エビデンスを踏まえた効果的な介護予防の実施に資する介護予防マニュアルの改訂のための研究

文献情報

文献番号
201916010A
報告書区分
総括
研究課題名
エビデンスを踏まえた効果的な介護予防の実施に資する介護予防マニュアルの改訂のための研究
課題番号
19GA1002
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
荒井 秀典(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 松井 康素(国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター ロコモフレイルセンター)
  • 飯島 勝矢(国立大学法人東京大学 高齢社会総合研究機構)
  • 山田 実(国立大学法人筑波大学 人間系)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学政策研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
9,231,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
加速する高齢化の中で、2006年に始まった介護予防事業も10年以上経過し、その有用性、問題点等が少しずつ明らかとなってきた。その中で、2006年に作成された介護予防マニュアルも、各地のニーズや課題に対応すべく2009年、2012年と改定を重ね、今日の介護予防に役立てられている。しかし、直近の改訂となった2012年からも7年間経過しており、この間、学術面では高齢者の健康増進・介護予防に関する情報が着実にアップデートされ、制度面でも通いの場の設置促進が図られる等、現状の介護予防マニュアルを改訂する必要性が生じてきた。
本研究では、我々がこれまでに実施してきた調査・研究を基盤に、①ニーズ調査と②文献レビューに基づくマニュアル改訂を行う。まず、①ニーズ調査では、地方自治体の介護予防担当者に対して実施し、現在の介護予防事業における問題・課題、マニュアル改訂内容の希望等を調査し、現場の担当者が必要とする情報を組み入れるように調整する。次に②文献レビューでは、身体機能、栄養状態、口腔機能、認知機能、精神機能に関わる先行研究を包括的に調査し、現状のエビデンスを整理する。そして、①の情報を統合しながらマニュアル改訂を行う。
研究方法
全国1,741自治体の介護予防担当者に対して、介護予防マニュアルの実態調査を実施した。自記式郵送調査とし、2019年11月にアンケート用紙を発送した。2020年2月時点での回収数は863件(49.6%)となっており、2020年3月に未回収自治体に対してはリマインダーを送付した。現在回収中である。
アンケート項目は、各自治体の基本属性、既存の介護予防マニュアルの活用状況、介護予防の課題、必要な情報、事業対象者把握方法、基本チェックリストの活用方法などについてである。なお、これらのアンケート用紙作成に当たっては、複数の自治体担当者よりヒアリングを行い、特に重要と考えられた項目について調査することとした。2020年度の上半期にはリマインダー分も含めてアンケートの集計結果が出そろう予定である。なお、このアンケート調査により、現在進めている研究②の内容と統合しマニュアル作成に活かす予定である。

問1.厚生労働省が作成している介護予防マニュアルをご存知ですか?また、活用していますか?
問2.現在、介護予防(ハイリスクアプローチ、介護予防への必要性が高い方へのアプローチ)を実施していますか?その場合、課題となっていることは何でしょうか?                       
問3.改定する介護予防マニュアルに期待するもの、欲しい情報は何でしょうか?
問4.運動器の機能向上を目指す場合、対象者は既に何らかの疾患を有していることが多くあります。今回のマニュアル改訂では、各疾患を有した方に対する運動マニュアルを作成する予定にしていますが、どのような疾患向けのものがあると良いですか?
問5.事業対象者をどのように把握していますか?
問6.現在、基本チェックリストを使用していますか?している場合、どのような活用方法をしていますか?
問7.介護予防マニュアルの作成に当たり、欲しい情報、期待する内容などあれば自由に記載ください。

研究②
 既存の介護予防マニュアルは、運動、口腔、栄養、認知、閉じこもり、うつに対する介護予防という構成になっているが、改訂版ではこれを現代版にアップデードする形での改訂を想定している。運動には運動機能向上全般という従来型のものに加えて、運動器疾患を有する場合編、糖尿病を有する場合編、呼吸循環器疾患を有する場合編、脳卒中の既往を有する場合編という現場のニーズに即したものを準備中である。また、従来のものにはない通いの場に関する内容も組み込む予定としている。

結果と考察
現在、アンケート調査については回収・集計中のため、次年度にまとめて報告する。
文献レビューでは、身体機能、栄養状態、口腔機能、認知機能、精神機能に関わる先行研究を包括的に調査し、現状のエビデンスを整理した構造化抄録を作成した。これらのエビデンスを取り入れながら、マニュアルの改訂を行った。すでに、ドラフトの作成が終了し、外部査読を終了した。今年度は外部査読に対して修正を加え、とりまとめた。次年度、パブリックコメントを経て完成版を作成する。
結論
介護現場におけるニーズ調査とともに文献レビューを行い、介護予防マニュアルの改訂を行った。次年度、パブリックコメントを経て完成版を作成する。

公開日・更新日

公開日
2020-06-08
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-05-20
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201916010Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
12,000,000円
(2)補助金確定額
11,649,000円
差引額 [(1)-(2)]
351,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 517,326円
人件費・謝金 4,083,604円
旅費 994,727円
その他 3,284,791円
間接経費 2,769,000円
合計 11,649,448円

備考

備考
自己資金 448円

公開日・更新日

公開日
2021-06-02
更新日
-