アミロイドーシスに関する調査研究

文献情報

文献番号
201911015A
報告書区分
総括
研究課題名
アミロイドーシスに関する調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-022
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
内木 宏延(福井大学 学術研究院医学系部門)
研究分担者(所属機関)
  • 安東 由喜雄(長崎国際大学 薬学部)
  • 山田 正仁(金沢大学 医薬保健研究域医学系)
  • 玉岡 晃(筑波大学 医学医療系)
  • 高市 憲明(虎の門病院 腎センター)
  • 山田 俊幸(自治医科大学 医学部)
  • 重松 隆(和歌山県立医科大学 医学部)
  • 奥田 恭章(道後温泉病院 内科)
  • 西 慎一(神戸大学 大学院医学研究科)
  • 畑 裕之(熊本大学 大学院生命科学研究部)
  • 小池 春樹(名古屋大学 大学院医学系研究科)
  • 島崎 千尋(京都鞍馬口医療センター 血液内科)
  • 飯田 真介(名古屋市立大学 大学院医学研究科)
  • 植田 光晴(熊本大学 病院)
  • 大橋 健一(横浜市立大学 大学院医学研究科)
  • 小野 賢二郎(昭和大学 医学部)
  • 関島 良樹(信州大学 医学部)
  • 佐野 元昭(慶應義塾大学 医学部)
  • 田原 宣広(久留米大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
7,693,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 われわれは平成29~令和元年度に及ぶ本研究計画で、(1) 病理コンサルテーション体制を始めとするアミロイドーシスの総合的診断体制構築、(2) 同診断体制による診断件数、診断確定率、各病型症例数の集計・公表、(3) 診療ガイドライン、診断基準、重症度分類の妥当性・実用性検証と改定、(4) AMED難病プラットフォームによるレジストリ研究の実施、(5) 各病型患者のケアマニュアル作成、(6) 専門医対象の臓器別アミロイドーシス診療の手引作成、(7) 患者向け公開講座等アミロイドーシスの啓発活動実施、の7項目を目指した。
研究方法
【項目番号は研究の目的に対応】(1)~(6)の各項目は、第1回研究班会議(2019年8月30日、東京)、第2回研究班会議(2020年1月31日、東京)、および各WGで随時開催するメール会議で議論・決定した。(7)は研究分担者の安東、植田(いずれも熊本大学)を中心に実施した。
 (1)に関し、個人情報保護には細心の注意を払った。また、オプトアウトにより対象患者に研究不参加の機会を与えた(福井大学医学系研究倫理審査委員会 平成29年12月15日承認)。(4)に関し、京都大学医の倫理審査委員会に中央倫理審査を申請した(2019年11月21日第3.0版承認)。
結果と考察
【項目番号は研究の目的に対応】
(1) 昨年度に引き続き総合的診断体制を運用した。
(2) 2018年4月1日~2019年11月30日の診断件数、診断確定率、各病型症例数を集計した。20か月で1111件のコンサルテーションを受け付けた。コンゴーレッド陽性件数977件のうち、免疫染色による診断確定件数は931件、プロテオーム解析による診断確定件数31件と合わせ、962件の病型を確定することができた(577件/年)。2012年の厚労省指定難病医療費助成新規受給者数が341人であることから、本邦のアミロイドーシス新規発症率は100万人あたり約2.7人と推定され、全国の新規患者を網羅した悉皆性の高いコンサルテーション体制であると判断できる。
(3) 全身性アミロイドーシス各病型診断基準案を作成し、日本循環器学会、日本神経学会、日本血液学会、日本腎臓学会、日本アミロイドーシス学会の承認を得た後、2020年3月、研究班ホームページ上に公開した。上記診断基準に基づき、2種類の診療ガイドラインを作成した。第一に、腎アミロイドーシスWGを中心に、厚労科研「難治性腎障害に関する調査研究」班(成田一衛班長)と合同で、腎アミロイドーシス診療ガイドライン案を作成した。第二に、日本循環器学会「心アミロイドーシス診療ガイドライン」班(北岡裕章班長)が発足し、本研究班からも6名が参加した。2020年3月、日本語・英語版を出版した。
