一類感染症等の患者発生時に備えた臨床的対応に関する研究

文献情報

文献番号
201919021A
報告書区分
総括
研究課題名
一類感染症等の患者発生時に備えた臨床的対応に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H29-新興行政-指定-001
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 康幸(国際医療福祉大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 西條 政幸(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 徳田 浩一(東北大学病院 感染管理室)
  • 倭 正也(りんくう総合医療センター 感染症センター)
  • 馳 亮太(成田赤十字病院 感染症科)
  • 忽那 賢志(国立国際医療研究センター)
  • 氏家 無限(国立国際医療研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
研究分担者 徳田浩一 東北大学大学院医学系研究科 感染制御・検査診断学分野(平成31年4月1日~令和元年9月30日)→ 東北大学病院 感染管理室(令和元年10月1日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班の役割は一類感染症等の患者の医療を担当する特定及び第一種感染症指定医療機関を支援し,国の厚生行政に貢献することである.2013-16年の西アフリカにおけるエボラ出血熱(EVD)の流行では欧米においても27名の患者が治療され,知見が蓄積されてきている.患者の発生がなかったわが国においてもこれらの知見を学び,課題を明らかにしておく必要性がある.特に新規抗ウイルス薬,集中治療等については情報収集し,日本国内の診療体制の整備に貢献する必要がある.
研究方法
文献的検討,質問紙調査,国際会議への参加等を通じて,知見を収集した.研修会や各種手順書,診療の手引きを通じて,第一種感染症指定医療機関等の医療従事者に還元することとした.
(倫理面への配慮)特記すべきことなし
結果と考察
本研究班は最終年度を迎え,着実な進展が認められた.まず,りんくう総合医療センターのグループによって集中治療の手順書が作成され,特定感染症指定医療機関の医療従事者を対象にワークショップが開催された.国内の先進的な医療機関間での本格的な技術交流の開始と位置づけることができ,この分野の更なる発展が望まれる.
 また,東北大学病院のグループは,国内の特定感染症指定医療機関,および先進的な第一種感染症指定医療機関を詳細に調査し,看護と検査に関する手順書を作成した.先行研究班によるウイルス性出血熱診療の手引きを補う実践的な内容で,西アフリカにおけるEVD流行後の3年間に日本国内の準備状況が着実に進歩していたことを反映するものと考えられた.
 感染症指定医療機関の評価においては,本研究班の成果物であるチェックリストを用いて,第一種感染症指定医療機関のグループによる相互訪問が継続して実施された.行政による監査とは異なり,当事者同士のピアレビューは率直な意見交換を容易にすると考えられる.各施設の優れた点を共有することで参加施設すべてにレベルアップを促す意義は大きい.しかし,各県に一つの第一種感染症指定医療機関を広域にグループ化することは困難で,何らかの行政からのアプローチ(例えば,補助金交付の条件として相互評価を義務づけるなど)が必要と考えられた.今後は研究班員が各医療機関で行われる訓練に参加するなどを通じて,医療機関間のプラクティスの共有,標準化につなげることが現実的と判断した.
 国立国際医療研究センターが窓口となり,東京と大阪で第一種感染症指定医療機関と行政関係者を対象とした研修会を開催した.行政と感染症指定医療機関の間で定期的な話し合いを持つ場として定着している.
 患者の治療や医療従事者の曝露後発症防止において,抗ウイルス薬やワクチンも有効な手段になると考えられる.WHOを中心に開発中の医薬品をアウトブレイク時に使用するMEURI等の枠組みが形成されつつある.欧米より取り組みが遅れている分野と考えられ,専門家間の協力体制の構築が今後重要となるであろう.
 2020年1月にはCOVID-19の患者が国内でも報告されるようになった.呼吸不全に対する集中治療が注目されることとなり,本研究班のこれまでの取り組みが有用であった.診療の手引きを速やかに作成して,国内の医療機関に情報提供できたことは行政施策の貢献という視点からも本研究班のミッションが果たせたものと考える.
結論
3年間のまとめとして,集中治療や看護・検査の手順書を整備することができた.また,特定感染症指定医療機関間で集中治療ワークショップを初めて開催することができた.感染症指定医療機関の医療従事者や行政関係者を対象とした研修会を開催したほか,感染症指定医療機関のグループによる相互評価を実施した.また,国際会議に参加して感染症危機管理に関する情報を収集した.さらに,COVID-19の診療の手引きを速やかに公表するなど,わが国の健康危機管理に寄与したものと考える.

