食品由来のウイルス性感染症の検出・予防に関する研究

文献情報

文献番号
200000520A
報告書区分
総括
研究課題名
食品由来のウイルス性感染症の検出・予防に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成12(2000)年度
研究代表者(所属機関)
武田 直和(国立感染症研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 先端的厚生科学研究分野 新興・再興感染症研究事業
研究開始年度
平成12(2000)年度
研究終了予定年度
平成14(2002)年度
研究費
24,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国において、厚生省研究班および病原体検出情報で集計した1990~1994年、1997年1月~10月、及び1997年10月~1999年9月のデータから、ウイルス性集団食中毒を含む食品を介した非細菌性胃腸炎は、実にその92,96及び97%の事例がノーウォークウイルス(SRSVあるいは小型球形ウイルスと同義語、1999年の国際ウイルス命名委員会でノーウォークウイルスに統一された)によって引き起こされていることが明らかになってきた。また、これらのおよそ30%は生ガキによるもので、カキが本疾患の新たな感染源になっていることもわかってきた。したがって、早急にカキの汚染状況を把握し品質管理のシステムを確立する必要がある。またウイルスはカキの中で増殖するわけではないので、ノーウォークウイルスのヒトでの伝播経路を明らかにして、カキに濃縮されるまでの経路と汚染状況を解明してその経路を遮断する方策を示すことが必須である。さらに、半分以上の事例は原因となった食品が特定されていないか、原因が全く不明となっている。カキ以外の食品では、含まれるウイルス量が極端に微量であることが原因ウイルス検出の効率が極めて低いレベルにとどまっている第一義の理由である。したがって、より高感度なウイルス検出を開発し、ウイルスの生態を詳細に解析できる手法を確立する必要がある。
電子顕微鏡に代わる抗原ELISAを完成させ、キット化することによって3-4時間で結果が得られるようになり、迅速な行政対応が可能になる。抗体ELISAはこれまで原因不明として処理されていた事例において、病原体を血清側から確認することを可能にする。病原体の同定は、PCR産物の塩基配列を直接決定し、遺伝子系統解析から判断するのが最も確実で迅速であることが明らかになってきている。シークェンサーが相当普及した現在、定着しつつある基本的な手法である。これを支援するためのデータベースの整備と各研究機関からアクセスできるネットワークを構築することによって、各検査機関のレベルで分子系統解析が可能になる。統一した検査法を堅持するため、RT-PCRのプライマーおよびハイブリダイゼーションのプローブを整備する。わが国が世界に誇る検査技術レベルを高度に維持し、研究者間でのデータの相互比較を容易にするため、RT-PCRを含めこれらの検査法、解析法をマニュアル化する。
研究方法
1)RT-PCRによるNV遺伝子検出:ポリメラーゼ領域をターゲットにした36/35、M4/M3、NV82/NV81(SM81)、Yuri22F/Yuri22R等のプライマーを用いた。同時に、EMBLおよびGenBankから抽出したNV構造蛋白の塩基配列を基に設計したgenogroupに特異的と思われるプライマーを用いた。食品の中でNV遺伝子の検出が確認されているのは主としてカキであるが、この中腸腺を用いた。
(2)NV全遺伝子配列の決定:患者便材料からNV粒子を分離してRNAを抽出後、常法通りcDNAを合成した。全塩基配列が既知のNVウイルス株の配列に基づいて作成したプライマーを用いてPCR反応を行い、増幅断片をクローン化後その塩基配列を解読した。ゲノムの5ユ末端の塩基配列の決定には5ユRACE法を用いた。
