小児における脳死判定基準釈に関する研究班報告書について

文献情報

文献番号
199900041A
報告書区分
総括
研究課題名
小児における脳死判定基準釈に関する研究班報告書について
課題番号
-
研究年度
平成11(1999)年度
研究代表者(所属機関)
竹内 一夫(杏林大学名誉教授)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生科学特別研究事業
研究開始年度
平成11(1999)年度
研究終了予定年度
平成12(2000)年度
研究費
1,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚生省研究班脳死判定基準(いわゆる竹内基準)では、6歳未満の小児を判定の対象外としている。このため、本研究班では、6歳未満の小児における脳死判定基準を作成、提案することを目的とする。
研究方法
国内の脳神経外科、救急医学等の有識者による検討会を数度重ね、延べ全国1,220の医療施設において行った実態調査の結果(解析対象症例 139例)を解析するとともに、諸外国の文献的考察を行い、「小児における脳死判定基準」を提案した。
結果と考察
1.対象例としては、①深昏睡・無呼吸をきたして人工呼吸を必要する症例、②原疾患が確実に診断されている症例、③現在行いうる全ての適切な治療手段をもってしても、回復の可能性が全くないと判断される症例とする。 2.除外例としては、①年齢による除外(12週未満)、②体温、薬物の影響による除外、③疾患による除外を行う。3.判定基準としては、①深昏睡、②瞳孔の固定、③脳幹反射の消失(対光反射、角膜反射、毛様脊髄体反射、眼球頭反射、前庭反射、咽頭反射、咳反射)、④脳波活動の消失、⑤自発呼吸の消失とする。4.判定間隔としては、1回目の脳死判定後24時間以上の間隔をおいて2回判定を始めることとする。
結論
本研究では、現在の水準における医学的な側面から、「小児における脳死判定基準」を作成、提案した。今後、新たな知見や本研究結果に対する建設的な意見により、一層洗練された判定基準になることを望むものである。
<小児における脳死判定基準>
1.対象例
1)器質的脳障害により深昏睡・無呼吸をきたして人工呼吸を必要する症例
2)原疾患が確実に診断されている症例
3)現在行いうる全ての適切な治療手段をもってしても、回復の可能性が全くないと判断される症例
2.除外例
1)年齢による除外 修正齢12週未満*       *過去の研究報告、各国の基準等を踏まえ除外
2)体温、薬物の影響による除外
①体温 深部温35℃未満
②薬物の影響
3)疾患による除外 代謝異常、内分泌疾患
3.必須項目
1)深昏睡 Japan Coma Scale (3-3-9度方式)300 又は GCS3
2)瞳孔  両側中心固定(対光反射なし)、瞳孔径は左右とも原則として4mm以上
3)脳幹反射の消失
対光反射の消失、角膜反射の消失、毛様体脊髄反射の消失、眼球頭反射の消失、
前庭反射の消失、咽頭反射の消失、咳反射の消失
4)脳波活動の消失
5)自発呼吸の消失
4.判定間隔  24時間以上
注)成人の基準との相違点         
観 察 時 間:6時間以上(成人)→24時間以上(小児)

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研究報告書(紙媒体)

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