難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究

文献情報

文献番号
201911020A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-027
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
巽 浩一郎(千葉大学 大学院医学研究院 呼吸器内科学)
研究分担者(所属機関)
  • 田邉 信宏(千葉大学 大学院医学研究院)
  • 坂尾 誠一郎(千葉大学 大学院医学研究院)
  • 林田 美江(信州大学 医学部附属病院)
  • 平井 豊博(京都大学 大学院医学研究科)
  • 陳 和夫(京都大学 大学院医学研究科)
  • 瀬山 邦明(順天堂大学 大学院医学研究科)
  • 井上 義一(近畿中央胸部疾患センター 臨床研究センター・)
  • 辻野 一三(北海道大学 大学院医学研究院)
  • 近藤 康博(公立陶生病院)
  • 花岡 正幸(信州大学 学術研究院医学系医学部)
  • 木村 弘(日本医科大学 大学院医学研究科)
  • 田村 雄一(国際医療福祉大学 医学部)
  • 佐藤 徹(杏林大学 医学部)
  • 植田 初江(国立循環器病研究センター 病理部)
  • 大郷 剛(国立循環器病研究センター 肺高血圧症先端医学研究部・心臓血管内科部肺循環科)
  • 伊達 洋至(京都大学 大学院医学研究科)
  • 長瀬 隆英(東京大学 医学部附属病院)
  • 福永 興壱(慶應義塾大学 医学部)
  • 葛西 隆敏(順天堂大学 大学院医学研究科)
  • 寺田 二郎(千葉大学 医学部附属病院)
  • 長谷川 久弥(東京女子医科大学 医学部)
  • 早坂 清(山形大学 医学部)
  • 鈴木 康之(国立成育医療研究センター 手術集中治療部)
  • 佐々木 綾子(山形大学 医学部)
  • 山田 洋輔(東京女子医科大学 医学部)
  • 吉田 雅博(国際医療福祉大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
13,113,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治性呼吸器疾患(指定難病)について、日本肺高血圧・肺循環学会、日本呼吸器学会、日本循環器学会、日本リウマチ学会、日本呼吸器外科学会等との連携を図りながら、医学/医療の進歩に合わせた「診療ガイドラインの作成」を目標に、診療ガイドライン作成に寄与しうるエビデンス構築を目指す。患者会のアンメットニーズの経年的変化に鑑み継続的連携を図る。
本研究の調査対象疾患は1) 肺動脈性肺高血圧症(PAH)2) 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)3) 肺静脈閉塞症, 肺毛細血管腫症(PVOD/PCH)4) リンパ脈管筋腫症(LAM)5) オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)(HHT)6) 肺胞低換気症候群(AHS)7) alpha-1アンチトリプシン欠乏症(AATD)である。
特発性造血障害に関する調査研究班(代表:三谷絹子 獨協医科大学),「持続陽圧(CPAP, ASV)治療管理開始時からの治療状況確認と自己学習を含めた患者・医療機関相互方向の遠隔医療の試み」(代表:陳和夫 京都大学), AMED「多施設レジストリを活用し、慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対するエドキサバン(DU-176b)の適応拡大を目指すコンセプト策定研究(代表:阿部弘太郎 九州大学)」「慢性血栓塞栓性肺高血圧症の抗凝固療法に関するレジストリ構築研究CTEPH