文献情報
文献番号
201918014A
報告書区分
総括
研究課題名
補装具費支給制度における種目の構造と基準額設定に関する調査研究
課題番号
H30-身体・知的-指定-001
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
山崎 伸也(国立障害者リハビリテーションセンター 企画・情報部情報システム課)
研究分担者(所属機関)
- 白銀 暁(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所福祉機器開発部)
- 我澤 賢之(国立障害者リハビリ テーションセンター 研究所障害福祉部)
- 石渡 利奈(国立障害者リハビリ テーションセンター 研究所福祉機器開発部)
- 中村 隆(国立障害者リハビリ テーションセンター 研究所義肢装具技術研究部)
- 三田 友記(国立障害者リハビリ テーションセンター 研究所義肢装具技術研究部)
- 根岸 和諭(国立障害者リハビリ テーションセンター 学院 義肢装具学科)
- 井上 剛伸(国立障害者リハビリ テーションセンター 研究所 福祉機器開発部)
- 樫本 修(宮城県リハビリテー ション支援センタ ー 宮城県保健福祉部)
- 芳賀 信彦(東京大学 医学部附属病院)
- 丸山 徹(埼玉県総合リハビリテ ーションセンター)
- 石川 浩太郎(国立障害者リハビリ テーションセンター 病院 第二診療部)
- 清水 朋美 (西田 朋美)(国立障害者リハビリ テーションセンター 病院 第二診療部)
- 井村 保(中部学院大学 看護リハビリテーション学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
9,770,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
補装具費支給制度は、身体障害者の自立と社会参加を支援するための重要な柱である。「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく補装具の種目、購入又は修理に要する費用の額の算定等に関する基準」(以下、「補装具基準」という。)に規定する種目、基準額等により、市町村が身体障害者更生相談所等による判定を踏まえて支給決定している。補装具基準は厚生労働科学研究の調査結果等を踏まえ、概ね3年ごとに改定が行われている。
本研究の目的は、①補装具費支給事務の円滑な運用への提言を行い、 ②補装具の種目構造等を整理・明確化するとともに ③基準額算定のための評価手法の開発を行うこと、である。
本研究の目的は、①補装具費支給事務の円滑な運用への提言を行い、 ②補装具の種目構造等を整理・明確化するとともに ③基準額算定のための評価手法の開発を行うこと、である。
研究方法
<課題1>補装具費支給事務の円滑な運用については、高額完成用部品の判定手法の検証、判定スキル向上、障害児の支給決定プロセスの検証、借受けの効果的運用について調査のため、全国の身体障害者更生相談所、市町村の補装具費支給のための窓口に対してアンケート調査を行った。さらに、判定手法の検証や、判定スキル向上に係る面に関しては、判定に立ち会うことの多い専門職である義肢装具士を対象としてアンケート調査を行った。また、平成30年度から始まった借受けについてもアンケート調査を行った。
<課題2>補装具の種目構造等を整理・明確化については、新しい評価手法、現行基準の種目整理を取り上げ新しい技術として取り入れられている3D技術納導入状況の把握のため国内、海外における3Dデジタル技術状況を明らかにするため、インターネット調査を行った。現行基準の種目整理については、海外の文献調査等を進めつつ、リハ専門職および製作事業者等からなるワーキングを開催した。
<課題3>基準額算定のための評価手法の開発については、義肢装具、座位保持装置についての基本工作法に沿った価格調査方法の確立とその他補装具の基準額設定の妥当検証をすすめ、借受けの基準額の妥当性検証のための実態把握を行った。義肢装具、座位保持装置についての基本工作法に関係する調査では、全国の製作事業者に対して調査を行った。補聴器に関しては、更生相談所、市区町村、補聴器工業会の3者に対象にアンケート調査を行った。意思伝達装置の支給状況として処方・機種選択等に関する現状調査及び検討を行った。
<課題2>補装具の種目構造等を整理・明確化については、新しい評価手法、現行基準の種目整理を取り上げ新しい技術として取り入れられている3D技術納導入状況の把握のため国内、海外における3Dデジタル技術状況を明らかにするため、インターネット調査を行った。現行基準の種目整理については、海外の文献調査等を進めつつ、リハ専門職および製作事業者等からなるワーキングを開催した。
<課題3>基準額算定のための評価手法の開発については、義肢装具、座位保持装置についての基本工作法に沿った価格調査方法の確立とその他補装具の基準額設定の妥当検証をすすめ、借受けの基準額の妥当性検証のための実態把握を行った。義肢装具、座位保持装置についての基本工作法に関係する調査では、全国の製作事業者に対して調査を行った。補聴器に関しては、更生相談所、市区町村、補聴器工業会の3者に対象にアンケート調査を行った。意思伝達装置の支給状況として処方・機種選択等に関する現状調査及び検討を行った。
結果と考察
<課題1>補装具費支給事務の円滑な運用については、全国の身体障害者更生相談所からの回答90.9%(70/77)、市町村からの回答44.9%(783/1743)、専門職である義肢装具士からの回答29.6%(705/2381)を得た。更生相談所の判定は、国が定めたもの以上に慎重な対応を行っている種目があった。障害児から障害者への移行時の判定では、更生相談所と市区町村間の情報の共有や関係者への制度理解等の問題が浮かび上がってきた。また、更生相談所の高額高機能部品の判定のポイントが見えてきた。借受けについては、多岐にわたる課題が抽出された。
<課題2>補装具の種目構造等を整理・明確化については、3Dデジタル技術の様な新しい技術は、強度等の課題がみられる一方で,体幹装具やインソール、義手パーツ、義足カバーなど実利用が進んでいる部分も見えてきた。現行基準の種目整理については、海外の文献調査等を進めつつ、リハ専門職および製作事業者等からなるワーキングを開催し、整理案を出すことができた。
<課題3>基準額算定のための評価手法の開発については、基本工作法に関係する調査では、全国の製作事業者に対して調査票を送り71.7%(274/382)の回答があり、人件費、素材単価、販売価格を得た。補聴器に関しては、アンケート調査の結果、新旧補装具の支給状況が判明した。また、意思伝達装置の支給状況では、意見書への記入が不十分なケースが目立ち、判定医と身更相間の情報連携が重要であると示唆された。
<課題2>補装具の種目構造等を整理・明確化については、3Dデジタル技術の様な新しい技術は、強度等の課題がみられる一方で,体幹装具やインソール、義手パーツ、義足カバーなど実利用が進んでいる部分も見えてきた。現行基準の種目整理については、海外の文献調査等を進めつつ、リハ専門職および製作事業者等からなるワーキングを開催し、整理案を出すことができた。
<課題3>基準額算定のための評価手法の開発については、基本工作法に関係する調査では、全国の製作事業者に対して調査票を送り71.7%(274/382)の回答があり、人件費、素材単価、販売価格を得た。補聴器に関しては、アンケート調査の結果、新旧補装具の支給状況が判明した。また、意思伝達装置の支給状況では、意見書への記入が不十分なケースが目立ち、判定医と身更相間の情報連携が重要であると示唆された。
結論
本研究では、①補装具費支給事務の円滑な運用、②補装具の種目構造等を整理・明確化、③基準額算定のための評価手法の開発と、3つの目的に合わせ、行ったアンケート調査およびワーキンググループによる検討によってそれぞれの課題を抽出した。さらなる情報の精査をすすめ、スムーズな制度運用に繋げていく。
公開日・更新日
公開日
2024-03-26
更新日
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