薬害資料データ・アーカイブズ基盤構築のための基礎的研究および実践的研究

文献情報

文献番号
201925026A
報告書区分
総括
研究課題名
薬害資料データ・アーカイブズ基盤構築のための基礎的研究および実践的研究
課題番号
19KC2007
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
藤吉 圭二(追手門学院大学 社会学部)
研究分担者(所属機関)
  • 佐藤哲彦(関西学院大学 社会学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
6,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究は、戦後の薬害事件に関連する資料を整理・公開して誰もが閲覧・活用できるような「薬害資料データ・アーカイブズ」を構築し、それを通じて薬害を二度と起こすことのないような社会の構築に寄与することを目的とする。このような遠大な目的は、小さな本研究班による数年の活動で達成できるものではないが、少しずつでも確実にそこに近づいていくべく研究活動を進めていかなければならない。
研究方法
 研究方法としては、アーカイブズ学の領域で彫琢されてきた資料管理方法およびメタデータ管理方法と手順に基づいて、対象となる資料を調査のうえ目録データを入力し、それを踏まえて必要に応じて保存状態の悪い文書を対象にデジタル化すること、さらには公開資料の選別、検索機能の設計、共有方法を検討することである。現時点では緊急にデジタル化を要するほど状態の悪い資料は見つかっていないため、まずはファイル(簿冊)レベルの目録入力が完了した資料群についてアイテム(件名)レベルの目録入力を継続的に進め、資料検索の基盤をつくることが重要である。
 このような最終目標を念頭に置き今年度は、薬害被害者団体の所蔵する資料、また所蔵していた資料を対象に調査・整理を進め、薬害関連資料を体系的に管理し、広く利用に供するための基盤となる「薬害資料データ・アーカイブズ」の基幹部分である、資料群の目録完成に向けた作業を、昨年度に引き続いて実施した。
結果と考察
 以上のような地味な作業を堅実に進める一方、今年度は初めての試みとして被害をテーマとした国内の資料館の見学と研究集会を通じて薬害被害者当事者のみなさんと、残すべき資料について、あるいは被害の経験を伝えるための展示のあり方について、オープンな場で意見交換する機会を設けた。具体的には以下のように実施した。

(1)資料館見学会
第1回 2019年11月24日(日) 西淀川・公害と環境資料館(エコミューズ、あおぞら財団)
〒555-0013 大阪市西淀川区千舟1 丁目1-1 あおぞらビル
第2回 2019年12月8日(日)国立ハンセン病資料館
〒189-0002 東京都東村山市青葉町4 丁目1-13
(2)研究集会
日本アーカイブズ学会2019年度第2回研究集会(日本アーカイブズ学会と本研究会の共催)
「薬害の記憶を伝えるために―薬害資料館をイメージする―」
2020年1月25日(土) 13時半~17時15分(13時開場)
大阪人権博物館(リバティおおさか)研修室①
 
 これらの活動を通じて「資料を残すこと」「経験を伝えること」「未来に生かすこと」それぞれの重要性および相互に存在する微妙な差異について、関係者も含めて理解を深め、将来的な資料の保存と活用に関し従来にまして具体的な議論をすることができた。
結論
 研究班を中心とする資料調査・整理が堅実に進捗する一方、当事者のみなさんとの資料館見学、意見交換を通じて、資料の公開や活用について理解を深めることができた。

公開日・更新日

公開日
2021-01-06
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201925026C

収支報告書

文献番号
201925026Z