医療用麻薬の乱用リスク要因の分析と適正使用促進のための研究

文献情報

文献番号
201925010A
報告書区分
総括
研究課題名
医療用麻薬の乱用リスク要因の分析と適正使用促進のための研究
課題番号
19KC1003
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
山口 重樹(獨協医科大学 医学部 麻酔科学教室)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
5,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201925010C

成果

専門的・学術的観点からの成果
他の薬物(特に非合法薬物)とは異なる特徴を有する医療用麻薬の乱用・依存を理解することは重要である。しかしながら、本邦において医療用麻薬の管理は厳しい規制下にあり、その乱用・依存問題は他の薬物に比べ非常に少ない。そのため、本邦での医療用麻薬の乱用・依存のリスクを分析することは困難であった。既に医療用麻薬の乱用・依存の深刻な問題に直面した諸外国、特に北米からの情報を入手できたことは、今後規制緩和が少しずつ進む本邦においての予防策を講じる上で、専門的・学術的観点から重要な成果であったと考えている。
臨床的観点からの成果
医療用麻薬であるにもかかわらず(非合法麻薬ではない)、乱用・依存に陥ってしまう患者がいることを考えると、医療用麻薬の乱用・依存のリスク分析を行うことは非常に重要な課題であった。その問題に直面しているカナダの現状、政府の取り組みを知ることで、今までなかなか理解し難かった医療用麻薬で乱用・依存のリスク因子である社会構造、医療提供体制、問題に陥る患者の特徴などを分析することができた。
ガイドライン等の開発
カナダ保健省によるカナダ国内のオピオイドクライシスの実態、背景、推移などの分析、現状かつ今後の対策は、本邦におけるがん疼痛及び非がん性慢性疼痛における医療用麻薬の適正使用に関するガイドラインに重要な情報となり得る。尚、本研究で入手した情報の一部は、今後公開される「非がん性慢性疼痛に対する医療用麻薬の適正使用ガイダンス」に提供されている。
その他行政的観点からの成果
処方箋オピオイド鎮痛薬の氾濫、不適切使用による深刻な社会問題であるオピオイドクライシスに陥っている国々の現状から抽出された乱用リスク要因を分析できたことで、この問題に未経験な本邦において、今後痛みの緩和が推進され積極的使用する上で必要不可欠な医療用麻薬の適正使用の施策に有意義な情報を入手することができた。
その他のインパクト
本研究で得た医療用麻薬の乱用リスク要因の一部が、厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課及び公益財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターによる「疼痛緩和のための医療用麻薬適正使用推進講習会」で報告されている。

発表件数

原著論文(和文)
18件
原著論文(英文等)
6件
その他論文(和文)
2件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
12件
学会発表(国際学会等)
6件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2022-06-09
更新日
-

収支報告書

文献番号
201925010Z