文献情報
文献番号
201927011A
報告書区分
総括
研究課題名
実践を踏まえた災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)の質の向上、構成員、受援者の技能維持に向けた研究
課題番号
19LA1001
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
服部 希世子(熊本県天草保健所)
研究分担者(所属機関)
- 木脇 弘二(熊本県菊池保健所)
- 藤内 修二(大分県福祉保健部)
- 山中 朋子(青森県弘前保健所)
- 池邉 淑子(大分県豊肥保健所)
- 市川 学(芝浦工業大学システム理工学部)
- 緒方 敬子(熊本県御船保健所)
- 小倉 憲一(富山県厚生部)
- 武智 浩之(群馬県渋川保健福祉事務所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
4,680,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
平成30年7月豪雨災害においては制度化後初めてDHEAT出動要請を受け、被災地においてDHEATによるマネジメント支援活動が行われたが、出動体制、効果的な活動の在り方、受援体制など多くの課題が指摘された。本研究では出動により明確となったこれら課題を、1) 平時・発災時のDHEAT運用体制、2) 迅速・効率的なDHEAT出動体制、3) 活動の検証と応援の在り方、4) 受援体制の構築支援、5) 中長期の公衆衛生業務各論の5つに整理し、平成30年7月豪雨災害の活動検証をもとに検討を行う。これらの成果をDHEAT活動ハンドブックや養成研修へ反映させ、活動要領改正につなげることにより、今後のDHEAT制度維持、活動の質の向上に資することを目的とする。
研究方法
本研究では、DHEAT活動に関する課題を5グループに分担し研究を進める体制を取っている。今年度はDHEAT活動検証行い課題を詳細に検討後、各グループで共有し、DHEAT運用体制およびDHEAT応援の在り方、期待される役割についての具体的な提言につなげる。本研究成果を災害時のマネジメント拠点である都道府県や保健所と共有し実効性のあるものとするため、全国衛生部長会、全国保健所長会等から統括補佐として研究分担者を加え検討を進めている。
結果と考察
1) 平時・発災時のDHEAT運用体制グループ:全国的なDHEAT運用体制構築のため、①都道府県・指定都市におけるDHEAT活動体制の強化(都道府県内応援体制の構築、DHEATを継続的に派遣できるための人材確保、統括的なDHEATの配置)、②地域ブロックDHEAT協議会の設置、③全国DHEAT協議会の設置について検討し、具体的な提案を行った。
2) 迅速・効率的なDHEAT出動体制グループ:DHEAT活動検証を踏まえ、DHEAT待機基準および待機基準がかかった場合の対応フローを作成した。併せて派遣要請基準の検討を行った。今後、DHEAT運用体制の検討と並行し、先遣隊を含めた地域ブロックから全国ブロックへと段階的な出動フローの検討を行う。
3) 活動の検証と応援の在り方グループ:DHEATの応援要請、受援体制、活動内容、活動開始・終了時期などに関する調査票を作成し、平成30年7月豪雨災害被災地に対してインタビュー調査を実施した。被災自治体の視点でDHEAT活動を評価した結果をまとめ、インタビュー内容と共に各グループで共有した。受援側と支援側の共通理解を図ることができるよう、検証のまとめを整理しDHEATに期待される役割リストを作成した。
4) 受援体制の構築支援グループ:保健所と管轄市町村が合同訓練等で使用できる教材のひな型を提示するため、発災後の体制立ち上げ、情報伝達、避難所対応、支援チームのマネジメントなど、フェーズ毎に訓練に盛り込むべき内容を整理した。今後、フェーズ毎の訓練内容をもとに、本部運営訓練のデモンストレーション等の作成を進める。
5) 中長期の公衆衛生業務各論グループ:中長期の業務対応の検討を進めるため、都道府県災害関連マニュアル等を災害時の対策別に整理した。また、過去の災害記録から車中泊・在宅被災者支援の実際について表にまとめ現状を把握し、マニュアル等の整理と併せて会議において車中泊・在宅被災者支援の標準的な対応策について検討した。今後、感染症対策、食支援・栄養指導、歯科保健医療対策、生活不活発病、DVT対策、こころのケア、衛生環境対策、食品衛生対策、被災動物対策について順次検討を進める。さらに、災害時保健医療活動Q&A集に盛り込む項目を整理した。
2) 迅速・効率的なDHEAT出動体制グループ:DHEAT活動検証を踏まえ、DHEAT待機基準および待機基準がかかった場合の対応フローを作成した。併せて派遣要請基準の検討を行った。今後、DHEAT運用体制の検討と並行し、先遣隊を含めた地域ブロックから全国ブロックへと段階的な出動フローの検討を行う。
3) 活動の検証と応援の在り方グループ:DHEATの応援要請、受援体制、活動内容、活動開始・終了時期などに関する調査票を作成し、平成30年7月豪雨災害被災地に対してインタビュー調査を実施した。被災自治体の視点でDHEAT活動を評価した結果をまとめ、インタビュー内容と共に各グループで共有した。受援側と支援側の共通理解を図ることができるよう、検証のまとめを整理しDHEATに期待される役割リストを作成した。
4) 受援体制の構築支援グループ:保健所と管轄市町村が合同訓練等で使用できる教材のひな型を提示するため、発災後の体制立ち上げ、情報伝達、避難所対応、支援チームのマネジメントなど、フェーズ毎に訓練に盛り込むべき内容を整理した。今後、フェーズ毎の訓練内容をもとに、本部運営訓練のデモンストレーション等の作成を進める。
5) 中長期の公衆衛生業務各論グループ:中長期の業務対応の検討を進めるため、都道府県災害関連マニュアル等を災害時の対策別に整理した。また、過去の災害記録から車中泊・在宅被災者支援の実際について表にまとめ現状を把握し、マニュアル等の整理と併せて会議において車中泊・在宅被災者支援の標準的な対応策について検討した。今後、感染症対策、食支援・栄養指導、歯科保健医療対策、生活不活発病、DVT対策、こころのケア、衛生環境対策、食品衛生対策、被災動物対策について順次検討を進める。さらに、災害時保健医療活動Q&A集に盛り込む項目を整理した。
結論
平成30年7月豪雨災害におけるDHEAT活動検証結果を、DHEAT運用体制骨子案の作成およびDHEAT活動の在り方提言に反映し、受援体制の構築方法、中長期の業務体制の在り方等の検討に用いた。
公開日・更新日
公開日
2021-06-14
更新日
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