神経変性疾患領域における基盤的調査研究

文献情報

文献番号
201911026A
報告書区分
総括
研究課題名
神経変性疾患領域における基盤的調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-033
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
中島 健二(独立行政法人国立病院機構松江医療センター )
研究分担者(所属機関)
  • 青木 正志(東北大学 医学研究科)
  • 桑原 聡(千葉大学 大学院医学研究院)
  • 祖父江 元(名古屋大学 大学院医学系研究科)
  • 高橋 良輔(京都大学 医学研究科)
  • 辻 省次(東京大学 医学部附属病院)
  • 戸田 達史(東京大学 医学部附属病院)
  • 中川 正法(京都府立医科大学 附属北部医療センター)
  • 長谷川 一子(独立行政法人国立病院機構相模原病院)
  • 池内 健(新潟大学 脳研究所)
  • 饗場 郁子(独立行政法人国立病院機構東名古屋病院)
  • 小野寺 理(新潟大学 脳研究所)
  • 梶 龍兒(徳島大学 大学院医歯薬学研究部)
  • 吉良 潤一(九州大学 大学院医学研究院)
  • 小久保 康昌(三重大学 大学院地域イノベーション学研究科)
  • 斎藤 加代子(東京女子医科大学 附属遺伝子医療センター)
  • 矢部 一郎(北海道大学 大学院医学研究院)
  • 中村 雅之(鹿児島大学 学術研究院医歯学域医学系)
  • 中島 孝(独立行政法人国立病院機構新潟病院)
  • 野中 雄一郎(東京慈恵会医科大学 医学部)
  • 服部 信孝(順天堂大学 大学院医学研究科)
  • 保住 功(岐阜薬科大学 薬物治療学研究室)
  • 小島原 典子(東京女子医科大学 医学部)
  • 西川 典子(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター )
  • 村山 繁雄(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター)
  • 森田 光哉(自治医科大学 附属病院/医学部)
  • 吉田 眞理(愛知医科大学 加齢医科学研究所)
  • 渡辺 保裕(鳥取大学 医学部)
  • 望月 秀樹(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 下畑 享良(岐阜大学 大学院医学系研究科)
  • 埜中 正博(関西医科大学 医学部)
  • 古和 久典(独立行政法人国立病院機構松江医療センター)
  • 坪井 義夫(福岡大学 医学部)
  • 武田 篤(独立行政法人国立病院機構仙台西多賀病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
28,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
神経変性疾患領域の、①筋萎縮性側索硬化症(ALS)、②脊髄性筋萎縮症(SMA)、③原発性側索硬化症(PLS)、④球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、⑤Parkinson病(PD)、⑥進行性核上性麻痺(PSP)、⑦大脳皮質基底核変性症(CBD)、⑧Huntington病(HD)、⑨神経有棘赤血球症(NA)、⑩脊髄空洞症、⑪前頭側頭葉変性症(FTLD)、⑫Charcot-Marie-Tooth病(CMT)、⑬遺伝性ジストニア、⑭神経フェリチン症・神経鉄沈着症(NBIA)、⑮紀伊ALS/Parkinson認知症複合(紀伊ALS/PDC)、⑯特発性基底核石灰化症(IBGC)、⑰脊髄髄膜瘤、⑱本態性振戦(ET:平成30年度に追加)、⑲Perry症候群(令和元年度に追加)の19疾患を対象とし、疫学調査による実態把握、患者レジストリの構築、患者情報・生体試料の収集、診断基準・重症度分類の改訂について検討し、診療ガイドライン(GL)・診療マニュアルの作成・改訂により難病医療の均てん化や療養の改善を図り、診療体制の整備も検討し、我が国における診療向上と厚生行政施策に貢献することを目的として、研究を進める。
研究方法
1)診断基準・重症度分類や、診療GLの作成・改訂について、関連学会・関連研究班と連携して検討する。
2)診断基準や重症度分類について、新たに海外から報告されたものの日本語訳版を作成し、我が国の神経変性疾患・神経難病の臨床現場に適した診断基準・重症度分類を検討する。
4)患者レジストリを構築し、患者・疫学調査、患者・自然歴調査と共に生体試料・ゲノムの収集を進め、治験の実施も想定したレジストリの構築の検討も進める。
5)神経変性疾患の診断や重症度評価における臨床評価法やすでに報告されている生化学的・神経画像的・遺伝子検査などの有用性を検討する。
6)神経変性疾患は臨床診断と病理診断が解離する例が少なくないところから、両者を比較検討し、臨床診断の改定を検討する。
7)遺伝子診断体制、神経難病診療・療養体制や支援体制、リハビリテーションについても検討する。
8)神経変性疾患や研究班活動について、講演や研究班ホームページ(Hp)により紹介・周知を図った。
結果と考察
1) 診断基準や重症度分類について、次の改訂に向けて患者データ収集を継続すると共に、現在使用されているものの妥当性を検討し、新たに報告されたものの有用性を検討した。
2) 海外から報告されたPSP重症度評価法の日本語版を作成し、研究班Hpで公開した。
3) 診療GLに関して、日本神経学会と連携して作成したPD、ジストニア、FTLDの診療GLの周知を行った。ALSの改訂に向けて作成委員会を開催して作成作業を開始した。PSP、HDの診療GLの原稿を作成し、日本神経治療学会による査読を受けて修正を行い、作成作業を進めた。紀伊ALS/PDCでは診療マニュアルを作成し、日本神経学会から学会承認を受けた(2019年11月28日)。SMA診療GLの原稿を作成した。脊髄髄膜瘤では日本小児神経外科学会と連携してSCOPE・CQを作成した。
4) ALS多施設共同コホートJaCALS、JaCALS-2、SMAレジストリ研究、リュープロレリン酢酸塩使用SBMA例の収集、PDの治験推進のための患者登録システムTeam JParis研究、PSP・CBDに関するJALPAC研究、HDレジストリの設立、FTLDのレジストリ組織FTLD-J、CMTレジストリCMTPR、ジストニア・IBGC・紀伊ALS/PDCのレジストリ研究を進めた。
5) 臨床診断と病理診断の対比により診断の妥当性を検証した。遺伝子診断実施体制の整備、薬物療法とサイバニクス治療HALとの複合療法に関する検討、神経病理診断体制の整備、全国の難病コーデイネータに対する検討を行った。啓発活動に取り組んだ。
6) 令和元年度は研究期間3年間の3年目として研究を進め、概ね計画を達成できた。
結論
令和元年度には神経変性疾患領域の19疾患を対象として、下記の政策研究を進めた。
1) 関連学会や関連実用化研究班などと連携し、神経変性疾患全体、並びに、担当各疾患に関して検討した。
2) 国際的な診断基準や重症度評価法日本語版を作成した。
3) 日本神経学会と連携して作成したPD、ジストニアやFTLDの診療ガイドラインの周知を進めた。
4) PSP・HDの診療GL、SMA診療GL、紀伊ALS/PDCの診療マニュアル改訂案を作成した。
5) 神経変性疾患の各疾患に関するレジストリ研究も進めた。
6) HAL医療用下肢タイプの長期使用データ収集、難病診療支援体制についても検討した。