(4) 2019年11月21日、京都大学医の倫理審査委員会により「オールジャパンで行う全身性アミロイドーシスコホート研究 第3.0版」の承認を得た。2020年4月より、トランスサイレチン型心アミロイドーシスに対するビンダケル投与症例の全例登録を日本循環器学会と共同で開始した。今後、指定難病である他の病型も含め、悉皆性の高いコホート研究を実施する予定である。
(5) ファイザー製薬の協力を得て、FAP患者ケアマニュアルを作成した。
(6) 腎アミロイドーシス診療ガイドライン案を作成した。また、日本循環器学会に協力し、心アミロイドーシス診療ガイドラインを出版した。これらにより、わが国におけるアミロイドーシス診療の高度化、均てん化を推進できると考える。
(7) 熊本大学神経内科(安東由喜雄名誉教授)が中心となり、熊本にて「道しるべの会」(FAP家族性アミロイドポリニューロパチー患者・家族会)総会・講演会(7月15日)、30周年記念交流会(11月30日~12月1日)を開催した。
結論
 昨年度に引き続き、総合的診断体制を運用し、診断件数、診断確定率、各病型症例数を集計した。全身性アミロイドーシス各病型診断基準案を作成し、関連学会の承認を得た後、2020年3月、研究班ホームページ上に公開した。上記診断基準に基づき、腎アミロイドーシス診療ガイドライン案、および心アミロイドーシス診療ガイドラインを作成した。京都大学医の倫理審査委員会により「オールジャパンで行う全身性アミロイドーシスコホート研究 第3.0版」の承認を得、日本循環器学会と共同で、トランスサイレチン型心アミロイドーシスに対するビンダケル投与症例の全例登録を2020年4月より開始した。ファイザー製薬の協力を得て、FAP患者ケアマニュアルを作成した。熊本大学神経内科が中心となり、熊本にて「道しるべの会」(FAP家族性アミロイドポリニューロパチー患者・家族会)総会・講演会、30周年記念交流会を開催した。

公開日・更新日

公開日
2021-06-03
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201911015B
報告書区分
総合
研究課題名
アミロイドーシスに関する調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-022
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
内木 宏延(福井大学 学術研究院医学系部門)
研究分担者(所属機関)
  • 安東 由喜雄(長崎国際大学 薬学部)
  • 山田 正仁(金沢大学 医薬保健研究域医学系)
  • 玉岡 晃(筑波大学 医学医療系)
  • 東海林 幹夫(弘前大学 大学院医学研究科)
  • 高市 憲明(虎の門病院 腎センター)
  • 山田 俊幸(自治医科大学 医学部)
  • 重松 隆(和歌山県立医科大学 医学部)
  • 奥田 恭章(道後温泉病院 内科)
  • 西 慎一(神戸大学 大学院医学研究科)
  • 畑 裕之(熊本大学 大学院生命科学研究部)
  • 小池 春樹(名古屋大学 大学院医学系研究科)
  • 島崎 千尋(京都鞍馬口医療センター 血液内科)
  • 飯田 真介(名古屋市立大学 大学院医学研究科)
  • 植田 光晴(熊本大学 病院)
  • 大橋 健一(横浜市立大学 大学院医学研究科)
  • 小野 賢二郎(昭和大学 医学部)
  • 関島 良樹(信州大学 医学部)
  • 佐野 元昭(慶應義塾大学 医学部)
  • 田原 宣広(久留米大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 われわれは平成29~令和元年度に及ぶ本研究計画で、(1) 病理コンサルテーション体制を始めとするアミロイドーシスの総合的診断体制構築、(2) 同診断体制による診断件数、診断確定率、各病型症例数の集計・公表、(3) 診療ガイドライン、診断基準、重症度分類の妥当性・実用性検証と改定、(4) AMED難病プラットフォームによるレジストリ研究の実施、(5) 各病型患者のケアマニュアル作成、(6) 専門医対象の臓器別アミロイドーシス診療の手引作成、(7) 患者向け公開講座等アミロイドーシスの啓発活動実施、の7項目を目指した。
