障害者ピアサポートの専門性を高めるための研修に係る講師を担える人材の養成及び普及のための研究

文献情報

文献番号
201918023A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者ピアサポートの専門性を高めるための研修に係る講師を担える人材の養成及び普及のための研究
課題番号
19GC1005
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
岩崎 香(早稲田大学 人間科学学術院)
研究分担者(所属機関)
  • 藤井 千代(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)
  • 山口 創生(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)
  • 秋山 剛(NTT東日本関東病院)
  • 宮本 有紀(東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻精神看護学分野)
  • 種田 綾乃(神奈川県立保健福祉大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
6,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年、海外におけるピアサポートの効果が公表されているが、日本においても障害当事者を中心に据えた医療保健福祉サービスの仕組みづくりの中で、ピアサポーターの職員としての活用が進められている。そこで、平成28年から3年にわたり「障害者ピアサポートの専門性を高めるための研修に関する研究」(厚生労働科学研究費補助金)において、ピアサポーターと職員を対象とした研修プログラムを構築してきた。多様な障害領域を横断するピアサポート養成基礎研修、及び精神障害領域における専門研修とそのフォローアップ研修を実施してきた。平成30年度には、研修の講師やファシリテーターを担う人材育成のためのプログラムもモデル的に実施した。そうした成果を踏まえ、本研究ではこれまで構築してきた研修プログラムを継続実施し、モニタリングを行うとともに、フォローアップ研修のテキストを作成する。また、並行して、研修講師を担える人材養成を効果的に行うための講師・ファシリテーター研修プログラムを地域ブロック毎に実施し、研修プログラムを構築することを目的としている。

研究方法
令和元年度においては、過去3年間の厚労科研で作成したテキストを使用し、多様な障害者と専門職が参加する基礎研修、精神障害者と専門職が参加する専門研修を実施した。フォローアップ研修についても実施したが、これまでテキストがなかったフォローアップ研修のテキストを作成した。。また、内外の文献、実践を収集し、ピアサポートの専門性を高めるための研修を担う人材育成のためのプログラム(講師・ファシリテーター養成研修)を構築し、令和元年度内に2カ所(3ブロック)東京、福岡でモデル研修を実施し、評価を予定していた(尚、福岡での研修はコロナウィルスの影響にて中止となった)。
また、研修と並行して、都道府県、政令市、中核市を対象として、ピアサポート研修がどの程度実施されてきたのか把握することを目的として質問紙調査を実施した。
結果と考察

調査の結果、2019年度のピアサポート養成研修においても、基礎研修・専門研修とも、受講者全体として知識面の研修内容の理解が促されていることが確認された。
講師・ファシリターター養成研修に関しては、2月に東京にて(福岡はコロナウィルスの影響により中止となった)、オリエンテーション・研修の目的、研修参加者自身の行っているピアサポートについて、さまざまなピアサポートについて、ファシリテーション概論、ピアサポートに関する研修でのファシリテートのポイント、グループワーク運営と演習、研修会開催の準備と運営、研修まとめが含まれる2日間の研修プログラムを実施した。ファシリテーター研修終了後に、参加者にアンケート票へ回答を依頼した。調査の結果、すべての参加者がファシリテーター研修に対して高い満足度や役立ち度を感じていた。また、参加者は研修を通して、「(ピアサポートの)哲学」、哲学を体現する「場作り」、それを可能にする「技術」や「つながり・学び」などを大切にしたいと考えていた。全体の感想も概ね肯定的なものであったが、研修内容(教材)の標準化に関する課題について指摘もあった。
また、令和2年度からの新規事業として、地域生活支援事業の中に「障害者ピアサポート研修事業」が位置付けられたことから、都道府県、政令指定都市、中核市の担当課に対して、メールにてピアサポーター養成研修に関するアンケート調査を実施した。128ヵ所中、73ヵ所から有効な回答があり、そのうち28カ所が研修を実施していた。また、今後の開催に関しては、48ヵ所が今後開催したいと回答しており、ピアサポート研修への高いニーズが確認できた。

結論
今後の研究に関してではあるが、研究計画においては、令和2年度も基礎、専門、フォローアップ研修及び、講師・ファシリテーター養成研修を実施し、継続してピアサポーター養成研修の妥当性に関して検証を行う予定である。しかしながら、コロナウィルス流行の影響により、現時点では、どのように開催できるのかまだ見通しが持てない状況である。

公開日・更新日

公開日
2020-11-16
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-06-21
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201918023Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
6,900,000円
(2)補助金確定額
6,275,805円
差引額 [(1)-(2)]
624,195円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,350,225円
人件費・謝金 606,967円
旅費 2,274,268円
その他 1,009,345円
間接経費 1,035,000円
合計 6,275,805円

備考

備考
2020年3月に福岡において、研修を実施していたが、コロナの影響で、中止となったため。

公開日・更新日

公開日
2024-03-26
更新日
-