New Long Stay防止統合プログラムの有用性の検証と汎用性の確立

文献情報

文献番号
201918017A
報告書区分
総括
研究課題名
New Long Stay防止統合プログラムの有用性の検証と汎用性の確立
課題番号
H30-精神-一般-003
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
伊豫 雅臣(国立大学法人千葉大学 大学院医学研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 木村 大(国立大学法人千葉大学 大学院医学研究院 )
  • 小松 英樹(国立大学法人千葉大学 医学部附属病院)
  • 渡邉 博幸(国立大学法人千葉大学 社会精神保健教育研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
千葉大学病院精神神経科及び同大学社会精神保健教育研究センターにて立案した、長期入院を予防する『New Long Stay 防止統合プログラム』(以下、プログラム)の導入前後各2年間における退院促進・地域移行・地域定着、更に職員の実務量や業務負担の変化を明らかとするとともに、他精神科病院への普及を図るための研修会や診療ツールの提供、本プログラムのマニュアル作成などを行う。
研究方法
『New Long Stay 防止プログラム』の医療法人学而会木村病院に導入前後各2年間(平成 26-27 年度と平成 29-30 年度)の臨床アウトカム、医業経営や労務管理について比較する。令和元年年度は平成26-27年度、平成29-30年度にデータベースを構築し、数値の入力を継続的に行う。
また、他精神科医療機関へのプログラム導入の支援に関する研究として、千葉県や千葉市の精神保健福祉関係の行政職員や,複数の病因の医師や精神保健福祉士,訪問看護師,デイケア担当職員,ピアサポーター等を対象に地域移行・地域定着の方法論共有のための公開講座・研修会、ワークショップ等を実施する。
結果と考察
木村病院への本プログラムの導入は通常診療の中に完全に組み込まれていた。また千葉大学医学部附属病院精神神経科と実行施設である単科精神科病院との間で、難治精神疾患患者の治療連携システムが構築され、難治性精神疾患の長期入院が防止されていることを確認することができた。
評価対象となる臨床指標について、データベースを構築し、数値の入力を継続的に行うとともに、医業経営および労務管理上の指標について、参照する資料の収集、整理を行った。すべてのデータ入力後、統計解析に供する予定である。
他精神科医療機関へのプログラム導入支援に関して、下記の学会、研修会等で教育講演、ワークショップの主催、研修講義を行った。
結論
各課題いずれも順調に進行している。プログラムの導入により長期入院が防止されていることが確認できた。
長期入院を防止するプログラムは救急入院病棟に多職種の専任者を配置することによって運用できるため、精神科療養病棟の病床削減を行い救急入院病棟に人員配置の適正化を行った。しかし、現状の診療報酬体系下では医業収支が不安定とさせることがわかり、長期入院患者の退院促進・地域移行が進まない理由の一つの証左となっていると推測することができた。今後さらに正確なデータ収集を行い、詳細な分析を行うように鋭意進めていく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2020-11-16
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2020-11-25
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201918017Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,000,000円
(2)補助金確定額
9,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,278,989円
人件費・謝金 3,073,903円
旅費 358,450円
その他 288,658円
間接経費 2,000,000円
合計 9,000,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2024-03-26
更新日
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