度浄水処理プラントでのダイオキシン類の挙動調査および4塩素化フランの生成について調べた。
結果と考察
全国の20カ所の水道事業体においてダイオキシン類の実態調査から、水道原水では最大0.39pgTEQ/lのダイオキシン類が検出されたが、浄水過程では約90%の除去率があることから、水道水中の濃度は0.1pg/l以下まで低減化されていることが明らかとなった。また、高度浄水処理プラントでの浄水過程におけるダイオキシン類の挙動調査を行った。その結果、凝集沈殿砂濾過でダイオキシン類が90%程度除去されることが明らかになり、実態調査結果を裏付けることとなった。オゾン・活性炭処理を行うことによりダイオキシン類は十分に低減化できることが明らかとなった。
4塩素化フランを主とするダイオキシン類が生成することが、パルプ排水の影響を受ける河川水、リグニン系有機物質を塩素処理した試料水のダイオキシン類を測定することによって明らかにすることが出来た。
結論
水道水中のダイオキシン類は環境や水道原水のそれと異なること、塩素処理によって生成するものがあること、さらには臭素化ダイオキシン類についての調査がさらに必要である。

公開日・更新日

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