文献情報
文献番号
201922010A
報告書区分
総括
研究課題名
持続陽圧(CPAP,ASV)治療管理開始時からの治療状況確認と自己学習を含めた患者・医療機関相互方向の遠隔医療の試み
課題番号
H30-医療-一般-009
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
陳 和夫(京都大学 大学院医学研究科呼吸管理睡眠制御学講座)
研究分担者(所属機関)
- 巽 浩一郎(千葉大学 大学院医学研究院呼吸器内科学)
- 平井 豊博(京都大学 大学院医学研究科呼吸器内科学)
- 森田 智視(京都大学 大学院医学研究科医学統計生物情報学)
- 大平 徹郎(独立行政法人国立病院機構 西新潟中央病院呼吸器センター内科)
- 坪井 知正(独立行政法人国立病院機構 南京都病院呼吸器科)
- 富井 啓介 (神戸市立医療センター中央市民病院 呼吸器内科 )
- 葛西 隆敏(順天堂大学 大学院医学研究科心血管睡眠呼吸医学講座)
- 千葉 伸太郎(東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室 (太田総合病院付属研究所太田睡眠科学センター))
- 黒田 知宏(京都大学 大学院医学研究科医療情報学)
- 中山 健夫(京都大学 大学院医学研究科健康情報学)
- 吉嶺 裕之(社会医療法人春回会 井上病院内科・呼吸器内科)
- 權 寧博 (日本大学 医学部内科学系呼吸器内科学分野)
- 吉川 雅則(奈良県立医科大学 呼吸器内科学)
- 小川 浩正(東北大学 大学院医学系研究科産業医学分野/先進呼吸管理学寄附講座/環境・安全推進センター)
- 百村 伸一(自治医科大学 総合医学第1講座)
- 小賀 徹(川崎医科大学 呼吸器内科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
7,690,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、日本呼吸器、睡眠、循環器、心不全、呼吸ケアリハビリテーション学会推薦、連携確認のもと、①国内多施設でのランダム化比較試験(RCT)を通じて、在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP, ASV)治療の導入において、遠隔医療および自己学習の有用性を示すとともに、②より高度な遠隔医療に対応する持続陽圧(CPAP、ASV)治療機器を開発の基盤を検討することである。
研究方法
1) 肥満を有するOSA患者に対して、遠隔モニタリングシステムを用いてCPAPアドヒアランス・体重・血圧・活動度をモニタリングし、生活指導を加えることが、患者の行動変容につながり肥満が改善するかを検証する。
2) Adaptive Servo Ventilation (ASV)療法中の心不全患者における遠隔モニタリングシステムを利用した対面診療間隔の検討。
3)平成30年度から始まったCPAP遠隔モニタリング加算の現状と発展を目指した全国調査
4) 遠隔モニタリングの効果を最大化するためのICTの活用をめざす検討
2) Adaptive Servo Ventilation (ASV)療法中の心不全患者における遠隔モニタリングシステムを利用した対面診療間隔の検討。
3)平成30年度から始まったCPAP遠隔モニタリング加算の現状と発展を目指した全国調査
4) 遠隔モニタリングの効果を最大化するためのICTの活用をめざす検討
結果と考察
1, 2):1)の実証研究についてはTrial Number: UMIN000033607として、RCT実証研究を行っており、目標症例数146例に対して、11月末で151例登録し完遂の予定で、CPAP遠隔モニタリングに加えた減量指導が有効か否かが明らかになる予定である(英論文投稿予定である)。なお、前厚労科研(H28-医療-一般-016)のCPAP遠隔モニタリングの有効性を確認した論文が米国の学会誌: Ann Am Thorac Soc 2020; 17:329-337にacceptされた。3)の結果の一部を令和2年度診療報酬改定資料として呼吸器学会に提出し、先の論文と共に「中医協総- 2元. 1 2 . 1 1」の資料になった。アンケート調査の結果としてCPAP遠隔モニタリング有用、有効性を医療関係者は認めているが、進展を阻んでいる諸要素が明らかになった。4)ついては在宅呼吸遠隔モニタリング情報環境整備手引き(案),” 日本遠隔医療学会雑誌, 第 巻14, 第 2, pp. 163-165, 2018として報告した。
本研究の最も重要な研究課題である、CPAP遠隔モニタリングに体重の自己管理、減量指導をモニタリング中に行うRCTが有効か否かは目標症例数が達成されたので、今後結果が判明すると考えられる。但し、RCT実証共同研究の結果を研究期間中に報告するには研究期間は3年が必要と考えられた。CPAP遠隔モニタリンは遠隔医療の基本となる諸要素を含んでいるので、その進展を阻害している諸要素を分析し、解析することは理想的な遠隔医療発展に重要と考えられた。
本研究の最も重要な研究課題である、CPAP遠隔モニタリングに体重の自己管理、減量指導をモニタリング中に行うRCTが有効か否かは目標症例数が達成されたので、今後結果が判明すると考えられる。但し、RCT実証共同研究の結果を研究期間中に報告するには研究期間は3年が必要と考えられた。CPAP遠隔モニタリンは遠隔医療の基本となる諸要素を含んでいるので、その進展を阻害している諸要素を分析し、解析することは理想的な遠隔医療発展に重要と考えられた。
結論
持続陽圧治療管理開始時からの治療状況確認と自己学習を含めた患者・医療機関相互方向の遠隔医療を行い有効な減量を図れるか否かの実証研究は目標症例数が達成され、その結果が待たれる。平成28年から継続されている持続陽圧治療の遠隔モニタリングに関する地域医療基盤開発推進研究事業は2度の診療報酬の改定の中医協資料にも取り挙げられ、本邦の新規保険医療の進展に貢献してきた。
公開日・更新日
公開日
2021-11-16
更新日
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