身体障害者福祉法における障害認定の在り方に関する研究 (総括研究報告書)

文献情報

文献番号
200000284A
報告書区分
総括
研究課題名
身体障害者福祉法における障害認定の在り方に関する研究 (総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成12(2000)年度
研究代表者(所属機関)
木村 哲彦(日本医科大学整形外科医療管理学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 長谷川恒範(全国生活協同組合)
  • 佐藤忠(岩手県立大学社会福祉学部)
  • 植村英晴(社会事業大学)
  • 香川 眞(流通経済大学社会学部)
研究区分
厚生科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 障害保健福祉総合研究事業
研究開始年度
平成11(1999)年度
研究終了予定年度
平成13(2001)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現状の身体障害者の範囲・認定について、医療、福祉の立場からその現状と課題について明らかにするとともに、外国を含む関連制度およびわが国の身体障害者の実態について調査する。
研究方法
外国研究として、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドを文献及び現地調査をした。
また、理論研究として、国内外の各身体障害認定制度について、文献により制度の目的により認定方法・基準に違いがみられるのかを検討した。
さらに従来の「機能障害」に重きをおいた障害評価から、「能力障害」、「機能障害」、「社会的不利」の側面からの総合的評価法の確立に向けての検討のひとつとして、「能力評価」の方法について、現在比較的広く用いられているADL評価法である「FIM(Functional Independence Measure)」とともに、ADL項目に適当な重み付けを行った「SAIN(Scored ADL Index of NRC)」について、主にその配点構造の違いの分析やRasch解析を用いた項目の点数重み付け方法などについて比較、検討した。
また、今日、課題となっている重度高次脳機能障害者について、身体障害者手帳を持っているといない人10名ずつを対象に生活状況、家族状況、所得状況、サービス利用状況、外出状況等について差があるのかを実態調査を実施した。
結果と考察
イギリスの障害認定制度は、「能力障害」による認定が比較的も多く取り入れられており、ニュージーランドは、社会的な側面を含めて総合的に評価されていた。オーストラリアは、連邦政府が障害認定基準を定め、認定機関を設置し、統一的に実施していた。
各認定制度における認定方法・基準については、障害者サービスを提供する制度は複合的な目的をもっていることが多く、必ずしも首尾一貫した原則があるわけではなかった。
障害認定方法については、FIMとSAINの両方の特性を生かしたADL評価表を障害認定に適応できる可能性があることがわかった。
高次脳機能障害者における身体障害者手帳取得の有無による障害者自身および家族の生活実態の違いについては、対象者の偏りもあり明確な差はみられなかったが、全体的に、治療、心理、将来の不安等さまざまな不安をかかえていることがわかった。
今後は、海外調査をさらに進めるとともに身体障害者認定の具体的なあり方についてさらに検討する必要があると考えられる。
結論
イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの障害者認定制度を調査した。また、理論研究として、制度の目的により認定方法・基準に違いがみられるか調査した。さらに、従来の「機能障害」に重きをおいた障害評価から、総合的評価法として「SAIN」の検討をした。また、今日、課題となっている高次脳機能障害者について、身体障害者手帳の有無で、生活状況、家族状況、所得状況、サービス利用状況等の差があるかを実態調査した。

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研究報告書(紙媒体)

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