加齢黄斑変性症に対するロービジョンエイド

文献情報

文献番号
200000571A
報告書区分
総括
研究課題名
加齢黄斑変性症に対するロービジョンエイド
課題番号
-
研究年度
平成12(2000)年度
研究代表者(所属機関)
湯沢 美都子(駿河台日本大学病院眼科)
研究分担者(所属機関)
  • 小田浩一(東京女子大)
  • 藤田京子(駿河台日本大学病院眼科)
  • 石原菜奈恵(駿河台日本大学病院眼科)
  • 小川 愛(駿河台日本大学病院眼科)
研究区分
厚生科学研究費補助金 先端的厚生科学研究分野 感覚器障害及び免疫・アレルギー等研究事業(感覚器障害研究分野)
研究開始年度
平成10(1998)年度
研究終了予定年度
平成12(2000)年度
研究費
26,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
中心窩外脈絡膜新生血管の治療
中心窩に近い脈絡膜新生血管に対してはレーザー光凝固が行われきたが、その治療成績は満足すべきものではない。そこで中心窩に近いCNVの摘出術の有用性を明らかにする。
研究対象・方法=無血管域内、無血管域外でも無血管域に極めて近く、脈絡膜血管があり、レーザー光凝固が困難と判定した15眼に対し新生血管摘出術を行った。術前、術後6カ月以降の清州経過観察時に視力、傾向造影、光干渉断層径、スコトメトリを行い、視機能を比較した。
研究方法
結果と考察
平成10年度
1.分担研究者者の小田が作成した縦書き、および横書きのMN Read J Chartの日本語版は妥当性、再現性に優れ、横書き縦書きで読書の成績に差がないことを確かめた。
2.加齢黄斑変性症瘢痕期症例の最大読書速度には遅くてもプラトーが認められる場合とプラトーのない単純増加の場合とがあることを明らかにした。また視機能に関しては、プラトーのない単純増加群に重度の障害があるかを明らかにした。
3.プラトーが認められる場合、視力にかかわらず偏心度が小さい場合には眼鏡、偏心度も視力低下も大きいときには拡大読書器が有効であること、拡大鏡を選択する時にはその倍率と視力、偏心度はよく相関することを明らかにした。
平成11年度
1.MN Read チャートによる読書試験によって臨界文字サイズを求め読書用エイドを処方する方法は従来の近見視力を指標に行う読書用エイドしの処方よりも優れていることを明らかにした。
2.プラトーのない単純増加の場合にプラトーの有無を調べるためのプラズマビジョンを作成した。
3.エイドの倍率および種類を選択するための近見視力と偏視度の関係を明らかにした。
4.治療後1年のロービジョンの観点からみると、中心窩の1乳頭径以下の脈絡膜新生血管膜に対してはレーザー光凝固よりも脈絡膜新生血管膜摘出術のほうが優れていることを明らかにした。
平成12年度
1.より良好な視力がかえられ中心窩あるいはその近傍に固視点を残すための中心窩脈絡膜新生血管摘出術の手術適応を明らかにした。
2.中心窩に近い脈絡膜新生血管に対して脈絡膜新生血管摘出術が中心視力、傍中心暗点の面で優れていることを明らかにした。
3.MN Read J chartでプラトーが見られない症例にプラズマビジョンによる読書試験を行い、読書パフォーマンスの特徴を明らかにした。
4.読書時の眼の動きをモニターできるビデオ装置を開発した。
結果
0.4以上の視力が最高視力では10眼(62%)で最終視力では8眼50%に得られた。術後中心窩の形態は改善し、中心固視ができていた。
考察
中心窩に近い脈絡膜新生血管に対する新生血管摘出術は視機能の面から有用であると考えられた。
結論
中心窩脈絡膜新生血管が中心窩に近い場合にはCNV摘出術の適応にしてよいと考えられた。

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研究報告書(紙媒体)

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