市町村における介護保険モニタリング情報システムの設計と活用に関する研究(総括研究報告書)

文献情報

文献番号
200000023A
報告書区分
総括
研究課題名
市町村における介護保険モニタリング情報システムの設計と活用に関する研究(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成12(2000)年度
研究代表者(所属機関)
関田 康慶(東北大学大学院経済学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 稲田紘(東京大学大学院工学系研究科)
  • 高山忠雄(東北文化学園大学保健福祉学部)
  • 生田正幸(龍谷大学短期大学部社会福祉科)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究事業
研究開始年度
平成12(2000)年度
研究終了予定年度
平成13(2001)年度
研究費
3,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
介護保険制度におけるサービスの質やケアマネジメントのほか、事業者運営、保険者としての市町村の介護保険事業計画等の実施状況を評価・確認するためのモニタリングについて、その概念を明らかにすることを目的とする。
研究方法
研究者や実践現場における介護支援専門員及び行政関係者による検討会を開催し、システムズアプローチを適用した。ブレーンストーミングによりモニタリングの対象項目を具体化した。またこれによって明らかになった内容について、モニタリングシートを開発し、ケアマネジメントを視座においてモニタリング対象項目の検証を行った。さらにその成果をもとにモニタリング情報システム開発を行い概念の検証を行った。
結果と考察
市区町村介護保険事業計画やケアマネジメントなどのモニタリングについて、その概念を明らかにした。
モニタリングとは、計画した事業・活動・サービス等が所期の目的を達成し続けることができるよう、計画の始期(事前評価)、実施期(プロセス評価)、終期(事後評価)において、それぞれ評価確認及び必要な調整を行う過程をいい、次の機能を有するものをいう。①事業・活動・サービス等の妥当性を継続的に観察する。②観察確認結果に基づき、評価する。③評価結果に基づき、新たな対応・調整措置を講じる。④フィードフォワード機能を有する。⑤計画期間満了時において、総合評価・見直しを行う。この概念定義に基づき、ケアマネジメントを視座に、以下のモニタリング対象項目を設定した。
事前評価=介護サービス計画書(2)の項目、介護費用、当初計画、利用の適否、否・保留の場合の理由、代替サービス、サービス担当者会議、本人の状態、摘要 プロセス評価=介護サービス計画書(2)、介護費用、一部負担金、調査日、手段、利用者の意見、利用者の状況等、調査した内容問題点等、対応、対応の概要、摘要 事後評価=介護サービス計画書(2)の項目、実利用回数、介護費用、利用率、利用者の意見満足度、介護支援専門員の所見、計画修正の要否、今後の方針、ケア回数、期間これらの評価項目について、東北北海道の介護支援専門員の協力のもとに、141事例について検証を行ったところ、地域性や対象者の要介護度、介護支援専門員の経験年数等による有意差は認められなかった。概念に関する検定結果においても同様の結果が得られた。
結論
この概念定義等を用いることによって、システム論的に体系化ができた。情報システムを開発することによって、ケアマネジメントや市町村介護保険事業計画の見直しに有用と思われる。

公開日・更新日

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