(3)磁気ビーズの調製:Dynabeads M-280 sheep anti-Rabbit IgG (ダイナル社) 約1mgに対して精製抗NV抗体50μgを室温で1時間反応後、洗浄し、0.1%BSAを含むPBS(PBS/0.1%BSA)で1mg/mlとなるように調製した。NV抗原陽性検体として食中毒患者から採取された糞便を用いた。
(4)単クローン抗体の作製:NVのGI4種類、GII7種類、SV1種類の計13種類の組換え中空粒子をBALB/cマウスに免役し、常法どおり摘出脾細胞とマウスPAIミエローマ細胞で融合した。培養上清をそれぞれの中空粒子を抗原に用いたELISAでスクリーニングした。陽性クローンはマウスの腹空に接種して腹水を採取し、ウエスタンブロット法等で性状を解析した。
(5)NV中空粒子の作製と応用:ウイルス性下痢症あるいは急性胃腸炎患者の便材料からRT-PCR法で構造蛋白領域(ORF2)の 5'末端から約300塩基を増幅し、その塩基配列を解析して遺伝子型を決定した。アミノ酸配列のホモロジーから血清型が異なると予想された株について発現を試みた。便材料からORF2全長を含む領域をPCRで増幅しクローニング後、常法通りバキュロウイルストランスファーベクターに組込み、組換えバキュロウイルスを作出した。発現は Tn5 細胞に組換えバキュロウイルスを感染し、5~6日間培養した上清をSDS-PAGEで解析して58K蛋白を確認し、さらに電子顕微鏡でVLPsを観察することによって確認した。培養上清からCsCl平衡密度勾配遠心法でVLPsを精製濃縮した。これを免疫原として高力価血清を作製し、VLPsを抗原に用いたELISA法による交叉反応試験を行った。また同VLPsを抗原として患者および健常人の血清中の抗体価を測定した。
(6)RT-PCRによるSV遺伝子検出:ポリメラーゼ領域(札幌医科大学、辰巳らの設計)および構造蛋白領域(千葉県衛生研究所、岡田らの設計)をターゲットにしたプライマーを用いた。
(7)アストロウイルスの中和抗体測定:ウイルスを型特異的抗血清で中和後、細胞に接種した。その後、培養上精のアストロウイルスを抗原ELISAで検出した。
(8)ロタウイルス人工空粒子の作製とマウスへの経鼻接種:全塩基配列の決定されているKU株(G1、P1A)の全構造蛋白を組換えバキュロウイルスで発現した。このうちVP2とVP6、VP2とVP6およびVP7を共発現してそれぞれ自己集合した一重人工空粒子と二重人工空粒子を作製した。VP2/VP6粒子を免疫原として、大腸菌由来易熱性トキシン、コレラ菌由来易熱性トキシンをアジュバントとしてマウスに経鼻接種した。
(9)輸入魚介類
2,000年4月から2001年2月の間に搬入された貝類で、原則的に毎月5検体を採取した。貝類は韓国産の赤貝28件、ハマグリ12件、とり貝3件、北朝鮮産の平貝9件、ハマグリ1件および中国産のハマグリ3件、アサリ1件計57件を用いた。エビ類は7月と8月に採取し、全てブラックタイガーで、インド産8件、フィリピン産6件、インドネシア産5件、タイ産2件、スリナムおよびベトナム各1件、計23件を用いた。
(10)大腸菌もよるプロテアーゼの発現
チバウイルスのORF1にコードされるプロテアーゼを大腸菌プラスミドベクターに組み、種々の発現プラスミドを構築した。N末端にHis-tagを付加したプロテアーゼは精製後、抗原として用い、ウサギ抗プロテアーゼ抗血清を得た。
結果と考察
下痢症ウイルスの検出法
(1)ノーウォークウイルス(NV)抗原ELISA法の確立
わが国ではこれまでに13種類のNV遺伝子型が検出されているが、本年度は13種類の遺伝子型(結果的に13種類の血清型)をウイルス様中空粒子として発現することに成功した。このうち12種類の血清型を検出できるELISAをキット化し、国内30の機関に配布し、冬季のウイルス検出に供した。
