介護保険事業(支援)計画に役立つ地域指標-全国介護レセプト等を用いて-

文献情報

文献番号
201916007A
報告書区分
総括
研究課題名
介護保険事業(支援)計画に役立つ地域指標-全国介護レセプト等を用いて-
課題番号
H30-長寿-一般-007
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
田宮 菜奈子(国立大学法人筑波大学 医学医療系 / ヘルスサービス開発研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 石崎 達郎(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) )
  • 高橋 秀人(国立保健医療科学院)
  • 太刀川 弘和(国立大学法人筑波大学)
  • 松田 智行(茨城県立医療大学保健医療学部理学療法学科)
  • 杉山 雄大(国立研究開発法人国立国際医療研究センター)
  • 森 隆浩(国立大学法人筑波大学 医学医療系)
  • 伊藤 智子(国立大学法人筑波大学 医学医療系)
  • 岩上 将夫(国立大学法人筑波大学 医学医療系)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学政策研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
4,841,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域包括ケアシステムにおいて、都道府県・市町村は、3年ごとの介護保険事業(支援)計画等の策定・実施を通じて、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じた地域包括ケアシステムを構築することが求められている。関係する様々なデータを正しく解釈し、施策に活かすためには、時系列推移、個人・地域要因の差なども考慮した多角的な分析が必要となる。しかし、現状、多くの市町村、都道府県ではノウハウや人員不足のため、エビデンスに基づく計画の立案、PDCAサイクルの構築が十分行われているとは言えない。
そこで、本研究では、各自治体が地域の実態把握・他地域との比較・課題分析、関係者間での認識の共有、介護保険事業(支援)計画等の策定・評価を行う際の助けとなる、国などが一括して分析・提供すべき地域指標の開発を目指し、
1.介護レセプト等を用いた現状で利用可能な地域指標の作成
2.公的統計・モデル自治体の医療介護連結レセプト等を用いた将来的な地域指標の提案
を行なう。上記においては、個人・地域要因の差を考慮したマルチレベル等の多角的分析も行い、解釈、施策立案が容易となるよう留意する。指標の信頼性・妥当性も重視する。
研究方法
本研究は、各自治体がエビデンスに基づく介護保険事業(支援)計画等の策定・評価を行うに資する地域指標の作成を目的とし、平成30年度より三か年の計画で実施する。実施施設は筑波大学、国立保健医療科学院、東京都健康長寿医療センター研究所、東京大学とする。
既存研究で、利用予定の公的統計等、市町村データの多くについては、データ整備および予備的分析が完了していた。
初年度(平成30年度)は、各実施施設において倫理審査の承認を受け、利用予定としていた公的統計(介護給付費(等)実態調査、介護サービス・施設事業所調査、人口動態統計調査、国民生活基礎調査、医療施設調査、中高年縦断調査)、NDB、介護DBの二次利用申請を行い、介護DB以外については受領してデータ整備を進めた。市町村データについては、柏市の医療介護連結レセプトデータ、つくば市アンケート調査を分析できる状態とした。年度後半には、いくつかの指標算出・提案にも着手した。具体的には、家族介護者の状況(主介護者の続柄、要介護高齢者を支える世帯構造、家族介護者の婚姻状況や仕事の有無、長時間介護の有無、ヤングケアラー)、地域別の在宅死の割合・要介護度経年変化・介護費などに着目した。
今年度(令和元年度)は、昨年度に引き続き、データ整備と指標算出・提案を進めている。
結果と考察
今年度(令和元年度)は、地域の医療・介護資源、介護サービス利用、介護費用、高齢者の死因、死亡前の居宅介護サービス利用、要介護認定、家族介護者のストレス、精神指標(睡眠、うつ、認知症等)といった様々な視点から指標の作成・提案を進めた。さらに、国際生活機能分類(ICF)の観点に基づいた地域指標(社会指標) に求められる項目の整理、ADLの指標として使用することの妥当性の検証、主な疾患の罹患率を求め地域指標として活用するためのNDBの整備なども行った。また、山武市の医療介護連結レセプトおよびアンケート調査が分析可能な状態となった。昨年度に申請を行った介護DBも受領し、データ整備を進めている。つくば市の医療介護連結レセプトデータも近々受領予定である。
結論
最終年度となる来年度は、海外事例からの示唆も得て、さらなる指標の算出・提案を進めるとともに、後半で本研究班のまとめを行い、どのような指標が介護保険事業(支援)計画に真に役立つのか、どのように活用していくべきかについての提言を行いたい。

公開日・更新日

公開日
2021-06-02
更新日
2021-08-13

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2021-06-02
更新日
2021-08-13

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201916007Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
6,293,000円
(2)補助金確定額
6,293,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 59,455円
人件費・謝金 4,579,231円
旅費 58,630円
その他 143,684円
間接経費 1,452,000円
合計 6,293,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2021-06-02
更新日
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