文献情報
文献番号
200000240A
報告書区分
総括
研究課題名
障害高齢者の生活機能評価に関するガイドライン策定のための総合的研究(総括研究報告書)
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成12(2000)年度
研究代表者(所属機関)
鳥羽 研二(杏林大学医学部高齢医学)
研究分担者(所属機関)
- 鳥羽研二(杏林大学高齢医学)
- 松林公蔵(京都大学東南アジア研究センター)
- 西永正典(高知医大老年科)
- 難波吉雄(東京大学大学院加齢制御学)
- 遠藤英俊(国立中部病院)
- 葛谷雅文(名古屋大学老年科学)
- 寺本信嗣(国際医療福祉大学)
- 飯島節(筑波大学大学院教育研究科リハビリテーションコース)
- 中居龍平(ケアセンターひまわり苑)
研究区分
厚生科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 長寿科学総合研究事業
研究開始年度
平成12(2000)年度
研究終了予定年度
平成14(2002)年度
研究費
21,970,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
老年医学会教育認定施設、老人保健施設、療養型病床群に対する機能評価に関するアンケートの集計では、総合的機能評価の利用は40%以上に上っているが、具体的手技の知識は一定せず、独自の評価手法を検定を行わぬまま使用しているところも少なくないことが判明した。 本研究はこのような状況において、早急に障害高齢者の慢性期医療や長期介護の質を測定する生活機能評価方法のガイドライン試案を策定する必要性があるとの判断に依拠している。ガイドラインは単に作成するだけでなく、その妥当性を具体的老年症候群で実証し、在宅、施設、国際的観点で点検して完成することを目的とする。
研究方法
【班全体研究】
1)総合的機能評価(CGA)の知識、需要、利用、使用ツール(評価表)に関する調査と分析
日本老年医学会認定施設 213施設(全施設)、療養型病床群 444施設、老人保健施設 400施設に関する調査を続行し、ADL、IADL、認知能、ムードの評価で本邦で文献上使用されている手技について、知識と利用について分析する。主治医意見書に含まれている評価手技も加える。
2)介護保険の実施前における高齢者の機能障害と介護に関する調査と分析
東京都文京区、千代田区、東村山市、塩尻市、大府市、福岡市で在宅介護支援センター、訪問看護ステーションを利用している4000名に対し、ADL、IADL、問題行動、ムード、介護負担、介護者のQOLを調査し、機能障害評価手技の需要を調査する。
個別研究】(平成12年~14年)
9)在宅高齢者の総合的機能評価(松林):高知県香北町、滋賀県余呉町、京都府園部町、北海道羅臼町(追加)に在住する高齢者に対し、 3年間の前向きCGA研究を行い、有効な機能評価手技を抽出。
10)記憶検査外来における軽症痴呆の評価手技の実用性の検討(難波):成人型知能検査と改訂長谷川式、MMSE、国立精研式、かなひろいテストを3年間前向きに同時施行し手技の比較検討を行う。
11)ムードの多角的評価(遠藤):中部病院 CGA病棟入院症例に一般的CGAに加え、ムードを多角的に評価し、GDS30,GDS15,GDS5、意欲の指標などの評価手技を比較検討する。
12)痴呆患者の動作機能、コミュニケーションに関する新しい評価手技の開発(鳥羽、飯島)
痴呆症例における簡易失語症検査の検査限界を明らかにし、三つ編みテスト、言語コミュニケーション手法を用いた新しい機能評価スケールを開発した、13年度は訓練前後での評価を行う。
13)嚥下リハビリ介入による嚥下障害患者の機能評価の多角的比較検討(寺本、鳥羽)
入院高齢者200例に対し、嚥下リハビリテーション前後で簡易嚥下誘発試験、唾液嚥下試験(追加)と総合的機能評価を同時に施行し、嚥下性肺炎のリスクの包括的予測を行う。