anticoagulation registry(代表:阿部弘太郎 九州大学)」「産学官連携を加速する肺高血圧症患者レジストリJapan PH Registryの活用研究(代表:田村雄一 国際医療福祉大学)」「慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に対するballoon pulmonary angioplasty(BPA)の有効性と安全性に関する多施設レジストリー研究(代表:小川久雄 国立循環器病研究センター)」と連携して「医療政策に活用しうる知見の収集・活用」を通し、「難治性呼吸器疾患患者アウトカムの改善」を目指す。
研究方法
難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する診療ガイドラインの作成・エビデンス構築を行い、厚生労働省難病行政に生かすことが主な研究目的である。その目的達成のために下記の研究計画に沿い当該年度の活動を行う。
1) 肺動脈性肺高血圧症 2) 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 3) 肺静脈閉塞症, 肺毛細血管腫症 ではJAPHR(PAHなどの肺高血圧症)、JRPHS(呼吸器疾患に伴う肺高血圧症)レジストリを用い症例収集を継続している。さらにレジストリーの精度を上げ、エビデンスの質を高めた症例集積・解析を行う。
4) リンパ脈管筋腫症 5) オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)6) 肺胞低換気症候群 7) alpha-1アンチトリプシン欠乏症 では
希少肺疾患登録制度を利用したレジストリシステムの構築が完了、症例登録を開始する。指定難病データベースの活用とともに診療ガイドラインに寄与しうるエビデンス集積を続ける。
結果と考察
1) 肺動脈性肺高血圧症 2) 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 3) 肺静脈閉塞症, 肺毛細血管腫症 では「肺静脈閉塞症・肺毛細血管腫症」,「慢性血栓塞栓性肺高血圧症」「肺疾患に伴う肺高血圧症」診療ガイドライン発行に続き、本年度には「結合組織病に伴う肺動脈性肺高血圧症診療ガイドライン」(Minds認証済)、「特発性/遺伝性肺動脈性肺高血圧症診療ガイドライン」(Minds認証申請準備中)を上梓した。
4) リンパ脈管筋腫症 5) オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)6) 肺胞低換気症候群 7) alpha-1アンチトリプシン欠乏症では
レジストリに関して、難病プラットホームからの支援を受け、希少肺疾患登録制度を利用し構築した。指定難病データベース・臨床調査個人票を用いた疫学研究を申請し、登録施設の倫理委員会承認後登録可能となり、各疾患の症例集積を進めている。
6) 肺胞低換気症候群に関しては、医療の進歩に伴い、小児期発症の慢性疾患患者が成人年齢にまで成長できるようになった。成人移行した患者の診療について、厚生労働省は2015年に「小児慢性特定疾患移行期医療支援モデル事業」を開始し、2018年各県に移行期医療支援に関する通達を発出した。本研究では小児慢性特定疾患CCHS(先天性中枢性低換気症候群)と成人肺胞低換気症候群(AHS)との概念の整理、統一を図り、政策に反映できるエビデンス構築に努めた。
結論
難治性呼吸器疾患および肺高血圧症に関する横断的・縦断的研究により、Minds認証の診療ガイドラインを発行、また「診療ガイドラインの作成/更新」に寄与しうるエビデンスを論文として多数公表した。その成果「医療政策に活用しうる知見の収集・活用」を通し、「難治性呼吸器疾患患者アウトカムの改善・QOL向上」に寄与した。

