文献情報
文献番号
201922048A
報告書区分
総括
研究課題名
保健師助産師看護師国家試験における現状の評価及び出題形式等の改善に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
19IA2018
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
林 直子(聖路加国際大学 大学院看護学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 岸 恵美子(東邦大学 大学院看護学研究科)
- 片岡 弥恵子(聖路加国際大学 大学院看護学研究科)
- 佐々木 幾美(日本赤十字看護大学 看護学部)
- 鈴木 久美(大阪医科大学 看護学部)
- 横山 由美(上田 由美)(自治医科大学 看護学部)
- 冨安 眞理(静岡県立大学 大学院看護学研究科)
- 森 真喜子(国立看護大学校 看護学部)
- 勝山 貴美子(横浜市立大学 大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
3,484,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、過去3年間の保健師助産師看護師国家試験の状況設定問題、および看護師国家試験必修問題の、出題内容の適切性、習熟度、問題構成、出題形式等の妥当性を評価し、新たな出題方法や形式、出題内容に関する課題を明らかにすることを目的として調査を行なった。
研究方法
本研究は1.問題分析、2.フォーカスグループインタビュー調査(以下FGI調査とする)、3.質問紙調査(Web調査)の3段階で実施した。なお、看護師国家試験における必修問題、状況設定問題の問題抽出においては、市販の問題集での分野区分を参照した。
1.問題分析
国家試験過去3年間(保健師:第103~105回,助産師:第100~102回,看護師:第106~108回)の問題の中から、正解率,識別指数をもとに「良問」あるいは「改善により良問となり得る問題(改善問題)」を、保助看国家試験の状況設定問題については9分野(保健師分野、助産師分野、成人看護学、小児・母性看護学、在宅・老年看護学、精神看護学、統合分野)それぞれにおいて最大8状況24設問を目安に抽出した。看護師国家試験必修問題については、3年間の総出題150問のうち、採点除外の11問を除いた139問について問題分析を行い、良問、改善問題合わせて24問を抽出した。ここで抽出された状況ならびに設問を、各FGI調査における検討問題とした。
2.FGI調査
過去3年間の看護師国家試験必修問題および保助看国家試験の状況設定問題の内容の適切性、習熟度や問題構成、出題形式等の妥当性について、教員を対象としたインタビュー調査を行った。
10分野(保健師・助産師・看護師(必修問題+状況設定問題7分野))それぞれに携わる教員1グループ5名程度×3-4グループに、問題分析で抽出した設問に関するFGIを行った。
本調査は聖路加国際大学研究倫理審査委員会の承認(19-A030)を得て実施した。
3.質問紙調査(Web調査)
過去3年間の看護師国家試験必修問題の内容の適切性、習熟度や問題構成、出題形式等の妥当性について、看護基礎教育課程の最終学年の看護学生と卒後3年以内の臨床看護師各1200名を対象に質問紙調査(Web調査)を行い、出題内容・形式の分析および評価を行った。
本調査は聖路加国際大学研究倫理審査委員会の承認(19-A071)を得て実施した。
1.問題分析
国家試験過去3年間(保健師:第103~105回,助産師:第100~102回,看護師:第106~108回)の問題の中から、正解率,識別指数をもとに「良問」あるいは「改善により良問となり得る問題(改善問題)」を、保助看国家試験の状況設定問題については9分野(保健師分野、助産師分野、成人看護学、小児・母性看護学、在宅・老年看護学、精神看護学、統合分野)それぞれにおいて最大8状況24設問を目安に抽出した。看護師国家試験必修問題については、3年間の総出題150問のうち、採点除外の11問を除いた139問について問題分析を行い、良問、改善問題合わせて24問を抽出した。ここで抽出された状況ならびに設問を、各FGI調査における検討問題とした。
2.FGI調査
過去3年間の看護師国家試験必修問題および保助看国家試験の状況設定問題の内容の適切性、習熟度や問題構成、出題形式等の妥当性について、教員を対象としたインタビュー調査を行った。
10分野(保健師・助産師・看護師(必修問題+状況設定問題7分野))それぞれに携わる教員1グループ5名程度×3-4グループに、問題分析で抽出した設問に関するFGIを行った。
本調査は聖路加国際大学研究倫理審査委員会の承認(19-A030)を得て実施した。
3.質問紙調査(Web調査)
過去3年間の看護師国家試験必修問題の内容の適切性、習熟度や問題構成、出題形式等の妥当性について、看護基礎教育課程の最終学年の看護学生と卒後3年以内の臨床看護師各1200名を対象に質問紙調査(Web調査)を行い、出題内容・形式の分析および評価を行った。
本調査は聖路加国際大学研究倫理審査委員会の承認(19-A071)を得て実施した。
結果と考察
各分担班は、FGIに先立ち、分析対象とする問題を国家試験の正解率、識別指数から良問、改善により良問となりうる問題(改善問題)を抽出し、問題分析を行った。抽出した問題及び状況数は保健師9状況24問、助産師11状況27問、看護師必修問題139問、看護師34状況96問であった。FGIは全28グループ、対象128人に対して行い、1グループあたり、2状況、6問程度についてインタビューを行った。質問紙調査はwebを用いて行い、看護学生550人(回答率53.2%)、看護師242人(同34%)から回答を得た。研究分担者ならびに研究協力者が行った問題分析とFGIの結果は、出題の意図の明確さ、難易度の適切性、必要な知識を問う内容となっているか、状況文の妥当性、正答、誤答肢の評価において概ね一致していた。一方問題抽出の時点で良問と判断された問題についても、FGIでは様々な改善意見が出された。Web調査の結果から、看護学生は看護師に比べ正解率が高く、各問題の難易度、臨床における必要性等に対し肯定的な評価をする者の割合が高かった。
結論
以上の問題分析、FGIおよび看護学生、臨床看護師を対象とした質問紙調査の結果を踏まえ、今後の保助看国家試験改善に向けた提言として、試験全体に対する提言を5点、看護師必修問題に対する提言3点、状況設定問題に対する提言4点を示した。
公開日・更新日
公開日
2021-11-15
更新日
-