14)排尿誘導による尿失禁患者の機能評価方法の有用性の多角的比較検討(鳥羽):排尿誘導前後で変化する機能を抽出(実施済み)。13年度は改善したADL、意欲の長期的変化を調査する。
15)入退院を繰り返す虚弱障害高齢者に対する機能評価方法の多角的検討(西永):年2回以上の入院歴のある高齢者に、基礎疾患、体液性因子、BADL,IADL、認知機能、服薬状況、介護状態などの総合評価を行い、入退院を繰り返す要因を明らかにし、在宅生活継続を可能とさせる因子を解明する。
16)高齢者栄養障害の多角的評価に関する研究(葛谷):栄養障害は高齢者の生命予後を左右する大きな因子である。当該研究は在宅診療、介護施設で簡便に使用できる栄養アセスメント・ツールを作成し、低栄養に関与する種々の危険因子を疾患のみならず、環境因子、ADL、認知機能、ムード等を含め明らかにする
17)都市在住高齢者の独居可能要素に関する多角的検討(中居)都市在住独居老人に対し、機能評価を施行し、独居可能な条件を抽出した。13年度も継続調査し、独居阻害要素を明らかにする。
1)総合的機能評価(CGA)の知識、需要、利用、使用ツール(評価表)に関する調査と分析
日本老年医学会認定施設 213施設(全施設)、療養型病床群 444施設、老人保健施設 400施設に関する調査を続行し、ADL、IADL、認知能、ムードの評価で本邦で文献上使用されている手技について、知識と利用について分析する。主治医意見書に含まれている評価手技も加える。
2)介護保険の実施前における高齢者の機能障害と介護に関する調査と分析
東京都文京区、千代田区、東村山市、塩尻市、大府市、福岡市で在宅介護支援センター、訪問看護ステーションを利用している4000名に対し、ADL、IADL、問題行動、ムード、介護負担、介護者のQOLを調査し、機能障害評価手技の需要を調査する。
個別研究】(平成12年~14年)
9)在宅高齢者の総合的機能評価(松林):高知県香北町、滋賀県余呉町、京都府園部町、北海道羅臼町(追加)に在住する高齢者に対し、 3年間の前向きCGA研究を行い、有効な機能評価手技を抽出。
10)記憶検査外来における軽症痴呆の評価手技の実用性の検討(難波):成人型知能検査と改訂長谷川式、MMSE、国立精研式、かなひろいテストを3年間前向きに同時施行し手技の比較検討を行う。
11)ムードの多角的評価(遠藤):中部病院 CGA病棟入院症例に一般的CGAに加え、ムードを多角的に評価し、GDS30,GDS15,GDS5、意欲の指標などの評価手技を比較検討する。
12)痴呆患者の動作機能、コミュニケーションに関する新しい評価手技の開発(鳥羽、飯島)
痴呆症例における簡易失語症検査の検査限界を明らかにし、三つ編みテスト、言語コミュニケーション手法を用いた新しい機能評価スケールを開発した、13年度は訓練前後での評価を行う。
13)嚥下リハビリ介入による嚥下障害患者の機能評価の多角的比較検討(寺本、鳥羽)
入院高齢者200例に対し、嚥下リハビリテーション前後で簡易嚥下誘発試験、唾液嚥下試験(追加)と総合的機能評価を同時に施行し、嚥下性肺炎のリスクの包括的予測を行う。
14)排尿誘導による尿失禁患者の機能評価方法の有用性の多角的比較検討(鳥羽):排尿誘導前後で変化する機能を抽出(実施済み)。13年度は改善したADL、意欲の長期的変化を調査する。
15)入退院を繰り返す虚弱障害高齢者に対する機能評価方法の多角的検討(西永):年2回以上の入院歴のある高齢者に、基礎疾患、体液性因子、BADL,IADL、認知機能、服薬状況、介護状態などの総合評価を行い、入退院を繰り返す要因を明らかにし、在宅生活継続を可能とさせる因子を解明する。
16)高齢者栄養障害の多角的評価に関する研究(葛谷):栄養障害は高齢者の生命予後を左右する大きな因子である。当該研究は在宅診療、介護施設で簡便に使用できる栄養アセスメント・ツールを作成し、低栄養に関与する種々の危険因子を疾患のみならず、環境因子、ADL、認知機能、ムード等を含め明らかにする
17)都市在住高齢者の独居可能要素に関する多角的検討(中居)都市在住独居老人に対し、機能評価を施行し、独居可能な条件を抽出した。13年度も継続調査し、独居阻害要素を明らかにする。