(2)NV中空粒子に対する単クローン抗体の作製と抗原ELISAへの応用
NV Genogroup I(GI)およびGenogroup II(GII)に単独、あるいは交差性に認識する単クローン抗体を作製した。これらは反応性の相違から8群に分類された。GIを特異的に認識する抗体が1種類、GIのみならずGIIをも広く認識する抗体5種類が得られた。構造蛋白に対する抗血清(ポリクローナル抗体)を併用することによって、より高感度かつより特異性の高い抗原検出ELISA法が確立できた。
(3)NV抗体ELISA法の確立
組換えバキュロウイルスを用いてNV構造蛋白の発現を試み、GIの5株、GIIの12株の計17株でウイルス様中空粒子を作製した。各々の中空粒子に対する高力価免疫血清を作製し、これらのNV間の血清学的近縁関係を明らかにした。さらに中空粒子を抗原としてNVの血清疫学、および患者の血清学的診断が可能になった。
(4)NV RT-PCR法の確立
約300本のポリメラーゼ領域の塩基配列を比較して、全てのNVの増幅が可能と思われる14組17本のプライマーを設計した。実際には混合プライマーとして用いた。コンタミを防ぐためのone tube RT-PCRの条件検討し、確認のためのハイブリダイゼーションを液相で行なうことによって検出感度の向上と検査時間の大幅な短縮が可能になった。カキの中腸腺からRT-PCR法でNVを検出する系も確立したが、カキ以外の食品からの検出は難しく、課題として残っている。
(5)サッポロウイルス(SV) RT-PCR法の確立
主に乳幼児に感染し、乳児院や保育園等の施設内で集団感染をおこすと考えられていたSVが、成人に多発した急性胃腸炎からも高率に検出された。
(6)磁気ビーズを用いたImmunocapture RT-PCR法による食品中のNVの検出
組換えバキュロウイルスで発現された4種類のNVの中空粒子に対する抗体を結合した磁気ビーズを作製し、その濃縮効果および特異性について検討した。その結果、抗NV抗体を結合した磁気ビーズの濃縮性および特異性とも高く、またRT-PCR阻害物質が多量に含有するカキの抽出液からもNVを回収することができた。
(7)NVポリメラーゼおよび構造蛋白遺伝子領域のデータベースの整備
RT-PCR法はハイブリダイゼーションによって確認検査が行われているが、プローブが合わない状況がしばしばみられている。これを回避し迅速同定を行なうため予め国内で分離されたウイルスの遺伝子系統解析を行い、これに基づいてプライマーおよびプローブを調製して各検査機関に配布した。プローブは多くの種類を混合することにより確実性が高まった。
(8)NV全塩基配列の決定と検出への応用
NV GIに含まれるチバウイルスについて、3'末端のポリAを除く全塩基配列を決定した。他のGIウイルスの配列と比較することによって、構造蛋白領域に設計したプライマーの妥当性を評価した。
(9)アストロウイルスの中和抗体保有状況
住民の抗体保有状況は血清型によって大きく異っていた。また抗体保有状況は同一地域で検出されるアストロウイルスの血清型の分布と一致していた。
下痢症ウイルスの疫学
(1)ELISA法によるNVの検出
12種類のNV抗原を型別できるELISA法を用いて約30県の食中毒事例、小児散発事例の糞便検体について抗原検出を行なった結果、NV流行期の主要な流行株を特定することが可能であること、NVとロタウイルスの流行時期に明らかな違いがあること、カキ関連食中毒では同一事例、同一人から複数の血清型が検出されること、キットに含まれていない血清型を除くとEMおよび1st PCRに匹敵した検出感度を有することなどが明らかになり、本ELISAがNV感染症の疫学的解析に極めて有用であることが示された。
(2)わが国で検出されるNVの遺伝子型