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
2021-11-29

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201911026B
報告書区分
総合
研究課題名
神経変性疾患領域における基盤的調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-033
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
中島 健二(独立行政法人国立病院機構松江医療センター )
研究分担者(所属機関)
  • 青木 正志(東北大学 医学系研究科)
  • 桑原 聡(千葉大学 大学院医学研究院)
  • 祖父江 元(名古屋大学 大学院医学系研究科)
  • 高橋 良輔(京都大学 医学研究科)
  • 辻 省次(東京大学 医学部附属病院)
  • 戸田 達史(東京大学 医学部附属病院)
  • 中川 正法(京都府立医科大学 附属北部医療センター)
  • 長谷川 一子(独立行政法人国立病院機構相模原病院)
  • 池内 健(新潟大学 脳研究所)
  • 饗場 郁子(独立行政法人国立病院機構東名古屋病院)
  • 小野寺 理(新潟大学 脳研究所)
  • 梶 龍兒(徳島大学 大学院医歯薬学研究部)
  • 吉良 潤一(九州大学 大学院医学研究院)
  • 小久保 康昌(三重大学 大学院地域イノベーション学研究科)
  • 斎藤 加代子(東京女子医科大学 附属遺伝子医療センター)
  • 佐々木 秀直(北海道大学 大学院医学研究院)
  • 矢部 一郎(北海道大学 大学院医学研究院)
  • 佐野 輝(鹿児島大学 学術研究院医歯学域医学系)
  • 中村 雅之(鹿児島大学 学術研究院医歯学域医学系)
  • 中島 孝(独立行政法人国立病院機構新潟病院)
  • 野中 雄一郎(東京慈恵会医科大学 医学部)
  • 服部 信孝(順天堂大学 大学院医学研究科)
  • 保住 功(岐阜薬科大学 薬物治療学研究室)
  • 松井 茂之(名古屋大学 大学院医学系研究科)
  • 小島原 典子(東京女子医科大学 医学部)
  • 村田 美穂(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)
  • 西川 典子(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)
  • 村山 繁雄(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター)
  • 森田 光哉(自治医科大学 附属病院/医学部)
  • 吉田 眞理(愛知医科大学 加齢医科学研究所)
  • 渡辺 保裕(鳥取大学 医学部)
  • 望月 秀樹(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 下畑 享良(岐阜大学 大学院医学系研究科)
  • 埜中 正博(関西医科大学 医学部)
  • 古和 久典(独立行政法人国立病院機構松江医療センター)
  • 坪井 義夫(福岡大学 医学部)
  • 武田 篤(独立行政法人国立病院機構仙台西多賀病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
神経変性疾患領域の、①筋萎縮性側索硬化症(ALS)、②脊髄性筋萎縮症(SMA)、③原発性側索硬化症(PLS)、④球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、⑤Parkinson病(PD)、⑥進行性核上性麻痺(PSP)、⑦大脳皮質基底核変性症(CBD)、⑧Huntington病(HD)、⑨神経有棘赤血球症(NA)、⑩脊髄空洞症、⑪前頭側頭葉変性症(FTLD)、⑫Charcot-Marie-Tooth病(CMT)、⑬遺伝性ジストニア、⑭神経フェリチン症・神経鉄沈着症(NBIA)、⑮紀伊ALS/Parkinson認知症複合(紀伊ALS/PDC)、⑯特発性基底核石灰化症(IBGC)、⑰脊髄髄膜瘤、⑱本態性振戦(ET:平成30年度に追加)、⑲Perry症候群(令和元年度に追加)の19疾患を対象とし、疫学調査による実態把握、患者レジストリの構築、患者情報・生体試料の収集、診断基準・重症度分類の改訂について検討し、診療ガイドライン(GL)・診療マニュアルの作成・改訂により難病医療の均てん化や療養の改善を図り、診療体制の整備も検討し、我が国における診療向上と厚生行政施策に貢献することを目的として、研究を進めた。