結果と考察
【班全体研究】機能評価の認知度と利用度
老年医学会教育認定施設、療養型施設1057施設において、2/3が総合的機能評価(CGA)の知識を有し、40%がCGAの一部を利用しているものの、個別機能評価方法の認知はばらつきが多く、独自の評価法を採用している施設が多いことが明らかとなり、これはガイドライン策定が急務であることを示唆する。
【分担研究】必要な機能評価項目の抽出
1)東京都要介護高齢者876名の介護保険の施行前の機能障害を調査し、生活補助を要し、ADLが重度に低下した平均像を得た。また、家族の介護量と介護負担の乖離を見いだした(難波、鳥羽)。2)再入院症例では生活援助の必要例が急増し、手段的ADLの測定が必須である。痴呆が増加するが、MMSE の実施可能率が大幅に低下し、指標の限界の観点から,観察法の必要性を確認した(西永)
3)入院高齢者では1.3%しか鬱病と診断されていないにもかかわらず、GDSで70%以上が軽度のうつ状態と判定され、ムードの指標の測定が必須であると考えられる(遠藤)。
4)療養型施設で機能低下に関連する栄養障害の検討から本邦独自の栄養評価指標の開発が必要と考えられた(葛谷)。
5)都市在住老人の独居可能な条件として、ADL、IADL、社会的靭帯、栄養の要素を抽出(中居)。6)全国5カ所において機能調査を実施し、QOL構造の同一性と地域差を明らかにした(松林)。
7)排尿誘導における有効な観察指標を抽出した(鳥羽)。
【新しい評価手技】の開発
1)嚥下機能障害の予後に関する簡易な評価手技:SSPTの開発(寺本、Lancet1999)。
2)中等度痴呆の動作性検査指標として、全く新しい「三つ編みテスト」を開発(飯島)
老年医学会教育認定施設、療養型施設1057施設において、2/3が総合的機能評価(CGA)の知識を有し、40%がCGAの一部を利用しているものの、個別機能評価方法の認知はばらつきが多く、独自の評価法を採用している施設が多いことが明らかとなり、これはガイドライン策定が急務であることを示唆する。
【分担研究】必要な機能評価項目の抽出
1)東京都要介護高齢者876名の介護保険の施行前の機能障害を調査し、生活補助を要し、ADLが重度に低下した平均像を得た。また、家族の介護量と介護負担の乖離を見いだした(難波、鳥羽)。2)再入院症例では生活援助の必要例が急増し、手段的ADLの測定が必須である。痴呆が増加するが、MMSE の実施可能率が大幅に低下し、指標の限界の観点から,観察法の必要性を確認した(西永)
3)入院高齢者では1.3%しか鬱病と診断されていないにもかかわらず、GDSで70%以上が軽度のうつ状態と判定され、ムードの指標の測定が必須であると考えられる(遠藤)。
4)療養型施設で機能低下に関連する栄養障害の検討から本邦独自の栄養評価指標の開発が必要と考えられた(葛谷)。
5)都市在住老人の独居可能な条件として、ADL、IADL、社会的靭帯、栄養の要素を抽出(中居)。6)全国5カ所において機能調査を実施し、QOL構造の同一性と地域差を明らかにした(松林)。
7)排尿誘導における有効な観察指標を抽出した(鳥羽)。
【新しい評価手技】の開発
1)嚥下機能障害の予後に関する簡易な評価手技:SSPTの開発(寺本、Lancet1999)。
2)中等度痴呆の動作性検査指標として、全く新しい「三つ編みテスト」を開発(飯島)
結論
総合的機能評価は、個別の機能評価ツールが、各施設でばらばらで独自のものを利用している率が高いことが問題であり、ガイドラインの作成が急務であることが示されたが、一方指標の使いにくさ、限界なども明らかになり、本邦独自の指標の開発や、すき間を埋めるツールの開発も同時に行う必要がある。
公開日・更新日
公開日
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更新日
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