文献情報
文献番号
199800776A
報告書区分
総括
研究課題名
ケア・マップの実用的研究
課題番号
-
研究年度
平成10(1998)年度
研究代表者(所属機関)
亀田 俊忠(亀田総合病院)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究事業
研究開始年度
平成10(1998)年度
研究終了予定年度
-
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
診療プロセスは多職種が多側面で時系列に関与しており、医療提供に直接関わる物以外には把握が難しい。本研究は、情報システムや情報ネットワークを活用して診療プロセスを明示し、検討・参照を可能とする仕組みを構築し、診療の質と効率の向上に資することを目標としている。本研究は、(1)ケア・マップの表現形式について、臨床の現場においてより効率的に運用可能な形式の見直し(検討)を行うこと、(2)上記に基づき、ケア・マップの参照データベース(参照ライブラリー)構築上の要件を整理すること、以上の二点を主たる目的とする。
研究方法
臨床家、システム・エンジニア、研究家が連携し、情報ネットワークを有効に活用するケア・マップの表現(表記)方式を再度見直し、より効率的で実用性の高いケア・マップの評価・検討を行った。また、ケア・マップを広く収集し、広く参照が可能となるためのケア・マップデータベース(参照ライブラリー)についての要件の整理、可能性の検討を行った。
結果と考察
結果=ケア・マップを表現する縦軸(カテゴリー情報)と横軸(日付・時間情報)そして診療の内容を表現するセルの全てについて見直しを行ったところ、現在の診療計画の思考を中断することなく、診療計画を作成するには、従来のケア・マップで多く表現されていた日付にと診療行為が関係しているよりも、日付にある程度の幅をもたせ(例:術前準備期間など)その期間に診療の行為を関係づける方式にすると、より実際の臨床での運用に柔軟に対応可能となり、また、不要なバライアンス(マップの修正・変更情報)を収集することが少なくなると考えられた。また、入院治療におけるケア・マップを作成する場合でも、診療の効率化や在院日数の短縮には外来での入院前検査,処置が重要な役割を担うため、ケア・マップの表記上でも外来期と入院期を1つのマップ上に表現する必要があると考えられた。
次にカテゴリー軸に関しては、医師、看護士、技師の思考過程はそれぞれに異なるため、各職種に応じたカテゴリーを予めいくつか用意しておき、必要時に応じてケア・マップのカテゴリー軸の再編集が必要であると考えられた、また、病院情報システムと連携したケア・マップを作成するためには、カテゴリー軸をオーダーエントリーシステムや、電子カルテシステム,看護システムの管理項目を検討の上決定して行く必要がある。
ケア・マップの参照ライブラリー構築に当たっては、各方面より多くのケア・マップを収集することを目的とするために、標準的なケテゴリー名や診療名を定義することは、大変難しいとの結論に達した。臨床の現場で運用しているケア・マップを実際に使用している診療の名称を自由形式にて収集・管理するための、データベース(データ・ウエアハウス)と検索ツールを用意する方法が現時点で望ましいと考えられた。また、情報の検索時には、ケア・マップを公開している各サーバー上のデータ逐次検索することが望ましいと考えられた。
考察=ケア・マップの表記を見直すことにより、紙上でのケア・マップと病院情報システムと連携したケア・マップの長短所が明確になりつつある。また、ケア・マップが診療計画のみに使用されるのではなく、指示表にも流用可能であると考えられた。
ケア・マップ上に看護が使用している体温,血圧,心拍数等のグラフを貼り付けることにより、治療効果を確認しながらの診療計画作成にも効果を発揮すると考えられる。
ケア・マップの参照ライブラリー化に当たっては、データ・ウエアハウス,データ間イニングの技法、ツールを利用することにより、書式等を標準化することなく柔軟にデータが管理出来また、多次元の検索が可能になると考えられた。
次にカテゴリー軸に関しては、医師、看護士、技師の思考過程はそれぞれに異なるため、各職種に応じたカテゴリーを予めいくつか用意しておき、必要時に応じてケア・マップのカテゴリー軸の再編集が必要であると考えられた、また、病院情報システムと連携したケア・マップを作成するためには、カテゴリー軸をオーダーエントリーシステムや、電子カルテシステム,看護システムの管理項目を検討の上決定して行く必要がある。
ケア・マップの参照ライブラリー構築に当たっては、各方面より多くのケア・マップを収集することを目的とするために、標準的なケテゴリー名や診療名を定義することは、大変難しいとの結論に達した。臨床の現場で運用しているケア・マップを実際に使用している診療の名称を自由形式にて収集・管理するための、データベース(データ・ウエアハウス)と検索ツールを用意する方法が現時点で望ましいと考えられた。また、情報の検索時には、ケア・マップを公開している各サーバー上のデータ逐次検索することが望ましいと考えられた。
考察=ケア・マップの表記を見直すことにより、紙上でのケア・マップと病院情報システムと連携したケア・マップの長短所が明確になりつつある。また、ケア・マップが診療計画のみに使用されるのではなく、指示表にも流用可能であると考えられた。
ケア・マップ上に看護が使用している体温,血圧,心拍数等のグラフを貼り付けることにより、治療効果を確認しながらの診療計画作成にも効果を発揮すると考えられる。
ケア・マップの参照ライブラリー化に当たっては、データ・ウエアハウス,データ間イニングの技法、ツールを利用することにより、書式等を標準化することなく柔軟にデータが管理出来また、多次元の検索が可能になると考えられた。
結論
コンピュータネットワークによるケア・マップの作成・明示は、診療プロセスのデータおよび表示形式の標準化を可能とし、診療プロセスの解析や多施設間比較に有用であることが確認された。
将来的に、パフォーマンス指標とともに開示できれば、アクセスした医療者は、最も成績のよいチームの診療プロセスを参照すること、すなわち、診療上のベンチワーキングが可能となる。
将来的に、パフォーマンス指標とともに開示できれば、アクセスした医療者は、最も成績のよいチームの診療プロセスを参照すること、すなわち、診療上のベンチワーキングが可能となる。
公開日・更新日
公開日
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更新日
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