文献情報
文献番号
199900047A
報告書区分
総括
研究課題名
畜水産食品中残留ホルモンのヒト健康に及ぼす影響に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成11(1999)年度
研究代表者(所属機関)
林 裕造(北里大学薬学部客員教授)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生科学特別研究事業
研究開始年度
平成11(1999)年度
研究終了予定年度
平成12(2000)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
エストロジェン等の天然型ホルモン剤は、米国、豪州等において、牛などの家畜に肥育促進の目的で使用されており、また、EUでは1988年よりこれら肥育ホルモンを使用した牛肉等の輸入禁止等を行っていることから、EU・米国間では深刻な貿易問題となっている。
従来、国際的には、食品中の天然型ホルモンの安全性については問題がないとされてきたところであり、1999年2月のJECFAにおいても、畜産食品中における残留レベルではその摂取等による問題はないと結論されているが、5月初旬のEU科学委員会より、その安全性には疑問(特に、エストラジオール-17βの発がん性)があるとする報告書が提出された。
我が国では、これまでJECFA等での結論に基づき安全性に問題はないとの立場をとってきたところであるが、米国等からの畜産食品の輸入量は多く、また、畜産食品の摂取は高頻度に、かつ長期間に及ぶことから、現時点でのこれら知見等を科学的に評価することを目的とする。
従来、国際的には、食品中の天然型ホルモンの安全性については問題がないとされてきたところであり、1999年2月のJECFAにおいても、畜産食品中における残留レベルではその摂取等による問題はないと結論されているが、5月初旬のEU科学委員会より、その安全性には疑問(特に、エストラジオール-17βの発がん性)があるとする報告書が提出された。
我が国では、これまでJECFA等での結論に基づき安全性に問題はないとの立場をとってきたところであるが、米国等からの畜産食品の輸入量は多く、また、畜産食品の摂取は高頻度に、かつ長期間に及ぶことから、現時点でのこれら知見等を科学的に評価することを目的とする。
研究方法
以下の項目について、EU委員会の報告書及び各種文献による最新の科学的知見を基に検討を行った。1)エストラジオール-17βの発がん性、2)エストラジオール-17βの生殖・発生毒性、3)エストラジオール-17βの遺伝毒性、4)エストラジオール-17βによるDNA障害、5)食肉中の残留ホルモン濃度に関する知見、6)CODEX委員会とEU科学委員会との論点
結果と考察
科学的知見と議論を基礎に家畜の肥育促進を目的とするエストラジオール-17βの使用を慎重に 検討し、結論的に、この問題についてのCODEX委員会の結論に準じて、家畜における適正使用規範に従って使用するという原則が厳守されるという条件で、家畜へのエストラジオール-17βの使用 はヒトに対する健康リスクを増加する要因にはならないという立場を取る方策が妥当と結論する。
なお、この問題への対応に関連する研究課題として、下記事項の検討を可及的速やかに実施すべきであるとの意見が交わされた。
(1)エストラジオール-17βの高感度分析法の実用化
(2)思春期前及び胎児期における低濃度のエストラジオール-17βの影響
(3)思春期前の小児におけるエストラジオール-17βの産生
(4)合成女性ホルモン剤のヒト健康に及ぼす影響
なお、この問題への対応に関連する研究課題として、下記事項の検討を可及的速やかに実施すべきであるとの意見が交わされた。
(1)エストラジオール-17βの高感度分析法の実用化
(2)思春期前及び胎児期における低濃度のエストラジオール-17βの影響
(3)思春期前の小児におけるエストラジオール-17βの産生
(4)合成女性ホルモン剤のヒト健康に及ぼす影響
結論
科学的知見と議論を基礎に家畜の肥育促進を目的とするエストラジオール-17βの使用を慎重に 検討し、結論的に、この問題についてのCODEX委員会の結論に準じて、家畜における適正使用規範
に従って使用するという原則が厳守されるという条件で、家畜へのエストラジオール-17βの使用はヒトに対する健康リスクを増加する要因にはならないという立場を取る方策が妥当である。
に従って使用するという原則が厳守されるという条件で、家畜へのエストラジオール-17βの使用はヒトに対する健康リスクを増加する要因にはならないという立場を取る方策が妥当である。
公開日・更新日
公開日
-
更新日
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