公開日・更新日

公開日
2021-06-03
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201911020B
報告書区分
総合
研究課題名
難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-027
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
巽 浩一郎(千葉大学 大学院医学研究院 呼吸器内科学)
研究分担者(所属機関)
  • 田邉 信宏(千葉大学 大学院医学研究院)
  • 坂尾 誠一郎(千葉大学 大学院医学研究院)
  • 林田 美江(信州大学 医学部附属病院)
  • 平井 豊博(京都大学 大学院医学研究科)
  • 陳 和夫(京都大学 大学院医学研究科)
  • 瀬山 邦明(順天堂大学 大学院医学研究科)
  • 井上 義一(近畿中央胸部疾患センター 臨床研究センター)
  • 辻野 一三(北海道大学 大学院医学研究院)
  • 近藤 康博(公立陶生病院)
  • 花岡 正幸(信州大学 学術研究院医学系医学部)
  • 木村 弘(日本医科大学 大学院医学研究科)
  • 田村 雄一(国際医療福祉大学 医学部)
  • 佐藤 徹(杏林大学 医学部)
  • 植田 初江(国立循環器病研究センター 病理部)
  • 大郷 剛(国立循環器病研究センター肺高血圧症先端医学研究部・心臓血管内科部肺循環科)
  • 伊達 洋至(京都大学 大学院医学研究科)
  • 長瀬 隆英(東京大学 医学部附属病院)
  • 福永 興壱(慶應義塾大学 医学部)
  • 葛西 隆敏(順天堂大学 大学院医学研究科)
  • 寺田 二郎(千葉大学 医学部附属病院)
  • 長谷川 久弥(東京女子医科大学 医学部)
  • 早坂 清(山形大学 医学部)
  • 鈴木 康之(国立成育医療研究センター 手術集中治療部)
  • 佐々木 綾子(山形大学 医学部)
  • 山田 洋輔(東京女子医科大学 医学部)
  • 吉田 雅博(国際医療福祉大学 医学部)
  • 塩谷 隆信(秋田大学 大学院医学系研究科)
  • 西村 正治(北海道大学 大学院医学研究院)
  • 吉川 雅則(奈良県立医科大学 医学部)
  • 多田 裕司(千葉大学 大学院医学研究院)
  • 津島 健司(千葉大学 大学院医学研究院)
  • 別役 智子(慶應義塾大学 医学部)
  • 谷口 博之(公立陶生病院 呼吸器・アレルギー内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究」プロジェクトは、診療ガイドラインの作成・エビデンス構築を行い、厚生労働省難病行政に生かすことが主な研究目的である。下c)について、関連学会との連携、指定難病に関係する厚生労働省の研究班・AMED研究班との連携を図りながら、臨床研究、基礎研究の遂行を行い、診療ガイドラインに反映しうるエビデンス創出体制を組む。作成した診療ガイドラインは医学/医療の進歩に合わせ進展に合わせて継続的に改訂をしてゆく。経年的に変化する患者会のアンメットニーズの探索、市民啓蒙活動も含め、公共的利益のために研究を進める。調査対象疾患は1) 肺動脈性肺高血圧症(PAH)2) 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)3) 肺静脈閉塞症, 肺毛細血管腫症(PVOD/PCH)4) リンパ脈管筋腫症(LAM)5) オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)(HHT)6) 肺胞低換気症候群(AHS)7) alpha-1アンチトリプシン欠乏症(AATD)である。
研究方法
当班では学会・関係する厚生労働省の研究班・AMED研究班と連携し「肺高血圧症」レジストリを構築してきた。そのシステムを用い、症例収集を継続している。さらにレジストリの精度を上げ、エビデンスの質を高めた症例集積・解析を行う。さらに、希少肺疾患登録制度を利用したレジストリシステムを構築し、症例登録を行う。指定難病データベースの活用とともに診療ガイドラインに寄与しうるエビデンス集積を続ける。
結果と考察
難治性呼吸器疾患(指定難病)診療ガイドラインを発行、公表した。
1. 特発性/遺伝性肺動脈性肺高血圧症(IPAH/HPAH)診療ガイドライン. 2019(日本肺高血圧・肺循環学会)
2. 結合組織病に伴う肺動脈性高血圧症 診療ガイドライン. 2019(日本肺高血圧・肺循環学会)
3. 肺疾患に伴う肺高血圧症 診療ガイドライン. 2018(日本肺高血圧・肺循環学会)
4. 慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症 診療ガイドライン.2018(日本肺高血圧・肺循環学会)
5. 肺静脈閉塞症(PVOD)/肺毛細血管種症(PCH)診療ガイドライン. 2017(日本肺高血圧・肺循環学会)
6. 肺高血圧症治療ガイドライン(2017年改訂版). 2017(日本循環器学会)
7. α1-アンチトリプシン欠乏症 診療の手引き 2016. 日本呼吸器学会雑誌 2016;5:159-165.
8. リンパ脈管筋腫症(LAM)診療ガイドラインAm J Respir Crit Care Med 2016;194:748-761/リンパ脈管筋腫症LAM診療ガイドライン part 2 Am J Respir Crit Care Med 2017;196:1337-1348.(JRS(日本呼吸器学会)・ATS(米国呼吸器学会)合同)
9. HHT Q&A 50オスラー病かもしれないあなたへ 2018年版 ver.1.4(NPO日本オスラー病患者会およびHHT JAPAN)
結論
難治性呼吸器疾患・肺高血圧症分野の研究進歩は著しく、新規治療戦略の開発が望まれている。これら研究成果を基盤として、対象疾患分野における基礎・臨床エビデンスを継続的に構築した。その成果「医療政策に活用しうる知見の収集・活用」を通し、「難治性呼吸器疾患患者アウトカムの改善・QOL向上」に寄与した。

公開日・更新日

公開日
2021-06-03
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201911020C

収支報告書

文献番号
201911020Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
17,046,000円
(2)補助金確定額
17,046,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,786,261円
人件費・謝金 8,701,335円
旅費 560,551円
その他 2,103,937円
間接経費 3,933,000円
合計 17,085,084円

備考

備考
自己資金 39,084円

公開日・更新日

公開日
2021-06-03
更新日
-