AIを活用したゲノム医療推進に係る人材育成に関する萌芽的研究

文献情報

文献番号
201922032A
報告書区分
総括
研究課題名
AIを活用したゲノム医療推進に係る人材育成に関する萌芽的研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H30-医療-指定-008
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
横山 和明(東京大学 医科学研究所附属病院血液腫瘍内科)
研究分担者(所属機関)
  • 井元  清哉(東京大学 医科学研究所・教授)
  • 湯地 晃一郎(東京大学 医科学研究所 特任准教授)
  • 古川  洋一(東京大学 医科学研究所・教授)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
1,847,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年の遺伝子解析技術や人工知能(AI)等の情報通信技術(ICT)の顕著なる躍進は、AIを活用し、遺伝子情報に基づいた医療の実践(以下、AIを活用したゲノム医療)を実現可能な領域まで押し上げている。その先進モデル事例として、研究代表者らにより東京大学医科学研究所で推進されているWatson for Genomics(WfG; IBM社)を用いた遺伝子変異に対応する治療薬の探索が挙げられる。AIを活用したゲノム医療はがん診療をはじめとするさまざまな医療の現場に革新的な変化をもたらすと考えられるが、現状ではその実装には種々の課題がある。特に、この様な先進的医療を担う人材、特に医師の育成に関しては、教育基盤をどのように整備し、どの時期に教育を行うべきかという課題は、十分な議論がなされておらず可及的速やかに取り組むべき喫緊の課題といえる。そこで、本研究課題「AIを活用したゲノム医療推進に係る人材育成に関する萌芽的研究」では、AIを活用したゲノム医療を推進する専門家を育成するためのカリキュラムの開発と、その教育実施方法を確立するための方策を模索するための萌芽的研究を行う事を目的とする。

