文献情報
文献番号
201911044A
報告書区分
総括
研究課題名
先天代謝異常症の生涯にわたる診療支援を目指したガイドラインの作成・改訂および診療体制の整備に向けた調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H29-難治等(難)-一般-051
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
中村 公俊(熊本大学大学院生命科学研究部 小児科学講座)
研究分担者(所属機関)
- 窪田 満(国立成育医療研究センター 総合診療部)
- 濱崎 考史(大阪市立大学 大学院医学研究科発達小児医学分野)
- 呉 繁夫(東北大学 大学院小児科)
- 伊藤 康(東京女子医科大学 医学部)
- 長尾 雅悦(国立病院機構北海道医療センター 小児遺伝代謝センター)
- 村山 圭(千葉県こども病院 代謝科)
- 大竹 明(埼玉医科大大学小児科・ゲノム医療科)
- 小林 弘典(島根大学 医学部小児科学教室)
- 杉江 秀夫(常葉大学 保健医療学部)
- 笹井 英雄(岐阜大学医学部附属病院小児科)
- 伊藤 哲哉(藤田医科大学 医学部小児科)
- 児玉 浩子(帝京平成大学 健康メディカル学部健康栄養学科)
- 高橋 勉(秋田大学 大学院医学系研究科小児科学講座)
- 奥山 虎之(国立成育医療研究センター 臨床検査部)
- 但馬 剛(国立成育医療研究センター 研究所マススクリーニング研究室)
- 羽田 明(千葉大学 大学院医学研究院環境健康科学講座公衆衛生学)
- 青天目 信(大阪大学 大学院医学系研究科小児科学)
- 村上 良子(大阪大学 微生物病研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
16,600,000円
研究者交替、所属機関変更
研究分担者交替
深尾敏幸(平成31年4月1日~令和2年2月11日)→ 笹井英雄(令和2年2月11日以降)
研究報告書(概要版)
研究目的
令和元年度の研究では、(1)対象となる48疾病のガイドラインの改定または新規ガイドラインの作成、(2)移行期医療と成人期の診療体制の整備に向けた調査と診療モデルの作成、(3)患者登録制度の推進、患者会の支援および海外の登録制度との連携、(4)新生児代謝スクリーニングと特殊ミルク制度に関する課題整備と診断・治療体制への提言とガイドライン作成を目標として掲げた。本研究では遺伝性難病である先天代謝異常症患者の生涯にわたる診療を支援するためのガイドラインの作成・改訂と、診療体制の整備をおこなうことを目的としている。そのために、診断および治療の実態を継続的に調査し、客観的診断基準や重症度分類を検証するとともに、診療ガイドラインとして標準化し出版・公開することとした。日本小児科学会、日本先天代謝異常学会、日本マススクリーニング学会などの関連委員会と連携し、診療ガイドラインを作成し、出版するととともに、特殊ミルクによる治療の医療上の必要性、代替品の有無、治療が必要となる対象者や補助対象とすべき年齢などを記載した、「特殊ミルク治療ガイドブック」を出版した。さらに患者会との合同で意見交換会を開催し、ガイドラインの役割、外来診療や成人期の診療について討議をおこないガイドラインに反映させている。先天代謝異常症に関わる専門医師、診断施設、学会などのオールジャパンとしての取り組みで、生涯にわたる診療支援が継続的に可能になる体制作りを目指した。
研究方法
本研究の対象疾患の多くは全国の自治体の多くで新規に推進されている拡大新生児マススクリーニングの対象疾患になっている。本研究では
(1)対象となる48疾患のガイドラインの改訂または新規ガイドラインの作成
(2)移行期医療と成人期の診療体制の整備
(3)患者登録制度の推進と患者会の支援
(4)新生児代謝スクリーニングと特殊ミルク制度に関する課題整備
をおこない、患者会との合同で意見交換会を開催し、ガイドラインの役割、外来診療や成人期の診療について討議をおこないガイドラインに反映させた。
(1)対象となる48疾患のガイドラインの改訂または新規ガイドラインの作成
(2)移行期医療と成人期の診療体制の整備
(3)患者登録制度の推進と患者会の支援
(4)新生児代謝スクリーニングと特殊ミルク制度に関する課題整備
をおこない、患者会との合同で意見交換会を開催し、ガイドラインの役割、外来診療や成人期の診療について討議をおこないガイドラインに反映させた。
結果と考察
令和元年度の研究では対象となる48疾患の①ガイドラインの改訂または新規ガイドラインの作成、②移行期医療と成人期の診療体制の整備、③患者登録制度の推進と患者会の支援、④新生児代謝スクリーニングと特殊ミルク制度に関する課題整備をおこなった。ガイドラインの改訂または新規ガイドラインの作成では、26疾患と2つの病態の診療ガイドラインの新規作成または改定を完了し、日本先天代謝異常学会の承認を得て、「新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2019」(診断と治療社)として、令和元年9月に出版した。さらに、新規の診療ガイドラインとして上記以外の6疾患について新たにガイドラインを作成した。移行期医療と成人期の診療体制の整備について、成人患者や移行期における課題を明らかにした。その一部は「新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2019」にも記載することができた。患者登録制度の推進と患者会の支援については、新たに42疾患における患者登録を達成した。さらに新生児代謝スクリーニングと特殊ミルク制度に関する課題整備については、新生児スクリーニングにおける新規の診断指標を検討したものをガイドラインに追加して出版した。特殊ミルクによる治療の医療上の必要性、代替品の有無、治療が必要となる対象者や補助対象とすべき年齢などを記載した疾患個票に図表や診療上の注意点などを加筆したものを「特殊ミルク治療ガイドブック」として令和2年4月に出版する予定である(4月27日初版発行)。患者会との連携および患者登録制度、新生児マススクリーニング、診療と患者支援、成人期の診療については、これらの疾患を統合して対応する分担研究を並行して行い、先天代謝異常症患者会フォーラムの開催を支援した。これらの結果として、先天代謝異常症患者の生涯にわたる診療が可能となり、疾患登録と患者会支援が進み、新生児スクリーニングや特殊ミルクなどの課題の解決が進むと考えられる。
結論
対象となる26疾病(+2つの病態とミニコラム)のガイドラインは、令和元年9月に「新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2019」として発行した。指定難病の対象となる先天代謝異常症の診断と治療が全国のどこにおいても同様に行われるために必要なガイドラインとして用いられていくと考えられる。移行期医療と成人期の診療体制の整備については、移行期に関わる調査を行いガイドラインに反映させることができた。患者登録制度、患者会支援、特殊ミルクの課題整備などを合わせて行い、先天代謝異常症の診療の均てん化を図ることが可能となった。
公開日・更新日
公開日
2021-05-27
更新日
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