食物経口負荷試験の標準的施行方法の確立

文献情報

文献番号
201913004A
報告書区分
総括
研究課題名
食物経口負荷試験の標準的施行方法の確立
課題番号
19FE1001
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
海老澤 元宏(国立病院機構相模原病院 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 伊藤 浩明(あいち小児保健医療総合センター 総合診療科部)
  • 岡藤 郁夫(神戸市立医療センター中央市民病院 小児科)
  • 緒方 美佳(国立病院機構熊本医療センター 小児科)
  • 佐藤 さくら(国立病院機構相模原病院 臨床研究センター)
  • 長尾 みづほ(国立病院機構三重病院 臨床研究部)
  • 福家 辰樹(国立成育医療研究センター アレルギーセンター 総合アレルギー科)
  • 三浦 克志(宮城県立こども病院 総合診療科・アレルギー科)
  • 柳田 紀之(国立病院機構相模原病院 小児科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫・アレルギー疾患政策研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
5,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班では安全性の高い食物経口負荷試験(以下、負荷試験)の標準的な施行方法を確立し、食物アレルギー診療の均てん化を目標に「食物経口負荷試験の手引き」を作成することを目的とする。
研究方法
【研究体制】
1)中心拠点病院(2施設:国立病院機構相模原病院、国立成育医療研究センター) 2)地方拠点病院・連携施設(5施設:宮城県立こども病院、あいち小児保健総合医療センター、国立病院機構三重病院、神戸市立医療センター中央市民病院、国立病院機構熊本医療センター) 3)一般医療機関・患者

【研究方法】
2018年に実施した「食物アレルギー診療における重篤な誘発症状に関する全国調査」及び過去の論文および研究代表・分担施設におけるデータをもとに、1)誘発症状のリスクに基づいた負荷試験の層別化、2)より安全性の高い負荷試験方法の検討について検討する。また負荷試験実施施設を対象に実施方法に関する調査を行い、その調査結果および1)と2)の検討結果を基に3)負荷試験の共通プロトコール作成について検討する。最終的に1)~3)の検討結果を反映し 4)「食物経口負荷試験の手引き」を作成する。
結果と考察
今年度は、以下の研究課題について検討した。1)誘発症状のリスクに基づいた負荷試験の層別化:各施設が許容できるリスクで負荷試験が実施できるように、施設の体制を基にした「実施施設の層別化」と重篤な誘発症状のリスクに基づいた「負荷試験の層別化」を行った。2)より安全性の高い負荷試験方法の検討:2018年に実施した「食物アレルギー診療における重篤な誘発症状に関する全国調査」及び過去の論文および研究代表・分担施設におけるデータについて検討し、摂取間隔は少なくとも30分以上、分割回数は単回~3回を推奨し、総負荷量は医療機関および抗原別に設定することとした。3)負荷試験の共通プロトコール作成:負荷試験方法の現状を把握するために年間200件以上の負荷試験を実施している57施設を対象にアンケート調査を実施し、43施設から回答を得た。その結果、負荷試験の総負荷量、摂取間隔、分割回数、負荷試験食は施設により様々であり、共通プロトコール作成には標準化された負荷試験食を用いたプロトコール作成が望ましいと考えられた。4)「食物経口負荷試験の手引き」作成:食物経口負荷試験の手引きは、【総論編】定義、目的、適応、リスク評価、方法、誘発症状の重症度評価、結果判定と指導、【準備編】社会的環境の整備、安全対策、負荷試験食、インフォームドコンセント、【実践編】一般の医療機関の場合、常に負荷試験を実施している医療機関の場合、負荷試験実施中の注意点、負荷試験後の食事指導で構成することとした。実践編では、医療機関別に“負荷試験の適用基準を判断できるフローチャート”を作成予定とした。
結論
今年度は「食物経口負荷試験の手引き」作成に向けて、わが国の負荷試験の現状を明らかにし、より安全に負荷試験を実施するための道筋が立てられた。来年度は、得られた情報を基に研究代表者・分担者・協力者で協議し、「食物経口負荷試験の手引き」を作成する。“負荷試験の適用基準を判断できるフローチャート”については、その妥当性を研究代表・分担施設の負荷試験データを用いて検証し、最終的には日常診療で利用しやすいアプリとして公開できるように検討する予定である。

公開日・更新日

公開日
2020-10-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201913004Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,000,000円
(2)補助金確定額
7,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,500,265円
人件費・謝金 3,041,400円
旅費 87,620円
その他 770,789円
間接経費 1,600,000円
合計 7,000,074円

備考

備考
自己資金74円を充当

公開日・更新日

公開日
2023-05-08
更新日
-