研究方法
1) 関連学会や関連実用化研究班と連携し、診断基準・重症度分類の検討や、診療GLの作成・改訂を行った。
2) 診断基準や重症度分類について、新たに海外から報告されたものの日本語版を作成し、我が国の神経変性疾患・神経難病の臨床現場に適した診断基準・重症度分類を検討した。
3) 患者レジストリを構築し、患者・疫学調査、患者・自然歴調査と共に生体試料・ゲノムの収集を進め、治験の実施を想定したレジストリの検討も進めた。
4) 診断基準や重症度評価に関する臨床評価や生化学的・神経画像的・遺伝子検査などの有用性を検討した。
5) 神経変性疾患は臨床診断と病理診断が解離する例が少なくないところから、両者を比較検討して臨床診断改定を検討した。
6) 遺伝子診断体制、神経難病診療・療養体制や支援体制、リハビリテーションについても検討した。
7) 神経変性疾患や研究班活動について、講演や研究班ホームページ(Hp)により紹介・周知を図った。
結果と考察
1) 診断基準や重症度分類について、次の改訂に向けて患者データ収集を行うと共に、現在使用されているものの妥当性や、新たに報告されたものの有用性を検討した。
2) 病理診断と臨床診断を比較して臨床診断の精度を高めるように検討を進めた。
3) 海外から報告されたPSP診断基準や重症度評価法の日本語版を作成し、研究班Hpで公開した。
4) 日本神経学会と連携して作成したPD、ジストニア、FTLD(認知症疾患診療GLの一部として作成)の診療GLの周知を行った。ALS診療GLの改訂に向けて改定作業を開始した。PSP、HDの診療GLの原稿を作成し、日本神経治療学会による査読を受けて修正を行った。紀伊ALS/PDCでは診療マニュアルを作成し、日本神経学会から承認を受けた(2019年11月28日)。SMA診療GLの原稿を作成した。脊髄髄膜瘤では日本小児神経外科学会と連携してSCOPE・CQを作成した。
5) ALS多施設共同コホートJaCALS、JaCALS-2、SMAレジストリ研究、リュープロレリン酢酸塩使用SBMA例の収集、PDの治験推進のための患者登録システムTeam JParis研究、PSP・CBDに関するJALPAC研究、HDレジストリの設立、FTLDのレジストリ組織FTLD-J、CMTレジストリであるCMTPR、ジストニア・IBGC・紀伊ALS/PDCのレジストリ研究を進めた。
6) 脊髄髄膜瘤では小児成人期移行医療についても、アンケート調査を中心に検討し、指定難病であることの理解の少なさが示された。
7) 遺伝子診断実施体制の整備、薬物療法とサイバニクス治療HALとの複合療法に関する検討、神経病理診断体制の整備、全国の難病コーデイネータに対する検討を行った。
8) 患者・一般住民に対する啓発活動に取り組んだ。
結論
神経変性疾患領域の19疾患を対象として政策研究を進めた。
1) 神経変性疾患全体、並びに、各疾患に関して検討した。
2) 国際的な診断基準や重症度評価法の日本語版を作成した。
3) 日本神経学会と連携してPD、ジストニアやFTLDの診療ガイドラインの作成を行い、その周知を進めた。
4) PSP・HDの診療GL、SMA診療GL、NAの診療の手引きの作成を進め、紀伊ALS/PDC診療マニュアル改訂案を作成した。
5) 神経変性疾患の各疾患に関するレジストリ研究も進めた。
6) HAL医療用下肢タイプの長期使用データ収集、難病診療支援体制についても検討した。

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
2021-11-15

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201911026C

収支報告書

文献番号
201911026Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
36,000,000円
(2)補助金確定額
36,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 10,019,674円
人件費・謝金 1,248,531円
旅費 5,921,117円
その他 11,621,185円
間接経費 7,200,000円
合計 36,010,507円

備考

備考
自己資金10,458円と預金利息49円の合計10,507円を充当したため

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
2021-06-14