文献情報
文献番号
201911027A
報告書区分
総括
研究課題名
特発性心筋症に関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H29-難治等(難)-一般-034
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
筒井 裕之(国立大学法人九州大学 大学院医学研究院)
研究分担者(所属機関)
- 井手 友美(国立大学法人九州大学 大学院医学研究院)
- 松島 将士(九州大学 大学病院)
- 安斉 俊久(国立大学法人北海道大学 大学院医学研究院)
- 絹川 真太郎(国立大学法人北海道大学 大学院医学研究院)
- 渡辺 昌文(国立大学法人山形大学 医学専攻)
- 下川 宏明(国立大学法人東北大学 大学院医学系研究科)
- 竹石 恭知(公立大学法人 福島県立医科大学 医学部)
- 小室 一成(国立大学法人東京大学 医学部付属病院)
- 小野 稔(国立大学法人東京大学 医学部附属病院)
- 福田 恵一(慶応義塾大学 医学部)
- 吉村 道博(東京慈恵会医科大学 医学部)
- 磯部 光章(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
- 室原 豊明(名古屋大学 大学院医学系研究科)
- 藤野 陽(国立大学法人金沢大学 医薬保健研究域保健学系)
- 木村 剛(国立大学法人京都大学 大学院医学系研究科)
- 坂田 泰史(国立大学法人大阪大学 医学系研究科)
- 北風 政史(国立循環器病研究センター 臨床研究開発部)
- 斎藤 能彦(奈良県立医科大学 医学部)
- 北岡 裕章(国立大学法人高知大学 教育研究部医療学系臨床医学部)
- 矢野 雅文(国立大学法人山口大学 医学系研究科)
- 塩瀬 明(国立大学法人九州大学 大学院医学研究院)
- 神谷 千津子(国立循環器病研究センター 産婦人科部)
- 吉永 正夫(国立病院機構鹿児島医療センター 小児科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
14,214,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究班は1974年に旧厚生省特定疾患調査研究班として特発性心筋症の疫学・病因・診断・治療を明らかにすべく設立され、その後42年間継続してわが国における本領域での研究の進歩・発展に大きく貢献してきた。本研究では、わが国における心筋症の実態を把握し、日本循環器学会や日本心不全学会と連携して診断基準や診療ガイドラインを改訂・確立し、研究成果を広く診療へ普及させ心筋症の医療水準と患者のQOLの向上に貢献することを目的とする。
研究方法
日本循環器学会循環器疾患診療実態調査(JROAD,JROAD-DPC)や厚労省臨床調査個人票を用いたデータベース構築・解析、心筋症および鑑別が必要な類縁疾患を含む患者データベースの構築を行うとともに、予後調査を実施し、予後規定因子の同定などエビデンスの礎を築く。さらにテレビ会議システムと情報通信技術(ICT)を活用して基幹病院とかかりつけ医とを結ぶ遠隔診療による診療供給体制の構築(DtoD)および在宅管理支援システムを用いたセルフケアなど療養生活環境の整備(DtoP)が、心筋症患者のQOLの向上に資することを検証する。また、各分担施設における個別研究を推進した。
結果と考察
2019年度は特発性拡張型心筋症と肥大型心筋症に分かれていた心筋症ガイドラインを統合して改訂・作成された「心筋症診療ガイドライン」の普及活動を行った。また、日本循環器学会循環器疾患診療実態調査(JROAD,JROAD-DPC)における心筋症患者データベース、臨床調査個人票を用いた心筋症患者データベースの解析を実施した。新たなエビデンス創出のために、循環器病医療の適正化に資するための全国大規模データベースの構築し、後向きに1万4千例の心不全患者のデータを収集した。さらに、拡張型心筋症の新たな予後予測マーカーとして心電図高電位の意義を解明するとともに、心不全の高精度予後予測のための、新たなバイオマーカを加えた前向き登録研究の基盤を構築した。また、2018年度に引き続き心筋症患者の診断提供体制の構築および在宅での療養環境整備に向けて、ICTを活用したセルフケアシステムの有効性の検証を行った。また、各分担施設にて心筋症の実態解明のための個別研究を行った。
全国規模のデータベースを構築し、心筋症患者のデータを収集することによって、重症度・予後、診断基準に関する質の高いエビデンスの構築が期待される。また、心筋症の現状を把握し、QOL、予後および重症度の予測因子を解明することは、診療の標準化へと結びつくことが期待される。
全国規模のデータベースを構築し、心筋症患者のデータを収集することによって、重症度・予後、診断基準に関する質の高いエビデンスの構築が期待される。また、心筋症の現状を把握し、QOL、予後および重症度の予測因子を解明することは、診療の標準化へと結びつくことが期待される。
結論
特発性拡張型心筋症と肥大型心筋症を統合したわが国で初めての「心筋症診療ガイドライン」の普及活動を行った。また、全国規模のデータべースの構築を行い、新たな予後予測因子の解析を行った。
公開日・更新日
公開日
2021-05-27
更新日
-