間質性膀胱炎の患者登録と診療ガイドラインに関する研究

文献情報

文献番号
201911068A
報告書区分
総括
研究課題名
間質性膀胱炎の患者登録と診療ガイドラインに関する研究
課題番号
H30-難治等(難)-一般-013
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
本間 之夫(東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 後藤 百万(名古屋大学医学部附属病院 泌尿器科)
  • 武田 正之(山梨大学大学院医学工学総合研究部泌尿器科学講座)
  • 横山 修(福井大学学術研究院医学系部門泌尿器科学分野)
  • 井川 靖彦(信州大学医学部泌尿器科学講座)
  • 山西 友典(獨協医科大学 医学部 )
  • 巴 ひかる(東京女子医科大学東医療センター 泌尿器科)
  • 柿崎 秀宏(旭川医科大学医学部泌尿器科学講座)
  • 酒井 英樹(長崎大学 医歯薬学総合研究科)
  • 石塚 修(信州大学医学部)
  • 松原 昭郎(広島大学大学院医歯薬保健学研究科腎泌尿器科学)
  • 舛森 直哉(札幌医科大学医学部)
  • 長岡 明(米沢市立病院 泌尿器科)
  • 榎本 裕(三井記念病院 泌尿器科)
  • 新美 文彩(東京大学医学部附属病院)
  • 野宮 明(東京大学 医学部附属病院)
  • 前田 大地(秋田大学大学院医学系研究科器官病態学講座)
  • 秋山 佳之(東京大学医学部附属病院 泌尿器科・男性科)
  • 古田 昭(東京慈恵会医科大学 泌尿器科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
3,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我々の研究班はH28~29年度の厚生労働省科学研究補助費(以下厚労科研)に採択と同時に発足した。まずは本邦における正確な患者把握を行うことを目標とし、全国規模のオンライン患者レジストリシステムを構築し、登録を軌道に乗せた。すでに複数の施設での登録が開始されているが、研究期間が短かったことおよび元来の患者数が少ないことより、目標登録数にはまだ不十分であった。今回の研究期間中に登録患者数をさらに増やし、適切な間質性膀胱炎患者のデータベースを作成する。それを解析して上記の不明点を明らかにし、現行の指定難病の診断基準の適正評価および最新の科学的知見に基づいた診療ガイドラインの確立を目的とする。
また、同時に今まで重要視されてこなかった患者および国民、更には一般臨床医に対する啓発活動をホームページ開設という形で行いたい。そのために、①患者データベースへの登録数の増加をまず行い、これで得られたデータをもとに、②ハンナ病変の確定方法の標準化、③重症度判定の標準化、④診療・治療の実態調査、を行うことを分担課題とした。
研究方法
今回の研究では、診断法および重症度の妥当性の解析を目指し、まず基礎資料として、①患者データベースの登録数の増加を目的とする。それを利用して、②研究班ホームページ開設、③ハンナ型ICの診断方法の標準化、④重症度判定の標準化、⑤治療成績の実態調査、を行う。更に⑥ガイドラインの改訂も合わせて行う
結果と考察
①レジストリ登録症例数の増加
本年度、280名の登録を得ることができた。内、データセットの入力が完了した238例を用いて中間解析を行い、2020年1月に開催された班会議にて情報共有が行われた。ハンナ型間質性膀胱炎症例を中心に解析を行った。ハンナ病変の数および部位については複数部位にハンナ病変を認めるものが約60%であり、単発の症例のほうが少ないということが判明した。また、ハンナ病変の好発部位は後壁から側壁にかけてであることが判明した。これまで三角部にはまず認められないと言われていたハンナ病変であるが、2.3%で三角部に認められた。
②研究班ホームページ開設
令和元年7月付でホームページ(https://icjapan-nationwidesurvey.org/)を開設した。
③ハンナ型ICの診断方法の妥当性および標準化
ハンナ型ICの病理学的診断基準の標準化については現在秋山、前田を中心として病理学的な解析が行われている最中であり、一部論文で報告された。
④重症度判定の妥当性についての検討および標準化
レジストリの中でハンナ型のみの解析を行った。現在の指定難病では重症度分類で重症にあたる症例のみ難病と指定されている。現行の重症度分類の妥当性(最大排尿量100ml以下、疼痛スコア7点以上)について患者の分布など、解析結果について令和2年1月18日に開催される班会議において報告し、現行の重症度判定基準を調整すべきか班員と意見交換をおこなった。
⑤治療成績の実態調査
現在は集計を行っており、次年度の班会議で解析結果を報告する予定である。
⑥間質性膀胱炎の診療ガイドラインの改訂
2019年4月に「間質性膀胱炎・膀胱痛症候群診療ガイドライン」を出版した。
結論
本研究は3年計画の2年目であるが、本年度はガイドライン改訂、ホームページ作成について当初予定していた課題を達成した。患者レジストリについては今後も継続予定である。

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
2021-07-01

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201911068Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
4,940,000円
(2)補助金確定額
4,802,000円
差引額 [(1)-(2)]
138,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 0円
人件費・謝金 530,000円
旅費 269,280円
その他 2,863,368円
間接経費 1,140,000円
合計 4,802,648円

備考

備考
自己資金648円

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
2021-06-24