PCRの確認試験のためのプローブ作製、プライマーの設定および分子疫学的解析を行うに当り、遺伝子配列を決定する必要がある。1995年から2000年に乳幼児あるいは食品関連下痢症から得られたNVの遺伝子型を決定した結果、各年により、主流の遺伝子型が異なる傾向にある異が明らかになった。診断用プローブは15種類作製し、実際の確認試験に用いたところ、97%が陽性となった。プローブは多くの種類を混合することにより診断の確実性が高まった。カキによる下痢症の集団発生では、患者から5つの異なる遺伝子型が検出された。
下痢症ウイルスの汚染度
わが国が輸入している海水産物のウイルス学的汚染度を調べた結果、ニ枚貝類にはNVに汚染されているものが存在した。今後、食品の衛生確保のために、規模を拡大し監視する必要性がある。
下痢症ウイルスの予防法
(1)ヒトロタウイルス人工空粒子の作製と経粘膜ワクチンへの応用
組換えバキュロウイルスを用いてVP2とVP6の共発現を行い、人工空一重殻粒子を産生した。VP2とVP6からなる空粒子を粘膜アジュバントと共に経鼻接種することによって血中IgG、便中IgA抗体を誘導することができ、感染防御に有効であった。小児下痢症の主要病原体であるロタウイルスを予防する上で有用な知見が得られた。
(2)NV治療薬の開発
分子設計に基づく創薬の試みとして、NVの一種であるチバウイルスに由来するプロテアーゼに注目し、大腸菌で発現させた。プロテアーゼ認識配列を含む融合タンパク質が大腸菌内で切断されていたことから、大腸菌で発現させたチバウイルスプロテアーゼは酵素活性と基質特異性を保持していたと考えられた。
その他
(1)ウイルス性下痢症診断マニュアルの整備と配布
第一版に、以下の検査法を追加し、平成12年7月、福島県郡山市で開催された衛生微生物技術協議会21回研究会において配付した。
・RPHA法によるC群ロタウイルスの検出
・アストロウイルスの分離・同定検査
・酵素抗体法によるアストロウイルス抗原の検出
・アストロウイルスRT-PCR法
・アイチウイルスの検査法
さらに、以下の検査法を追加し、平成12年10月、愛知県名古屋市で開催された第12回ウイルス性下痢症研究会において配付した。
・アデノウイルスの検査法
(2)ウイルス性下痢症技術研修会
平成13年1月~2月に国立公衆衛生院で開催された小型球形ウイルス(ヒトカリシウイルス)技術研修会において、本研究の班員および協力研究員が主催者、および講師として参加し、研究班で開発された技術、手技等を伝達した。
集団発生であれ散発例であれウイルス性下痢症が発生した場合、まず初めにすることは患者便材料からのウイルス抗原検出である。あくまでもEM法が標準法ではあるが、迅速性、容易さ、感度、費用の点からこれに変わる方法の開発が急務であった。本年度は合計13種類の血清学的に異なるNV中空粒子を手にすることができた。これらの中空粒子を免疫して高度免疫血清を得て、現在までに12種類のNV抗原を検出できるELISA法の開発に成功した。またキット化にも成功したので、材料が得られれば3-4時間で診断が可能になった。本キットは4種類のNV GIと、7種類のNV GIIをそれぞれまとめてGI、GIIとして検出するものである。キットは既に国内380以上の機関に配布し、本年度の流行で評価した。また、13種類のNVの抗原型を識別可能なELISA法を用いて小児の散発性下痢症患者の糞便を検査した結果、主要な流行株を明らかにすることも可能になってきた。NVとロタウイルスの流行時期に明らかな違いも認められ、今回のNV検出用ELISAは抗原性の異なるNVを型別して検出できることから、NV感染症の流行状況の把握などの疫学的解析に有用な方法と考えられた。
一方、これらの中空粒子を抗原にして患者血清中のIgGを検出するELISA法を構築することができた。これによって、糞便材料は採取できないが血清はとれるという状況での原因ウイルスの同定に威力を発揮するであろう。NVの血清疫学のための抗原を無限に産生する系が確立できたことになる。中空粒子を抗原にして単クローン抗体を作製し、これを用いた抗原ELISAを構築し、患者糞便材料を測定した。GII ウイルス都は全く反応せずGI特異的なもの、これとは逆にGI ウイルス都は全く反応せずGII特異的なクローンが得られ、これらを組み合わせることによってGI、GII全てのNVを検出できる試薬が期待できる。これらはまだ我々が手にしていない新規のウイルスに対しても認識できる可能性を十分に秘めている。
