文献情報
文献番号
201923007A
報告書区分
総括
研究課題名
アジア新興国の労働者の安全衛生の取り組み促進の支援に係るニーズ等の把握のための研究
課題番号
H30-労働-一般-003
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
森 晃爾(産業医科大学 産業生態科学研究所)
研究分担者(所属機関)
- 伊藤直人(産業医科大学 産業医実務研修センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
1,957,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
アジアの新興国に対して、各国の産業構造、人口構造、制度や文化などに伴うニーズに合った労働安全衛生に係る支援を行うために、国ごとに存在する支援ニーズを調査すること。今年度は、フィリピンとカンボジアを対象とした。
研究方法
事前調査として、学術情報の検索エンジンを用いた文献検索と、インターネット上の一般情報検索を行い、日本国内において入手可能な情報を収集した。その後、フィリピンについては、労働雇用省の直轄機関であるOSHC、高等教育機関であるAteneo大学医学公衆衛生学部、フィリピン大学公衆衛生学部、国際機関としてILOフィリピン事務所、日本の行政関係機関として、在フィリピン日本国大使館、JETROおよびJICA、日系企業として、EHS Lens Philippines, Inc.(ELPH) を訪問して、インタビュー調査を行った。また、カンボジアについては、保健省とWHOカンボジアオフィスが共同で作成しているNational Occupational Health Profileのワークショップに参加するとともに、労働職業訓練省のDepartment of Occupational Safty and HealthおよびNational social security Fund 、保健省、主要医療機関を訪問した。
結果と考察
フィリピンを対象とした調査では、国の立法過程には支援ニーズが存在しなかったが、実際の適用においては支援ニーズが存在する可能性があると考えられた。このような適用は、人材を通じて行われるが、安全衛生関連人材は、国の広さや人口と比較して、養成数も不足しているため、大きな支援ニーズが存在すると考えられた。現地に根付いた日系企業によるGood Practiceの創出も支援方法の一つである。同国が抱える労働安全衛生上の問題の中には、かつて日本が経験した課題も存在し、日本での知見が直接的に役立つと考えられる。
カンボジアにおいては、国の労働安全衛生基本計画および労働安全衛生法を、他国の支援を受け、策定中である。しかし、実際に新しい制度を浸透させるためには、労働安全衛生を担う人材の育成が不可欠であり、カンボジアの労働安全衛生上の最大の支援ニーズは、人材育成と考えられる。
カンボジアにおいては、国の労働安全衛生基本計画および労働安全衛生法を、他国の支援を受け、策定中である。しかし、実際に新しい制度を浸透させるためには、労働安全衛生を担う人材の育成が不可欠であり、カンボジアの労働安全衛生上の最大の支援ニーズは、人材育成と考えられる。
結論
フィリピンおよびカンボジアにおける調査を実施した結果、労働者の健康課題および人材養成において、日本からの研修プログラムの提供、過去経験の共有、学術交流等を通した様々な支援ニーズが存在すると考えられる。
公開日・更新日
公開日
2020-11-19
更新日
-