研究方法
H30度から、当院でのAIを活用した血液がんにおけるゲノム医療の診療研究の過程を、2年かけて本研究の研究協力者である医学博士課程在学中(卒後数年程度)の医師3名が、研究代表者、分担者らの指導のもと、On-the-Job Training (OJT)を実際に体験し、学習経験を蓄積した。今回作成した「AIを活用したがんゲノム医療の専門家育成指導事例集とカリキュラム案」では、昨年度末の本研究の中間報告に引き続き、研究協力者らが学習経験を1年間さらに蓄積した事で明らかとなった問題点や指導の要点も加えて論点整理を集中的に行った。本研究では、OJTを通じて明らかになった、AI等のICTを活用したゲノム医療に係る人材育成の実情、ゲノム解析AIの仕組み、その特徴を活かした活用法、結果の解釈における盲点を事例集としてとりまとめた。また、指導の要点から明らかになった、専門家育成のカリキュラム案も取りまとめた。本研究でレビューした東大医科研病院でのWfGを用いた血液腫瘍における臨床シーケンス研究は、東大医科研での倫理審査委員会の承認を得て実施されている。
結果と考察
総括研究報告書を参照
結論
AIを活用したゲノム医療のOJT学習経験を通じて判明した問題点や指導の要点を、具体例を挙げて提示した。この学習経験を通じ、ゲノム医療の一連のプロセスはあくまでも専門家が主体で行う必要があるが、AIは結果の解釈のプロセスにおいて効率的に情報を提示する強力な支援ツールであると考えられた。ゲノム医療の実装にはAIの推論における基盤技術とAIの特性を理解し、有効に活用する事のできる専門医の育成が必要であり、それには多分野と連携した専門医育成の教育基盤整備が急務であると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2020-10-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201922032B
報告書区分
総合
研究課題名
AIを活用したゲノム医療推進に係る人材育成に関する萌芽的研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H30-医療-指定-008
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
横山 和明(東京大学 医科学研究所附属病院血液腫瘍内科)
研究分担者(所属機関)
  • 井元  清哉(東京大学 医科学研究所・教授)
  • 湯地 晃一郎(東京大学 医科学研究所 特任准教授)
  • 古川  洋一(東京大学 医科学研究所・教授)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年の遺伝子解析技術や人工知能(AI)等の情報通信技術(ICT)の顕著なる躍進は、AIを活用し、遺伝子情報に基づいた医療の実践(以下、AIを活用したゲノム医療)を実現可能な領域まで押し上げている。その先進モデル事例として、研究代表者らにより東京大学医科学研究所で推進されているWatson for Genomics(WfG; IBM社)を用いた遺伝子変異に対応する治療薬の探索が挙げられる。AIを活用したゲノム医療はがん診療をはじめとするさまざまな医療の現場に革新的な変化をもたらすと考えられるが、現状ではその実装には種々の課題がある。特に、この様な先進的医療を担う人材、特に医師の育成に関しては、教育基盤をどのように整備し、どの時期に教育を行うべきかという課題は、十分な議論がなされておらず可及的速やかに取り組むべき喫緊の課題といえる。そこで、本研究課題「AIを活用したゲノム医療推進に係る人材育成に関する萌芽的研究」では、AIを活用したゲノム医療を推進する専門家を育成するためのカリキュラムの開発と、その教育実施方法を確立するための方策を模索するための萌芽的研究を行う事を目的とする。
研究方法
H30度から、当院でのAIを活用した血液がんにおけるゲノム医療の診療研究の過程を、2年かけて本研究の研究協力者である医学博士課程在学中(卒後数年程度)の医師3名が、研究代表者、分担者らの指導のもと、On-the-Job Training (OJT)を実際に体験し、学習経験を蓄積した。今回作成した「AIを活用したがんゲノム医療の専門家育成指導事例集とカリキュラム案」では、昨年度末の本研究の中間報告に引き続き、研究協力者らが学習経験を1年間さらに蓄積した事で明らかとなった問題点や指導の要点も加えて論点整理を集中的に行った。本研究では、OJTを通じて明らかになった、AI等のICTを活用したゲノム医療に係る人材育成の実情、ゲノム解析AIの仕組み、その特徴を活かした活用法、結果の解釈における盲点を事例集としてとりまとめた。また、指導の要点から明らかになった、専門家育成のカリキュラム案も取りまとめた。本研究でレビューした東大医科研病院でのWfGを用いた血液腫瘍における臨床シーケンス研究は、東大医科研での倫理審査委員会の承認を得て実施されている。
結果と考察
AIを活用したゲノム医療を推進する専門家を育成するためのカリキュラムの開発と、その教育実施方法を確立するための方策を模索するための萌芽的研究として、本研究の研究協力者である医学博士課程在学中(卒後数年程度)の医師3名が、研究代表者、分担者らの指導のもと、On-the-Job Training (OJT)を実際に体験し、学習経験を蓄積した。この指導経験による要点の整理を行い、AIを活用したがんゲノム医療の専門家育成指導事例集とカリキュラム案を取りまとめた。本研究でレビューした東大医科研病院でのWfGを用いた血液腫瘍における臨床シーケンス研究は、東大医科研での倫理審査委員会の承認を得て実施されている。
結論
AIを活用したゲノム医療のOJT学習経験を通じて判明した問題点や指導の要点を、具体例を挙げて提示した。この学習経験を通じ、ゲノム医療の一連のプロセスはあくまでも専門家が主体で行う必要があるが、AIは結果の解釈のプロセスにおいて効率的に情報を提示する強力な支援ツールであると考えられた。ゲノム医療の実装にはAIの推論における基盤技術とAIの特性を理解し、有効に活用する事のできる専門医の育成が必要であり、それには多分野と連携した専門医育成の教育基盤整備が急務であると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2020-10-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201922032C

収支報告書

文献番号
201922032Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,400,000円
(2)補助金確定額
2,400,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,030,390円
人件費・謝金 0円
旅費 680,300円
その他 183,346円
間接経費 553,000円
合計 2,447,036円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2020-10-16
更新日
-