農林水産業における災害の発生状況の特性に適合した労働災害防止対策の策定のための研究

文献情報

文献番号
201923010A
報告書区分
総括
研究課題名
農林水産業における災害の発生状況の特性に適合した労働災害防止対策の策定のための研究
課題番号
H30-労働-一般-006
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
横山 和仁(順天堂大学 医学部衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 垰田 和史(滋賀医科大学 社会医学講座衛生学部門)
  • 久宗 周二(神奈川大学 工学部経営工学科)
  • 山田 容三(愛媛大学 大学院農学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
1,956,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2018年度からの第 13 次労働災害防止計画は、労働災害を減らし安心して健康に働ける職場の実現を掲げている。林業では、死亡災害を2022 年までに15%以上減少させると目標があるが、農業および水産業については定められていない。林業労働災害は減少傾向にあるが、伐木作業、高齢化、小規模事業林、非熟練労働者がリスクとなっている。水産業は、労働人口減少と高齢化と共に、非適切な生活・労働空間、船員法不順守、船体動揺や海中転落、機械への巻き込まれなどが指摘されている。農業では、特殊車両(トラクター等)、農薬、高作業負荷、高齢化等が問題となっている。今回は、農林水産業について、(1)法令にもとづく各種事業体の労働安全衛生体制(労働安全衛生法、船員法等)、(2)職業保健としての特性(自営を含む)、(3)行政組織間・産官学・地域連携の視点から、労災・健康障害の要因と対策を明らかにすることを目的とする。
研究方法
当該年度は、各種事業体および農協等の団体や官公庁報告の事例の収集例からグッドプラクティス、バッドプラクティスを抽出するとともに、労働安全衛生を推進する事業としていくつかのモデル事業を試みた。すなわち農業法人(横山)、小規模農家(垰田)、漁業(久宗)、および林業(山田)の各領域である。
結果と考察
農業法人では、中小規模事業体を対象とした従来型の労働安全衛生教育について、現場の就労者の「気づき」を促すような、より単純化された仕組み作りが必要と考えられた。また、情報技術の導入などによるヒト作業の低減化や、AIを用いた作業の効率化について、いくつかの知見を得られたため、中長期的な費用対効果を勘案することで、ヒトの作業を減らし、それが結果的に労働災害の減少につながる可能性が示唆された。小規模農家では、農業の安全衛生に関する基礎教育テキストとして、『外国人労働者を雇用される方のためのパンフレット解説 「農作業事故防止  ここがポイント」』を作成した。この内容は、外国人農業労働者の安全衛生研修で使用するテキストの内容と照合させており、テキストの分量は45分以内で通読できるものという要件で作成した。これを農民研修で使用し、評価を通じて、内容・表現等の改善を図ることで、外国人農業労働者の労働安全衛生体制が改善されると考えられる。漁業では、WIB講習会を実施した地区と、一度も行っていない地区とで7年間の労働災害件数を比較したところ、複数回実施した地区の方が減少傾向であった。自主改善活動は低コスト、短時間で効果が上がる方法であり、今後も未実施地区でも実施することにより、労働災害の減少に役立つと考えられた。林業では、林業版WISE(WIFM)と森林安全ゲームの試行および改良を行った。
結論
第一次産業における多業種について、労働安全衛生を推進する事業としていくつかのモデル事業を試みた。業態毎に成功例も得られたが、いくつかの業態で一定の困難が見いだされたため次年度への課題として改善を図る必要性が示唆された。

公開日・更新日

公開日
2020-11-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2020-11-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201923010Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,542,000円
(2)補助金確定額
2,542,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 332,676円
人件費・謝金 270,868円
旅費 488,659円
その他 863,797円
間接経費 586,000円
合計 2,542,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2022-03-14
更新日
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