地域の実情に応じた医療提供体制の構築を推進するための政策研究

文献情報

文献番号
201922014A
報告書区分
総括
研究課題名
地域の実情に応じた医療提供体制の構築を推進するための政策研究
課題番号
H30-医療-一般-013
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
今村 知明(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 松田 晋哉(産業医科大学 医学部 公衆衛生学)
  • 藤森 研司(東北大学大学院 医学系研究科 公共健康医学講座)
  • 伏見 清秀(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 医療政策情報学)
  • 石川 ベンジャミン光一(国際医療福祉大学 大学院医学研究科)
  • 長谷川 友紀(東邦大学 医学部 社会医学講座)
  • 池田 俊也(国際医療福祉大学 医学部 公衆衛生学)
  • 瀬戸 僚馬(東京医療保健大学 医療保健学部 医療情報学科)
  • 小林 美亜(静岡大学 創造科学技術大学院)
  • 副島 秀久(社会福祉法人恩賜財団 済生会支部熊本県済生会 社会福祉法人恩賜財団 済生会熊本病院 検体検査管理室)
  • 町田 二郎(社会福祉法人恩賜財団 済生会熊本病院)
  • 野田 龍也(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
  • 河原 和夫(東京医科歯科大学大学院 医歯学系専攻 環境社会医歯学講座 政策科学分野)
  • 康永 秀生(東京大学大学院 医学系研究科 公共健康医学専攻 臨床疫学)
  • 加藤 源太(京都大学医学部附属病院 診療報酬センター)
  • 佐方 信夫(一般財団法人医療経済研究 社会保険福祉協会  医療経済研究機構 研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
26,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成27年度より都道府県は地域医療構想を策定し、病床の機能分化・連携、在宅医療・介護の推進等に取り組んでいる。国内における先進的事例等を整理しつつ、病床の機能分化・連携の推進等を推進するそれぞれの施策について、効果の定量化、プロセスの分析・整理等を行い、都道府県や医療機関等における病床機能の分化・連携や病床の効率的利用等の推進に資することを目的とした。さらには、次期(第八次)医療計画の分析、策定にあたっての課題抽出及び今後の医療計画を推進し実行するための対策の検討、病床機能報告の定量的基準も含めた基準の開発及び活用方法の検討を行うものとする。
研究方法
本研究班は6つの分担班に分けて研究を進め、班会議を2回開催し、研究の進捗状況の管理、調整を行いながら進めた。特に令和元年度においては、国の「具体的対応方針の再検証」に関連して、「地域実情分析班」の分担研究班を新たにたてながら研究を進めた。
結果と考察
1.医療計画班・・・5疾病5事業について、国の検討会での議論や進捗を踏まえて担当者とのヒアリングをおこなった。中間見直しの指標としての考え方やデータリソース、集計定義などを精査した。結果については、奈良県立医科大学のホームページで公表を行った。
(http://www.naramed-u.ac.jp/~hpm/res_document.html#dai7ji_shihyo)

2.定量分析班・・・地域医療構想のさらなる推進に向けて、調整会議の議論に資するべく、平成29年度の病床機能報告オープンデータを用いて病棟病床機能別の集計分析、入退院経路分析等を行った。集計結果については、ホームページでの公表を行った。(https://public.tableau.com/s/)

3.機能連携班①・・・急性期から急性期以降への患者を移行させるにあたって、「回復期等以降チェックリスト」と「看護実践用語標準マスタ」の紐づけを行った昨年度の成果を踏まえて、既存帳票を定量的及び定性的に分析した結果、回復期等移行チェックリストの妥当性を確認することができた。内容同等性の確保は可能である。今後は学会でのチュートリアルや雑誌記事等を通じて普及啓発に努めたが、引き続き理解を深めるよう取り組んでいく。
 長崎県の離島において、救急を含めた急性期から慢性期まで対応することのできる地域完結型の医療を提供できる体制を構築するためには、長崎県本土の医療機関との連携が必要不可欠である。医療情報連携ネットワークシステムは、この連携体制の構築に大きく貢献していた。
機能連携班②・・・主に慢性期の看護記録の標準化作業に軸足を移した研究を行った。今後は地域内で完結する代表的疾患に共通するアウトカム志向型汎用看護記録を作成し、実運用した結果の分析を試みる。

4.実地検証班・・・奈良県の国保レセプトデータ(医療・介護)を用いて、療養場所の追跡、要介護度2以上となる時点を「健康寿命の終了」の代理指標とした場合の健康寿命に与える疾病発症の影響、そして死亡から遡った医療介護費を分析した。奈良県のKDB分析手法を全国に展開することによって、全県レベルでの医療介護連携に関する調査を実施することが可能となる。

5.地域実情分析班・・・地域医療構想に沿った具体的対応方針の再検証を地方自治原則の基で進めるために、構想区域で協議を行う際の課題や検討事項をプロセス別・関係者別に整理し、マニュアルを策定した。各都道府県が協議を進める上での検討体制や具体的対応方針に係る検討課題については、各地域の実情に沿って調整会議等を通じて議論し進める必要がある。
結論
本研究の成果は、わが国の地域医療構想(病床機能分化・連携)および医療計画(5疾病5事業)の進捗管理にあたって有用なものとして考えられる。研究成果については、国の「地域医療構想ワーキンググループ」や都道府県を対象とする医療政策研修会などで利活用される予定である。

公開日・更新日

公開日
2021-07-09
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2021-07-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201922014Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
26,000,000円
(2)補助金確定額
26,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,011,290円
人件費・謝金 3,865,547円
旅費 2,592,940円
その他 18,530,223円
間接経費 0円
合計 26,000,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2021-07-09
更新日
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