熱媒体の人体影響とその治療方法に関する研究

文献情報

文献番号
199900653A
報告書区分
総括
研究課題名
熱媒体の人体影響とその治療方法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成11(1999)年度
研究代表者(所属機関)
福岡県 
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 生活安全総合研究事業
研究開始年度
平成11(1999)年度
研究終了予定年度
平成11(1999)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1968年のカネミ油症発生から32年を経過した今日、油症患者を対象にアンケート調査を実施することにより、従来の検診だけでは把握できない患者のライフスタイルや検診に対する要望等を明らかにする。
研究方法
調査対象者は福岡県を住所地とする油症患者607人(男288人、女319人)とし、アンケート調査票は個別に郵送により、配布・回収した。調査項目は、性別、年齢区分、住居地区分、健康状態、健康行動、油症よる不利益、不安感、出産歴、検診に関する要望等を設定した。また、本年度も患者の健康状態の把握及び検診データの蓄積のため、福岡県下3会場で4日間、検診医等の助言を得ながら、72名の患者に対し検診を行った。得られたデータについては、当県において保管管理し、今後必要に応じ解析等を行う。
結果と考察
回収された調査票は181枚で全調査対象の30%であり、調査対象者607人と集計対象者181人の男女の構成百分率には統計的な有意差は認められなかった。集計対象者の64%が現在医療機関にかかっており、体調が良好である者は全体の5%であった。患者の多くは、日頃から野菜をとるように心がけており、体力の増進や健康の保持に対する意識は高かった。その反面、油症中毒の後遺症や精神的な苦痛に悩まされており、治療や検診に対するあきらめ、医師や行政への不満が認められた。このことから、今後は従来の検診に加え、患者の精神的な支えとなる新たな検診体制、健康教育等の患者支援策を考える必要があると思われる。
結論
今回のアンケートから、事件発生から32年経過した今も肉体的及び精神的苦痛に悩まされる患者の姿が明らかになった。今後は、これらの研究結果と過去の検診結果を総括し、油症の効果的な治療法の解明及び油症行政のなお一層の推進を図る必要があると思われる。

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研究報告書(紙媒体)

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