多価の細菌性食中毒に対する迅速かつ高感度な検出技術基盤の開発

文献情報

文献番号
201924035A
報告書区分
総括
研究課題名
多価の細菌性食中毒に対する迅速かつ高感度な検出技術基盤の開発
課題番号
19KA3001
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
細見 晃司(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 畑中 律敏(大阪府立大学大学院生命環境科学研究科 獣医学専攻)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
2,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
カンピロバクター、ウエルシュ菌、サルモネラ、腸管出血性大腸菌は日本国内において食中毒を引き起こす主要原因細菌であり、細菌性食中毒は公衆衛生上の重要課題である。食品の安全確保や感染拡大防止など食品衛生・公衆衛生の観点から、畜産や食品流通などの現場において簡便で迅速かつ高感度な検出法の開発が求められている。そこで本研究では、食中毒の原因菌もしくは毒素に対する抗体を作製し、細菌性食中毒に対する迅速かつ高感度な検出技術基盤を開発することを目的とする。
研究方法
申請者はこれまでにカンピロバクターに対する抗体ライブラリを作製し、すでにカンピロバクターに高感度に反応する抗体を独自に樹立している。そこで本研究では、これらの抗体を用いたカンピロバクターの検出システムを開発するのと同時に、この技術をウエルシュ菌、サルモネラ、腸管出血性大腸菌、コレラによる感染症の検出技術の開発へ発展させ、迅速かつ高感度な細菌性食中毒の多価検出技術基盤を開発する。
結果と考察
カンピロバクター特異的抗体の選定と検出システムの開発においては、これまでに樹立しているC. jejuniだけに特異的に反応する、もしくはC. jejuniとC. coliの両方に高感度に反応する抗体について、カンピロバクター属以外の常在菌や病原菌との反応性を評価し、特異性および反応性の観点から診断に適した抗体を選定した。また、サルモネラ、ウエルシュ菌エンテロトキシン、志賀毒素、コレラ毒素に特異的に反応するハイブリドーマを樹立した。以上の成果から、本研究は当初の計画通りに進捗していると考えている。
結論
細菌性食中毒の原因菌の迅速検出が可能となることで、食品衛生および公衆衛生の向上が期待でき、これは厚生労働行政に大きく貢献できるものであり、国民の健康増進や国際社会への寄与にもつながる。本研究は研究目的の達成に向けて、当初の計画通りに進捗しており、実用化に向けた技術基盤の開発が順調に進んでいると考えている。

公開日・更新日

公開日
2020-06-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2020-10-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201924035Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,990,000円
(2)補助金確定額
2,990,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 906,932円
人件費・謝金 0円
旅費 262,487円
その他 1,136,363円
間接経費 690,000円
合計 2,995,782円

備考

備考
差額の5,782円は自己資金で支出した。

公開日・更新日

公開日
2021-08-27
更新日
-