文献情報
文献番号
201922011A
報告書区分
総括
研究課題名
へき地医療の向上のための医師の働き方およびチーム医療の推進に係る研究
課題番号
H30-医療-一般-010
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
小谷 和彦(自治医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 前田 隆浩(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科)
- 井口 清太郎(新潟大学大学院 医歯学総合研究科)
- 小池 創一(自治医科大学 地域医療学センター)
- 松本 正俊(広島大学大学院 医歯薬保健学研究科0)
- 春山 早苗(自治医科大学 看護学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
2,693,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
へき地保健医療計画は、2018年(平成30年)度から開始された第7次医療計画内のへき地医療事業計画に統合(一本化)された。また、最近、へき地医療における働き方改革やチーム医療の推進も議論されている。こうした情勢に鑑みて、本年度は、次の3つについて主に研究した。
1)医療計画内へのへき地医療事業計画の一本化による影響やへき地医療の関心事項についての都道府県を対象にしたヒアリング調査
2)へき地診療所を対象にした医師の勤務と情報通信技術(Information and Communication Technology:ICT)の利用に関する全国調査
3)へき地診療所を対象にした特定行為を伴う看護に関する全国調査
1)医療計画内へのへき地医療事業計画の一本化による影響やへき地医療の関心事項についての都道府県を対象にしたヒアリング調査
2)へき地診療所を対象にした医師の勤務と情報通信技術(Information and Communication Technology:ICT)の利用に関する全国調査
3)へき地診療所を対象にした特定行為を伴う看護に関する全国調査
研究方法
1)都道府県(一部)を対象とし、ヒアリングの上で回答を収集した。回答の内容を、表現を一般化し、分類して集計した。
2)全国のへき地診療所を対象にして調査票を郵送した。常勤医師の勤務ならびに施設でのICTの利用の実態を問うた。
3)全国のへき地診療所を対象にして調査票を郵送した。特定行為を伴う看護の実態を問うた。
2)全国のへき地診療所を対象にして調査票を郵送した。常勤医師の勤務ならびに施設でのICTの利用の実態を問うた。
3)全国のへき地診療所を対象にして調査票を郵送した。特定行為を伴う看護の実態を問うた。
結果と考察
1)へき地医療事業計画の医療計画内への一本化の影響は殆どないとしていいと思われる回答であった。ICTの活用や人材確保のためのプログラムの策定は進みつつある印象にあったが、働き方改革や特定行為研修終了看護師の登用については検討段階にあった。
2)へき地診療所における常勤医師の1日の勤務時間は9.4時間(中央値)であった。睡眠時間を比較的満足と回答した割合は86%であり、夏季あるいは年末年始の休暇の取得ができたと回答した割合は98%であった。次いで、ICTの利用はへき地診療所の21%で見られた。医師-医師間での利用の割合が最多で、多職種連携(チーム医療)の情報共有での利用も同様な割合で見られた。
3)へき地診療所における常勤医師のうちで、看護師の特定行為研修を知っているとの回答は41.3%から、また聞いたことがあるとの回答は51.3%から得られ、その認知度は比較的高いと思われた。へき地診療所に向く特定行為としては創傷管理、血糖や感染に対する薬剤投与や管理、カテーテル類の管理が回答の上位に挙げられた。へき地診療所における特定行為を伴う看護に対する期待は大きく、また医師と協働してのタスクシェアリングできる特定行為研修終了看護師の養成を望む様子も伺えた。
2)へき地診療所における常勤医師の1日の勤務時間は9.4時間(中央値)であった。睡眠時間を比較的満足と回答した割合は86%であり、夏季あるいは年末年始の休暇の取得ができたと回答した割合は98%であった。次いで、ICTの利用はへき地診療所の21%で見られた。医師-医師間での利用の割合が最多で、多職種連携(チーム医療)の情報共有での利用も同様な割合で見られた。
3)へき地診療所における常勤医師のうちで、看護師の特定行為研修を知っているとの回答は41.3%から、また聞いたことがあるとの回答は51.3%から得られ、その認知度は比較的高いと思われた。へき地診療所に向く特定行為としては創傷管理、血糖や感染に対する薬剤投与や管理、カテーテル類の管理が回答の上位に挙げられた。へき地診療所における特定行為を伴う看護に対する期待は大きく、また医師と協働してのタスクシェアリングできる特定行為研修終了看護師の養成を望む様子も伺えた。
結論
昨年度の調査と合わせて、医療計画内へのへき地医療事業計画の一本化による影響は殆ど見られないと思われた。へき地診療所における医師の勤務実態が明らかになってきたが、働き方改革やチーム医療の推進におけるICT利用の動向や特定行為を伴う看護の導入に関する今回の知見と合わせて検討を進め、わが国のへき地医療の維持・向上ひいては持続可能性、さらに医療計画のへき地医療事業計画の見直しや改定に向けての資料としていきたい。
公開日・更新日
公開日
2021-11-16
更新日
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