精神科救急医療における質向上と医療提供体制の最適化に資する研究

文献情報

文献番号
201918029A
報告書区分
総括
研究課題名
精神科救急医療における質向上と医療提供体制の最適化に資する研究
課題番号
19GC1011
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
杉山 直也(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 地域・司法精神医療研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 平田 豊明(千葉県精神科医療センター)
  • 八田 耕太郎(順天堂大学大学院医学研究科)
  • 橋本 聡(国立病院機構熊本医療センター)
  • 大塚 耕太郎(岩手医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
16,924,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
精神科救急の任務は適時・適切な危機介入と手厚い医療提供により問題対処、健康回復促進、長期在院の抑止により地域ケアを推進することである。現在、精神科救急医療については種々の課題がある。地域包括ケアシステムの構築および精神科救急医療の適切な実践にとって、①実態モニタリングや評価等、医療の質を保つ仕組み、②地域差を解消する手段、地域体制としての均質化の継続的取り組み、③多様化するニーズに対し関係機関、特に一般救急医療との迅速かつ効率的な連携方策、④日々進化する医学知識を実践に活用するための普及方法、等が求められる。これらの背景を踏まえ、精神科救急医療の実践状況および同体制整備事業の運用実態とニーズの変化を把握し、課題の抽出・整理等を行って、包括的ガイドラインとして取りまとめるための最新知見を明確化することを目的とした。
研究方法
それぞれの背景について、研究班を設置し、研究を実施した。背景④については薬物療法、自殺ハイリスク者対応のそれぞれに研究班を設けた。それぞれの班において、大規模調査や研究班会議の開催などを行った。
結果と考察
背景①では、大規模調査により新たに1,515例の症例集積が得られ、精神科救急医療症例の重症度評価方法を開発するとともに、現医療提供体制の妥当性を示した。背景②では、地域体制としての精神科救急医療の実態を精査するとともに、均質化のための「精神科救急医療に関する全国担当者向け研究報告及び意見交換会」を開催し、成果を得た。背景③では精神科救急医療と一般救急医療との連携課題について、全国の消防本部から搬送困難例の実態に関する596の有効回答(回答率81.4%)を得て解析を進め、搬送困難要因等に関する課題や調整のための所見を得たほか、病院前トリアージ&スクリーニングツールや地域連携パスの開発を目指した。背景④の薬物治療の研究では、解析に十分な1,019例の登録があり、現在も追跡中である。自殺ハイリスク者対応では、ガイドライン推奨内容の現場浸透の把握をめざし、基礎的情報収集と調査方法、実施体制を整備し、調査項目抽出を行った。
結論
各研究班において研究の進捗がみられ、各背景におけるニーズや課題の抽出に一定の成果を得て、医療提供体制については凡そ妥当が示されるなど、意義深い中間的な結論や課題抽出にまで至った研究班もあった。次年度に向け引き続き研究を遂行し、目的の達成を目指す。

公開日・更新日

公開日
2020-11-16
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2020-11-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201918029Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
22,000,000円
(2)補助金確定額
21,934,000円
差引額 [(1)-(2)]
66,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,508,913円
人件費・謝金 7,882,626円
旅費 1,459,021円
その他 4,009,248円
間接経費 5,076,000円
合計 21,935,808円

備考

備考
自己資金:1,808円

公開日・更新日

公開日
2024-03-26
更新日
-