文献情報
文献番号
200000288A
報告書区分
総括
研究課題名
盲ろう者に対する障害者施策のあり方に関する研究 (総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成12(2000)年度
研究代表者(所属機関)
寺島 彰(国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所)
研究分担者(所属機関)
- 植村英晴(日本社会事業大学研究所)
- 福島智(金沢大学教育学部)
研究区分
厚生科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 障害保健福祉総合研究事業
研究開始年度
平成11(1999)年度
研究終了予定年度
平成13(2001)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、今後の盲ろう者施策の充実に向け、国内外における盲ろう者に対する施策について調査するとともに、当事者の要望調査を踏まえて、今後の盲ろう者施策のあり方について検討することを目的とする。
研究方法
本年度は、次の5つテーマについて調査・研究を実施した。
1.地方自治体の盲ろう者関係制度
2.施設入所中の盲ろう者の実態とニーズ
3.在宅盲ろう者及び家族のニーズ調査
4.在宅盲ろう者についての事例研究
5.盲ろう者向け福祉機器の現状把握
1.地方自治体の盲ろう者関係制度
2.施設入所中の盲ろう者の実態とニーズ
3.在宅盲ろう者及び家族のニーズ調査
4.在宅盲ろう者についての事例研究
5.盲ろう者向け福祉機器の現状把握
結果と考察
1.都道府県レベルの地方自治体に対し、盲ろう者施策の実施状況を調査した結果、全国19の地方自治体で盲ろう者向け施策を実施していた。そのうち最も多い施策は、盲ろう者通訳・ガイドヘルパー養成事業で、17自治体で実施されていた。他に盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業と実態調査を実施していた。
2.1年目に実態調査を実施した盲ろう施設に入所する70名の盲ろう者について、障害の状況、ADL、施設入所の理由等について調査し、施設における盲ろう者のニーズ把握を行った結果、家族介護が困難になったために施設入所を余儀なくされていることや施設内での自立度は高いものの在宅生活は難しい場合が多いこと等が明らかになった。
3.在宅盲ろう者に対するニーズ調査の結果、盲ろう者には、「孤独」、「緊急時への不安」、「コミュニケーションの不安定さ、不確実さ」、「適切なコミュニケーションに対する周囲の無理解」、「通訳・介助者派遣制度の不十分さ」、「家族からの疎外」等多種多様な困難やそれに伴うニーズが存在することが明らかとなった。
4.昨年度事例研究を実施した在宅盲ろう者ニーズをより詳細に把握するために追跡調査を実施した。その結果、働き口がない、外出ができない、コミュニケーションができないという悩みを解決できないでいる実態がわかった。一方、共同作業所等の地域利用施設での活動に生きがいを見出している例もあり、障害の重さが全面に出すぎて、ケアの可能性を理解しにくくしている傾向もみうけられた。また、「心の奥までわかってやれないことが悲しい」と家族が述べているように、本人と家族を含めた支援の必要性も示唆された。
5.盲ろう者向け福祉機器について実態調査した結果、点字ディスプレイ、ピン振動を使ったコミュニケーション機器、触覚式及びバイブレーター方式による時計、バイブレーターを利用したドアシグナル、音を振動に変えるサウンドインジケーター、マスメディアとしてポケベル、振動式水面計、振動式光感知器等の少数品種の機器が販売されているだけであった。これらの機器は、盲ろう者の生活を支えるには全く不十分な状態で、まだ取り組みが始まったばかりという状態であった。
2.1年目に実態調査を実施した盲ろう施設に入所する70名の盲ろう者について、障害の状況、ADL、施設入所の理由等について調査し、施設における盲ろう者のニーズ把握を行った結果、家族介護が困難になったために施設入所を余儀なくされていることや施設内での自立度は高いものの在宅生活は難しい場合が多いこと等が明らかになった。
3.在宅盲ろう者に対するニーズ調査の結果、盲ろう者には、「孤独」、「緊急時への不安」、「コミュニケーションの不安定さ、不確実さ」、「適切なコミュニケーションに対する周囲の無理解」、「通訳・介助者派遣制度の不十分さ」、「家族からの疎外」等多種多様な困難やそれに伴うニーズが存在することが明らかとなった。
4.昨年度事例研究を実施した在宅盲ろう者ニーズをより詳細に把握するために追跡調査を実施した。その結果、働き口がない、外出ができない、コミュニケーションができないという悩みを解決できないでいる実態がわかった。一方、共同作業所等の地域利用施設での活動に生きがいを見出している例もあり、障害の重さが全面に出すぎて、ケアの可能性を理解しにくくしている傾向もみうけられた。また、「心の奥までわかってやれないことが悲しい」と家族が述べているように、本人と家族を含めた支援の必要性も示唆された。
5.盲ろう者向け福祉機器について実態調査した結果、点字ディスプレイ、ピン振動を使ったコミュニケーション機器、触覚式及びバイブレーター方式による時計、バイブレーターを利用したドアシグナル、音を振動に変えるサウンドインジケーター、マスメディアとしてポケベル、振動式水面計、振動式光感知器等の少数品種の機器が販売されているだけであった。これらの機器は、盲ろう者の生活を支えるには全く不十分な状態で、まだ取り組みが始まったばかりという状態であった。
結論
本研究は、3年計画により、盲ろう者に対する障害者施策のあり方を研究するものである。本年度は、第2年目として、盲ろう者施策について1.地方自治体の盲ろう者関係制度調査、2.施設入所中の盲ろう者の実態とニーズ調査、3.在宅盲ろう者及び家族のニーズ調査、4.在宅盲ろう者についての事例研究、5.盲ろう者向け福祉機器の現状調査を実施した。
公開日・更新日
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