公開日・更新日

公開日
2021-05-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2021-05-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201919021B
報告書区分
総合
研究課題名
一類感染症等の患者発生時に備えた臨床的対応に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H29-新興行政-指定-001
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 康幸(国際医療福祉大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 西條 政幸(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 賀来 満夫(東北大学大学院医学系研究科 総合感染症学分野/感染制御・検査診断学分野)
  • 徳田 浩一(東北大学病院 感染管理室)
  • 倭 正也(りんくう総合医療センター 感染症センター)
  • 豊川 貴生(沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 感染症内科)
  • 馳 亮太(成田赤十字病院 感染症科)
  • 忽那 賢志(国立国際医療研究センター 国際感染症センター)
  • 氏家 無限(国立国際医療研究センター 国際感染症センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班の役割は一類感染症等の患者の医療を担当する特定及び第一種感染症指定医療機関を支援し,国の厚生行政に貢献することである.2013-16年の西アフリカにおけるエボラ出血熱(EVD)の流行では欧米においても27名の患者が治療され,知見が蓄積されてきている.患者の発生がなかったわが国においてもこれらの知見を学び,課題を明らかにしておく必要性がある.特に新規抗ウイルス薬,集中治療等については情報収集し,日本国内の診療体制の整備に貢献する必要がある.
研究方法
文献的検討,質問紙調査,国際会議への参加等を通じて,知見を収集した.研修会や各種手順書,診療の手引きを通じて,第一種感染症指定医療機関等の医療従事者に還元することとした.
(倫理面への配慮)特記すべきことなし
結果と考察
 本研究班は2014-16年の西アフリカにおけるEVDの過去最大の流行を受けてスタートすることになった.日本国内では9例の疑似症患者の報告があったのみであり,患者の治療を実際に経験する機会がなかったことは最大の課題と考えられた.先行研究班によりウイルス性出血熱診療の手引きは公表されていたが,診療の実際に則した具体的な手順を確認していくことが今後重要と考えられた.
 この当初の目標は着実に達成されたと考える.集中治療の手順書が作成され,特定感染症指定医療機関の医療従事者を対象にワークショップが開催された.国内の先進的な医療機関間での本格的な技術交流の開始と位置づけることができ,この分野の更なる発展が望まれる.また,看護と検査に関する手順書は先行研究班によるウイルス性出血熱診療の手引きを補う実践的な内容で,西アフリカにおけるEVD流行後の3年間に日本国内の準備状況が着実に進歩していたことを反映するものと考えられた.
 感染症指定医療機関の評価では,本研究班の成果物であるチェックリストを用いて,第一種感染症指定医療機関のグループによる相互訪問が継続して実施された.行政による監査とは異なり,当事者同士のピアレビューは率直な意見交換を容易にすると考えられる.しかし,各県に一つの第一種感染症指定医療機関を広域にグループ化することは困難で,何らかの行政からのアプローチ(例えば,補助金交付の条件として相互評価を義務づけるなど)が必要と考えられた.
国立国際医療研究センターが窓口となり,東京と大阪で第一種感染症指定医療機関と行政関係者を対象とした研修会を定期的に開催した.行政と感染症指定医療機関の間で話し合いを持つ場として定着している.
 患者の治療や医療従事者の曝露後発症防止において,抗ウイルス薬やワクチンも有効な手段になると考えられる.WHOを中心に開発中の医薬品をアウトブレイク時に使用するMEURI等の枠組みが形成されつつある.欧米より取り組みが遅れている分野と考えられ,専門家間の協力体制の構築が今後重要となるであろう.
 2020年1月にはCOVID-19の患者が国内でも報告されるようになった.呼吸不全に対する集中治療が注目されることとなり,本研究班のこれまでの取り組みが有用であった.診療の手引きを速やかに作成して,国内の医療機関に情報提供できたことは行政施策の貢献という視点からも本研究班のミッションが果たせたものと考える.
結論
3年間のまとめとして,集中治療や看護・検査の手順書を整備することができた.また,特定感染症指定医療機関間で集中治療ワークショップを初めて開催することができた.感染症指定医療機関の医療従事者や行政関係者を対象とした研修会を開催したほか,感染症指定医療機関のグループによる相互評価を実施した.また,国際会議に参加して感染症危機管理に関する情報を収集した.さらに,COVID-19の診療の手引きを速やかに公表するなど,わが国の健康危機管理に寄与したものと考える.

公開日・更新日

公開日
2021-05-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201919021C

成果

専門的・学術的観点からの成果
国際会議・ワークショップに参加し,一類感染症等の研究・医療・行政対応に関する国際的指針の策定に寄与した.
臨床的観点からの成果
平成30年度はペストに対する個人防護具の手引き,重症熱性血小板減少症候群(SFTS)診療の手引き改訂版を作成した.令和元年度には,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引きを作成した.各種手引きは事務連絡等を通じて,感染症指定医療機関等に周知された.
ガイドライン等の開発
平成30年度はペストに対する個人防護具の手引き,重症熱性血小板減少症候群(SFTS)診療の手引き改訂版を作成した.令和元年度には,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引きを作成した.各種手引きは事務連絡等を通じて,感染症指定医療機関等に周知された.
その他行政的観点からの成果
平成29年度は検疫所ホームページの内容を検討し,推奨される予防接種およびマラリア予防薬についてまとめた.
その他のインパクト
令和元年度に作成した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引きはメディアに取り上げられた.

発表件数

原著論文(和文)
1件
原著論文(英文等)
1件
その他論文(和文)
1件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
27件
学会発表(国際学会等)
6件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
3件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
飯塚明寿,山内真澄, 深川敬子,他
高度安全病室X 線撮影におけるFPD 遠隔操作システムの構築
環境感染誌 , 35 , 37-42  (2020)
原著論文2
Saito H, Funaki T, Kamata K, rt al.
Infectious Disease   Emergency Specialist   (IDES) Training     Programin Japan: an   innovative governmental  challenge to respond to global public health
Glob Health Med , 2 , 44-47  (2020)

公開日・更新日

公開日
2021-05-19
更新日
-

収支報告書

文献番号
201919021Z