厚生科学研究を重点的、効率的、効果的に推進するための中核的な研究所構想確立に関する研究

文献情報

文献番号
199900087A
報告書区分
総括
研究課題名
厚生科学研究を重点的、効率的、効果的に推進するための中核的な研究所構想確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成11(1999)年度
研究代表者(所属機関)
岸本 忠三(大阪大学)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生科学特別研究事業
研究開始年度
平成11(1999)年度
研究終了予定年度
平成12(2000)年度
研究費
-円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚生科学研究を重点的、効率的、効果的に推進するための中核的研究所構想の確立。
研究方法
厚生科学研究の総合的推進に真に役立つための研究拠点の整備を含め、次の事項について、検討委員会を設け検討した。1)画期的医薬品、先端的医療機器、未来医療の効率的推進と開発のための基礎的・基盤的研究2)研究資源集積機能とその維持・管理・提供に関する研究3)研究計画、国内外との連携、研究成果の評価等の在り方に関する研究4)研究所の運営管理の在り方に関する研究。なお、本研究は、中核的研究所の構想を策定するものであり、倫理面の問題はないものと判断した。
結果と考察
医薬品、医療機器の具体の開発は、企業の責任により行われるものであるが、これらの開発に係わる基礎的な研究あるいは基盤技術開発研究は、国において推進されることが、最も効率的であり、この分野の発展に大きく寄与すると思慮される。厚生省においても、中核的な研究所を形成し、既存の厚生省試験研究機関と知的、技術的、人的連携を深め、国が関与して医薬品や人工臓器の開発のための汎用性の高い基礎的・基盤技術開発研究等を進めることが望まれる。基盤研究機関の役割の一つとしては、評価と標準化に関わる研究があり、開発段階における評価方法、研究のための標準化があると考えられる。
さらに、評価・標準化を含む基盤研究機能、研究資源集積供給機能、運営管理機能等について、次の分野での意見が集約された。1)画期的医薬品、先端的医療機器、未来医療の効率的推進と開発のための基礎的・基盤的研究として、○品質評価、○安全性評価、有効性評価、○安全性予測システム、○疾患モデル動物、○ゲノム情報からの創薬・治療法、○蛋白質、○再生医療、○ヒト組織の利用(安全性・有効性評価技術)、○化合物ライブラリー(高分子、低分子化合物)の構築、○遺伝子治療(遺伝子導入ベクターシステム)、○創剤技術、○ミレニアムプロジエクト研究成果の活用、2)研究資源集積機能とその維持・管理・提供に関する研究として、○遺伝子バンク、○細胞バンク、○胚バンク、○病態モデル動物・ヒト化モデル動物、○ヒト、実験動物、家畜等脊椎動物に由来する培養細胞研究資源、○すでにバンク化されているもののうち医療目的のもの、○厚生科学研究(開発のほか疫学も含む)に必要な生物種、○危機管理・防災用資源、○疾患モデル動物関連データベース構築、○医薬品創製の基盤に関する生命科学と基礎・臨床医学の情報のライブラリー化、○ヒト組織ネットワーク、3)研究計画、国内外との連携、研究成果の評価等の在り方に関する研究研究として、○国内外の試験研究機関との連携、○技術移転・産業化に期待できる効果、4)研究所の運営管理の在り方に関する研究として、○所長の選考、○研究員の選考、○主任研究員の選考、○研究成果の評価、○技術移転と産官学共同研究の推進委員会設置、○産官学共同研究推進機能、○研究企画調整機能。これらの集約された意見等は、厚生省傘下をはじめとする国内の試験研究機関でカバーできない分野での具体的な研究内容とその研究体制のあり方、国立医薬品食品衛生研究所との具体的な連携方策等について、産学官の研究交流の促進、企画調整機能の強化、研究運営の透明性の確保などの観点を踏まえてまとめられており、中核的な研究所構想の確立を促進するものと考えられる。
結論
別添の集約意見等を基に、厚生省内外の研究機関の役割分担(機能分担)について検討し、機能特化をした上で具体な中核的研究所構想を確立する必要がある。

公開日・更新日

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更新日
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