炎症性腸疾患に対する白血球除去・吸着療法の効果に関する多施設共同研究

文献情報

文献番号
199900614A
報告書区分
総括
研究課題名
炎症性腸疾患に対する白血球除去・吸着療法の効果に関する多施設共同研究
課題番号
-
研究年度
平成11(1999)年度
研究代表者(所属機関)
下山 孝(兵庫医科大学 第四内科)
研究分担者(所属機関)
  • 馬場 忠雄(滋賀医科大学 第二内科)
  • 棟方 昭博(弘前大学医学部 第一内科)
  • 日比 紀文(慶應義塾大学医学部 内科)
  • 名川 弘一(東京大学医学部 腫瘍外科)
  • 樋渡 信夫(東北大学医学部 第三内科)
  • 朝倉  均(新潟大学医学部 第三内科)
  • 里見 匡迪(兵庫医科大学 第四内科)
  • 西上 隆之(兵庫医科大学 第二病理)
  • 藤原 研司(埼玉医科大学 第三内科)
  • 金城 福則(琉球大学医学部 第一内科)
  • 牧山 和也(長崎大学医学部 光学医療診療部)
  • 櫻井 俊弘(福岡大学筑紫病院 消化器科)
  • 松本 誉之(大阪市立大学医学部 第三内科)
  • 飯塚 文瑛(東京女子医科大学 消化器内科)
  • 戸澤 辰雄(兵庫医科大学 中央臨床検査部)
  • 福田 能啓(兵庫医科大学 第四内科)
  • 澤田 康史(兵庫医科大学 第四内科)
  • 福島 恒男(横浜市立市民病院 外科)
  • 高添 正和(社会保険中央総合病院 内科)
研究区分
厚生科学研究費補助金 先端的厚生科学研究分野 特定疾患対策研究事業
研究開始年度
平成11(1999)年度
研究終了予定年度
平成12(2000)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
① 潰瘍性大腸炎(以下UC)に対する研究:UCに対するLCAPの有用性と安全性を客観的に評価し、LCAPをUCの治療法として確立する。
② クローン病(以下CD)に対する研究:CDに対するLCAPの有用性を明らかにし、CD患者のLCAP適応を決定する。
研究方法
UCに対する研究:白血球系細胞吸着除去フィルター(以下trueカラム)を使用して治療する群(以下true群)と、白血球系細胞吸着除去能がほとんど無いフィルター(以下shamカラム)を装着して治療する群(以下sham群)を設けて、改善効果と有用性、有害事象発生を群間比較検討するプロトコールを作成した。研究を実施するにあたり、分担研究者と研究協力者の各実施医療機関で倫理委員会に承認を求め、UC研究治療については19施設中18施設で承認を得た。倫理委員会で承認を得た施設から登録を受け付け、主任研究者がコントローラーになり、登録された患者を最小化法でtrue群とsham群に割り付けて研究治療を実施した。
CDに対する研究:CDに対するLCAPの多施設共同研究のプロトコールを作成し、分担研究者と研究協力者の各実施医療機関で倫理委員会に承認を求め、すべての施設で承認を得た。倫理委員会で承認を得た施設から登録を受け付け、研究治療を実施した。
結果と考察
研究結果=UCに対する研究:現在までに14例のUC患者が登録され、うち8例が治療期間を終了している。8例のうち、1例は中間評価(5回の治療後)で悪化と判定され、脱落症例となった。7例は最終評価まで治療を継続し、最終評価の結果は著効2例、有効4例、不変1例であった。
CDに対する研究:現在までに4例のCD患者が登録され、うち3例が治療期間を終了している。3例のうち、1例は中間評価(5回の治療後)で悪化と判定され、脱落症例となった。2例は最終評価まで治療を継続し、最終評価の結果は不変2例であった。
結論
UCに対する研究現段階では目標症例数(30例)に達していないため、開封を行っていないので詳しい解析を実施していない。目標症例数に達した時点で解析を行い、true群とsham群の改善効果を比較する。CDに対する研究目標症例数(30例)に達していないため、解析を実施していない。目標症例数に達した時点で解析を行い、CDに対するLCAPの有用性を明らかにし、CD患者のLCAP適応を決定したい。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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