高齢者虚血性心疾患における冠危険因子と心臓リハビリテーション法の有用性

文献情報

文献番号
199900224A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者虚血性心疾患における冠危険因子と心臓リハビリテーション法の有用性
課題番号
-
研究年度
平成11(1999)年度
研究代表者(所属機関)
代田 浩之(順天堂大学循環器内科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 長寿科学総合研究事業
研究開始年度
平成11(1999)年度
研究終了予定年度
-
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高齢の冠動脈疾患患者において冠危険因子の特徴を把握し、外来での運動と食事指導のプログラムの効果を評価する。
研究方法
平成11年度は10年度に引き続き、対象症例の登録を行った。65歳以上の男性冠動脈疾患患者で定期的に通院が可能な症例を封筒法で、前期と後期介入群に無作為に割り付け、介入時は食事と監視下運動療法を中心としたphase III心臓リハビリテーションプログラムに週1回参加し、非介入時は通常の外来に通院。前期を六ヶ月間としクロスオーバーし、後期六ヶ月の観察。平成11・12年で38例の登録終了。
結果と考察
両群間に臨床背景、危険因子に差は認めず。介入により平均運動量、平均歩数は介入群で増加の傾向を示し、対照群では平均総消費量とPeak VO2の有意な低下を認めた。介入群では有意なBMI の減少と体脂肪の減少傾向、ウエスト、ヒップの低下を認め、また総コレステロールは202±28㎎/dlから191±30㎎/dlに有意な低下を示した。HDLコレステロール及びApoA-1は若干の低下を認めた。過酸化脂質としてTBARSは介入群では2.19から1.65n mol/mlと有意な低下を認め、LDLの粒子径は大きくなる方向へ改善傾向を示した。内皮依存性の血管拡張では介入群で1.63%から3.95%と改善傾向を認めた。SF36で評価した生活の質では一般的健康感であるgeneral health と痛みの指標であるbodily painが介入群において、有意に改善あるいは改善傾向を示した。
結論
高齢の冠動脈疾患患者において週一回の多因子介入プログラムは冠危険因子の改善に有益であると考えられる。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-

研究報告書(紙媒体)