文献情報
文献番号
201926012A
報告書区分
総括
研究課題名
化学物質のインビトロ神経毒性評価法の開発
課題番号
19KD1003
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
諫田 泰成(国立医薬品食品衛生研究所 薬理部)
研究分担者(所属機関)
- 斎藤 潤(京都大学iPS 細胞研究所)
- 渋谷 淳(国立大学法人東京農工大学)
- 吉田 祥子(豊橋技術科学大学)
- 吉成 浩一(静岡県立大学)
- 小田原 あおい(東北工業大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
21,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
現在、試験データのない膨大な数の化学物質の安全性評価が大きな課題となっている。特に
神経毒性に関してはメカニズムが不明で適切な評価方法が活用されていないため、新たな神経
毒性評価法が喫緊の課題であり、OECD などで国際的な議論が進行中である。
神経毒性に関してはメカニズムが不明で適切な評価方法が活用されていないため、新たな神経
毒性評価法が喫緊の課題であり、OECD などで国際的な議論が進行中である。
研究方法
OECDと共有している化学物質リストをもとに、インビトロ、インビボ、インシリコのそれぞれの観点から、神経毒性評価法の開発を行った。
結果と考察
まず神経系の構造に対する毒性に関しては、ロテノンによりヒトiPS 細胞の分化能が抑制されることから、ミトコンドリア毒性を有する化合物を評価した。その結果、多くのDNT化合物は分化を抑制することを明らかにした。ヒトiPS 細胞は株間差、人種間差が知られており、日本人由来のiPS 細胞の整備を進めている。
次に、機能面として、iPS 由来神経細胞のネットワーク評価を行ったところ、MEAシステムを用いてピレスロイド系農薬などの毒性を検出可能であることを明らかにした。また、MEAデータをもとに、農薬などのリスク分類を試みている。得られた細胞毒性データはOECD で進行中のバリデーションのデータと比較する予定である。
また、動物実験によるin vivoデータと検証を行いハザード評価を行った。他にも毒性が懸念される化学物質の評価を行い、動物脳組織におけるエピゲノムデータなどの取得を進めている。
さらに、これらのデータを統合する目的で、インシリコによる毒性評価法に着手した。既存の情報が非常に限られていることから、機械学習への応用を目的としたラット毒性試験データベースの構築を進め、繁殖毒性試験データベースのプロトタイプを構築した。
次に、機能面として、iPS 由来神経細胞のネットワーク評価を行ったところ、MEAシステムを用いてピレスロイド系農薬などの毒性を検出可能であることを明らかにした。また、MEAデータをもとに、農薬などのリスク分類を試みている。得られた細胞毒性データはOECD で進行中のバリデーションのデータと比較する予定である。
また、動物実験によるin vivoデータと検証を行いハザード評価を行った。他にも毒性が懸念される化学物質の評価を行い、動物脳組織におけるエピゲノムデータなどの取得を進めている。
さらに、これらのデータを統合する目的で、インシリコによる毒性評価法に着手した。既存の情報が非常に限られていることから、機械学習への応用を目的としたラット毒性試験データベースの構築を進め、繁殖毒性試験データベースのプロトタイプを構築した。
結論
本研究において、インビトロ、インビボ、インシリコ評価を用いて、化学物質の統合的な神経毒性評価法を進めた。OECDや米国EPAを中心とする国際グル-プとの協調のもと、従来の神経毒性試験(TG424)や発達神経毒性試験(TG426)を代替して国際的な化学物質管理の取組みに貢献できる試験法として確立し、統合な神経毒性評価法の構築を目指す。
公開日・更新日
公開日
2020-12-16
更新日
-