保健師活動の展開推進及び統括保健師の役割遂行力開発

文献情報

文献番号
201927014A
報告書区分
総括
研究課題名
保健師活動の展開推進及び統括保健師の役割遂行力開発
課題番号
19LA1004
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
井伊 久美子(香川県立保健医療大学 保健医療学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
7,750,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域において保健師が保健活動を行う上で留意すべき事項については、「地域における保健師の保健活動について」(平成25年4月19日付け厚生労働省健康局長通知)により、体制整備、人材確保、人材配置、人材育成の観点から、保健師の保健活動の更なる推進のために取り組むべき方向性を示しているが、このうち保健師の活動のあり方については、「地域における保健師の保健活動指針」(平成25年4月19日付け厚生労働省健康局長通知別紙)として示されている。(以下「活動指針」という。)
地域保健を担う保健師は、住民の健康課題の解決のため、活動指針に基づき、保健活動を実施しているが、策定から5年を経て、社会情勢の変化や住民の生活実態は変化しており、こうした変化に対応した保健活動を推進していくことが重要である。
現時点で、活動指針については地方公共団体のほぼすべての保健師が理解しているものの、具体的な活動にどのようにつながっているかは明らかにされていない。
本研究は、活動指針を踏まえた活動の実態を把握し、活動を展開するための促進要因や阻害要因を明らかにし、保健活動の推進策を整理した「保健師活動推進マニュアル(仮称)」または活用事例集を作成することを目的としている。また、平成25年4月の活動指針で統括保健師の配置の必要性について新規に明記された。統括保健師が期待される役割を担うことが、保健師の保健活動を推進していく上では重要であるが、特に市町村の統括保健師の資質向上のためのプログラムが開発されていない。そのため、その開発を試みる。
本研究は3年計画で実施しているが、1年目である本年は、保健師活動指針に基づく保健活動及び人材確保・育成、統括保健師の配置や役割について各自治体の取り組み状況及び課題を把握することを目的に、活動指針に関する全国的な調査を実施した。
研究方法
調査は、令和元年度厚生労働科学研究費補助金「保健師活動指針に基づく保健活動の展開に関する調査」として、自記式質問紙による郵送調査を令和2年1月24日~令和2年3月13日に実施した。全国都道府県及び市町村の統括保健師1788名を対象としたが、回答は810件で、回収率は45.3%だった。
調査結果は、一部単純集計を行い、全体状況を概観した。
結果と考察
本研究は、社会の変化に対応した保健師の保健活動について、基本的な考え方や保健活動の推進策を整理し、保健師活動推進マニュアル(仮称)あるいは活動事例集等を作成することを目指している。そのため以下3か年計画で実施することとしている。
令和元年度は、先行研究等をレビューし、活動指針の各項目の取り組みの評価、統括保健師の配置状況や役割機能に関して、現状及び今後の課題を把握するための調査設計を行う。そして、現場保健師へのヒアリングを踏まえ、全国調査を実施する。
令和2年度は、全国調査の調査結果を分析し、保健師の保健活動を推進する上での阻害要因や促進要因を踏まえた保健師活動の推進策を整理するとともに、統括保健師のコンピテンシーを整理し、保健師活動推進マニュアル案の策定及び統括保健師育成のための研修プログラムを開発する。
令和3年度は、策定した保健師活動推進マニュアル等の案の活用確認を行うとともに、マニュアル等を補完する効果的な保健活動の取り組み事例や統括保健師の配置や育成に資する取り組み事例を収集した活用事例集を作成する。加えて、統括保健師研修プログラムを試行し活用のための精錬を行う。
この1年目である本年は、文献検討及びヒアリングを踏まえ、活動指針に関する全国調査を計画実施し、全体を概観することができた。また、保健師活動の促進要因等を詳細分析する材料を整理することができた。
結論
限定的であるが結果からは、統括保健師の位置づけと役割、人材育成、地域ベースの活動に係る取り組みに大きい課題があることが推察された。これらを中心に、2年目に詳細分析を行い、自由記載の内容も突合し、分析検討進め促進要因等を明らかにする。本調査では、最終成果物である「保健活動推進マニュアル(仮称)」や「統括保健師の育成のための研修ガイドライン」につながるよう、質的な分析とさらなる情報収集を行うための留意点を確認することができた。

公開日・更新日

公開日
2020-12-15
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201927014Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
10,000,000円
(2)補助金確定額
9,535,000円
差引額 [(1)-(2)]
465,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,333,272円
人件費・謝金 1,500,000円
旅費 742,538円
その他 3,709,414円
間接経費 2,250,000円
合計 9,535,224円

備考

備考
自己資金165円、預金利息59円

公開日・更新日

公開日
2021-05-07
更新日
-