遺伝性白質疾患・知的障害をきたす疾患の診断・治療・研究システム構築

文献情報

文献番号
201911063A
報告書区分
総括
研究課題名
遺伝性白質疾患・知的障害をきたす疾患の診断・治療・研究システム構築
課題番号
H30-難治等(難)-一般-008
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
小坂 仁(自治医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 井上 健(国立精神・神経医療研究センター・神経研究所)
  • 久保田 雅也(国立成育医療研究センター)
  • 才津 浩智(浜松医科大学・医学部)
  • 高梨 潤一 (東京女子医科大学八千代医療センター・小児科)
  • 村松 一洋(自治医科大学・ 医学部)
  • 山本 俊至(東京女子医科大学・附属遺伝子医療センター )
  • 吉田 誠克(京都府立医科大学大学院・医学研究科・神経内科)
  • 和田 敬仁(京都大学大学院・医学研究科)
  • 黒澤 健司(神奈川県立こども医療センター)
  • 佐々木 征行(国立精神・神経医療研究センター)
  • 松井 大( 大津赤十字病院・脳神経内科)
  • 三重野 牧子(三重野 牧子 自治医科大学・ 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我々の班の対象は、大脳白質疾患および知的障害を呈する疾患であり、2019年度は下記の研究を行った。
新規;治療可能な遺伝性疾患の早期診断・治療に関するガイドライン(H30,R1)
画像上の白質病変から早期診断に至る診断ガイドライン(R1,R2)
継続;小児~成人を通じた、世界水準のオールジャパン体制を構築し、患者レジストリの難病プラットフォームへの統合、年二回の患者会セミナー、セミナーに合わせた自然歴研究、国際白質コンソーシアムGLAとの会議、創薬支援を、医師、研究者、家族会等の代表からなる研究班で継続し(H30,R1, R2)、オンラインでの診断コンサルトにより、診断戦略を速やかに立案回答し、診断を紹介あるいは本研究班で実施する(H30,R1, R2)。
研究方法
新規研究1;困難な診断を支援する“白質疾患診断ガイドライン”の作成
既存診断ガイドラインを英文化し(H30)、“白質疾患疑い画像からの診断ガイドライン”を作成する(R1, R2)。またガイドラインに明記された遺伝子・生化学診断システムを構築する(R1, R2)。
新規研究2;“治療可能な神経疾患診断・診療ガイドライン”の作成
治療法が存在する疾患について、優先的に診断、治療を開始するための“治療可能な神経遺伝性疾患ガイドライン”を作成し(H30,R1)、ガイドライン上の遺伝子・生化学診断システムを整備し運営する(R1, R2)。
新規研究3;トランジション、境界領域を調査し継続的・包括的な提供を行う
生涯に至り、多診療科が関わる医療体制を目指すために、患者会とセミナーで蓄積された問題点に対し、オンライン会議で議論する。Q&A形式で班のウエブサイトに掲載し、重要なものはガイドラインとして取り上げる(H30, R1, R2)。新規白質疾患と境界領域疾患を調査し、アップデートする(H30, R1, R2)。
継続研究;オールジャパン体制を構築し、患者・研究者と協調し、診断・治療研究を推進する;年2回の患者セミナーを継続し、セミナーに合わせて自然歴の調査を継続し、治験を推進する。GLIAコンソーシアム研究者と共同研究を継続し、国際基準の疾患分類再改定を行う。MRI画像と臨床情報からなる従来レジストリを難病プラットフォームへ統合する。AMED,NEDO研究班を支援し、研究者、企業のRS戦略相談に同行し、新規治療の導出に協力する(H30, R1, R2)。
結果と考察
困難な診断を支援する“白質疾患診断ガイドライン”の作成
1) 英文化した(H30)既存の診断ガイドラインを、The 15th Asian Oceanian Congress of Child Neurology (AOCCN) 2019 and41st Malaysian Paediatric Association Annual CongressにてClinical aspects of Childhood White Matter Diseasesとして招待講演にて発表した(マレーシア、小坂;2019.9.19)
2) “大脳白質疾患病変画像からの診断ガイドライン(仮題)”に関して、統括委員会を設置して、システマティックレビューを開始した(全班員2019.6月)。
新規研究2;“治療可能な神経疾患診断・診療ガイドライン”の作成
1)“治療可能な神経遺伝性疾患ガイドライン”に関してシステマティックレビュー、推奨決定を経て、ガイドラインを作成した(全班員H30,R1)。これらは順次webに公開する。   これらのガイドラインに、総論1;“症候からどのように診断するのか、” 総論2;先天性代謝性疾患との関係の章を加え班研究による書籍として刊行した(全班員;診断と治療社2019.12.10資料1 抜粋)。
新規研究3;トランジション、境界領域を調査し継続的・包括的な提供を行う
1)生涯に至り、多診療科が関わる医療体制を目指すために、患者会でアンケート調査を2回実施した(小坂、井上;2019.7.13、2019.11.3)。
その他、市民公開セミナーを2回実施するなど、継続研究を行った
結論
結論;本年度は、 “大脳白質疾患病変画像からの診断ガイドライン(仮題)”を書籍として刊行した。また先天性大脳白質形成不全症の診断サポートのためのコンサルテーションボードを継続し一部診断を班員内で担当した。例年通り、市民公開セミナーを2回(東京、大阪)実施し、自然歴調査を行った
以上を通じ、患者の願いである、”最善の診断、治療を生涯受けたい、治療研究を推進してほしい、国内外の情報を伝達してほしい” という希望に応えた。

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201911063Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
13,000,000円
(2)補助金確定額
13,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 5,195,601円
人件費・謝金 751,873円
旅費 1,960,842円
その他 2,091,760円
間接経費 3,000,000円
合計 13,000,076円

備考

備考
自己資金:76円

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
2021-06-16