外出が困難な認知症高齢者へのAIを用いた介入手法の開発と、遠隔AI操作によるコミュニティづくりの研究

文献情報

文献番号
201917006A
報告書区分
総括
研究課題名
外出が困難な認知症高齢者へのAIを用いた介入手法の開発と、遠隔AI操作によるコミュニティづくりの研究
課題番号
H30-認知症-一般-003
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
澤見 一枝(奈良県立医科大学医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 水主千鶴子(修文大学看護学部)
  • 森崎直子(姫路大学看護学部 )
  • 服部園美(和歌山県立医科大学保健看護学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 認知症政策研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
1,229,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
認知症高齢者が、遠隔地コミュニケーション機器を用いた外出疑似体験を行うことによって、現実見当識や認知・心理機能・QOLの向上を促進すること。また、ADLが低下し外出できない高齢者が、在宅にいながらロボットとの脳トレーニングやダンスによって機能維持を図ること。さらに、在宅および施設の高齢者たちが、スカイプやロボットの遠隔中継によって仲間づくりができ、交流とコミュニティづくりを促進すること。これらの介入の円滑な展開のために、認知症予防サポーターを養成すること。
研究方法
対象:2018年からの継続登録者、2019年に新規登録した高齢者およびサポーター
介入:1.外出困難な高齢者に対し、思い出の場所などを研究者が訪問して、現地からテレビ電話のようにコミュニケーションをとり、これを繰り返し実施することによる回想効果を検証する。
2.認知症予防サポーターセミナー:高齢者の居宅を訪問して介入するためのサポーターの養成では、1時間12回コース、修了者フォローアップ研修では技能を確認する。
3.外出困難な高齢者宅をロボット、サポーターと訪問し、ロボットに搭載している認知トレーニングと座位で行うダンスによって、認知・心理的機能の維持向上を図る。
4.高齢者が居宅で機能維持を図れるように、居宅のテレビに映せるDVD動画を配布:認知トレーニング課題と座位でのダンスを組み合わせた「脳トレダンスDVD」を配布し、日々の活動の補助ツールとしての活用状況を確認する。
結果と考察
外出疑似体験:遠隔地コミュニケーション機器によるバーチャル外出体験;月2回毎3ヶ月間のバーチャル旅行体験を継続し、認知テスト・心理尺度ともに有意に向上した。
高齢者間のコミュニティのためのサポーター養成研修:1回60分12回の講座を修了し、フォローアップ研修でスキルチェックをした後、研究者・ロボットと共に高齢者の居宅を訪問して介入、対象の高齢者は認知・心理尺度が有意に向上したが、COVID-19予防対策で中断している。
ロボットによる認知トレーニング:外出困難な高齢者宅をロボットと訪問し、ロボットに搭載している認知トレーニングと座位で行うダンスによって、認知機能・心理尺度の有意な向上があったが、COVID-19予防対策で中断している。
居宅のテレビに映せるDVD動画の配布:認知トレーニング課題と座位でのダンスを組み合わせた「脳トレダンスDVD」であるが、自宅での継続率は49.4%と高くなかった。ステイホーム期間中においても延びなかったことから、対象の活動レベルに合わせてプログラムの種類を増やす必要がある
結論
外出疑似体験、ロボットとダンスによる脳トレーニングは認知的・心理的な有効性があった。認知症予防サポーターの養成により、高齢者への支援活動が円滑になった。しかし、COVID-19予防対策で中断しているため、現状において実践可能なDVDの修正と再検証を急ぐ必要がある。

公開日・更新日

公開日
2020-05-12
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2020-05-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201917006Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
1,425,000円
(2)補助金確定額
1,425,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 169,167円
人件費・謝金 323,251円
旅費 128,380円
その他 608,202円
間接経費 196,000円
合計 1,425,000円

備考

備考




公開日・更新日

公開日
2020-05-12
更新日
2020-11-20