NVのRT-PCRにおいて、増幅領域とプライマーの設定が常に問題になってきた。本年度、全塩基配列を決定したチバウイルスは全塩基配列は解読された5番目のNVとなった。特異性の高いプライマーを設計するために、これまでに解析された遺伝子型とは異るウイルスの全塩基配列を決定するすることが必須である。チバウイルスで得られた結果を詳細に解析することによって、より適切なプライマーの設計が可能になる。より増幅効率の高いプライマーを構造蛋白領域に設計し、生カキから効率良くNVを検出できる手法を開発した。またNVのポリメラーゼと構造蛋白領域のデータベースを独自に構築し、系統解析による同定法を確立した。今後新規の塩基配列は本データベースに基づいた遺伝子系統解析による迅速な同定が可能である。1995年から2000年にわが国の乳幼児あるいは食品関連下痢症から得られたNVのポリメラーゼ領域を解析した結果、GIが5種類、GIIが9種類存在していることが明らかになった。プローブは多くの種類を混合することにより診断の確実性が高まったことから、今後国内で配布するプローブも混合したものを用いるべきである。カキによる下痢症の集団発生では、患者から5つの異なる遺伝子型が検出された。これはカキが複数のウイルスに汚染されていたことによると推察された。カキの汚染をいかに防いでゆくかが今後の大きな課題である。輸入海産物は予想されたようにNVの汚染をうけていた。リスク・アセスメントへおよび規格基準の策定のデータとして、今後も積み重ねが必須である。
SVが必ずしも乳幼児だけに感染するのではなく、年長小児や成人にも流行しうるおそれのあることが明らかになった。まだ全ての遺伝子型が検出されているわけではないので、早急に遺伝子解析を推し進める必要がある。
ロタウイルス人工空粒子を粘膜アジュバントと共に経鼻接種した結果、感染防御抗体が産生されることが明らかになった。注射によらない安全なワクチンを開発する上で今後ヒトへ応用、活用されることが期待される。
わが国の高度な下痢症ウイルス検出技術を維持するためには、実際の研究者が実験台において参照できるマニュアルを整備、適宜改定されたものを提供してゆく必要がある。下痢症ウイルスの多くはRNAを遺伝子に持つウイルスでるため高速に変異が遺伝子内に蓄積される。さらに同じ血清型のウイルスであっても地域ごとに遺伝学的に異ったウイルスが流行するのが常である。したがってマニュアルの内容を確実なものにするためには、わが国で分離されるウイルスについて遺伝学的、血清学的性状を常時監視し、それらを効率良く検出するための予備実験が不可欠である。NVに関しては、本年度改定したマニュアルによって、RT-PCR法およびハイブリダイゼーションによる同定法の確立と標準プロトコールの作成が完成した。ウイルス性食中毒の大部分を占めるNVの診断に、常に実験台の脇において活用されることが期待される。
結論
RT-PCR法と抗原ELISA法の確立、診断マニュアル作成と標準プロトコールの配布、プライマーとプローブの配布によって、NVの検出はほぼ確立した。抗体ELISAによる診断も可能になった。しかしカキ以外の食品からのNV検出法は早急に開発する必要がある。SVが新たな問題として登場し、SVの遺伝子解析を推進する必要が生じてきた。ロタウイルスの有効な予防法がみつかり、NV治療薬開発の足がかりもできた。輸入海産物の衛生確保のために、監視体制を整備する必要がある。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-