研究方法
【項目番号は研究の目的に対応】(1)~(6)の各項目は、各年度2回開催する研究班会議、および各WGで随時開催するメール会議で議論・決定した。(7)は研究分担者の安東、植田(いずれも熊本大学)を中心に実施した。
(1)に関し、個人情報保護には細心の注意を払った。また、オプトアウトにより対象患者に研究不参加の機会を与えた(福井大学医学系研究倫理審査委員会 2019年12月25日Ver.1.2承認)。(4)に関し、京都大学医の倫理審査委員会に中央倫理審査を申請した(2019年11月21日第3.0版承認)。
結果と考察
【項目番号は研究の目的に対応】
(1) 2018年4月1日より、総合的診断体制を運用した。
(2) 2018年4月1日~2019年11月30日の診断件数、診断確定率、各病型症例数を集計した。20か月で1111件のコンサルテーションを受け付けた。コンゴーレッド陽性件数977件のうち、免疫染色による診断確定件数は931件、プロテオーム解析による診断確定件数31件と合わせ、962件の病型を確定することができた(577件/年)。2012年の厚労省指定難病医療費助成新規受給者数が341人であることから、本邦のアミロイドーシス新規発症率は100万人あたり約2.7人と推定され、全国の新規患者を網羅した悉皆性の高いコンサルテーション体制であると判断できる。
(3) 全身性アミロイドーシス各病型診断基準案を作成し、日本循環器学会、日本神経学会、日本血液学会、日本腎臓学会、日本アミロイドーシス学会の承認を得た後、2020年3月、研究班ホームページ上に公開した。上記診断基準に基づき、2種類の診療ガイドラインを作成した。第一に、腎アミロイドーシスWGを中心に、厚労科研「難治性腎障害に関する調査研究」班(成田一衛班長)と合同で、腎アミロイドーシス診療ガイドライン案を作成した。第二に、日本循環器学会「心アミロイドーシス診療ガイドライン」班(北岡裕章班長)が発足し、本研究班からも6名が参加した。2020年3月、日本語・英語版を出版した。
(4) 京都大学医の倫理審査委員会により「オールジャパンで行う全身性アミロイドーシスコホート研究 第3.0版」の承認を得た後、2020年4月より、トランスサイレチン型心アミロイドーシスに対するビンダケル投与症例の全例登録を日本循環器学会と共同で開始した。今後、指定難病である他の病型も含め、悉皆性の高いコホート研究を実施する予定である。
(5) ファイザー製薬の協力を得て、FAP患者ケアマニュアルを作成した。
(6) 腎アミロイドーシス診療ガイドライン案を作成した。また、日本循環器学会に協力し、心アミロイドーシス診療ガイドラインを出版した。これらにより、わが国におけるアミロイドーシス診療の高度化、均てん化を推進できると考える。
(7) 熊本大学神経内科(安東由喜雄名誉教授)が中心となり、熊本にて「道しるべの会」(FAP家族性アミロイドポリニューロパチー患者・家族会)総会・講演会、および交流会を毎年開催した。また2018年3月、第16回国際アミロイドーシス学会サテライト企画として、国内外のFAP患者・家族交流会を実施した。
結論
 2018年4月1日より、総合的診断体制を運用し、診断件数、診断確定率、各病型症例数を集計した。全身性アミロイドーシス各病型診断基準案を作成し、関連学会の承認を得た後、2020年3月、研究班ホームページ上に公開した。上記診断基準に基づき、腎アミロイドーシス診療ガイドライン案、および心アミロイドーシス診療ガイドラインを作成した。京都大学医の倫理審査委員会により「オールジャパンで行う全身性アミロイドーシスコホート研究 第3.0版」の承認を得、日本循環器学会と共同で、トランスサイレチン型心アミロイドーシスに対するビンダケル投与症例の全例登録を2020年4月より開始した。ファイザー製薬の協力を得て、FAP患者ケアマニュアルを作成した。熊本大学神経内科が中心となり、熊本にて「道しるべの会」(FAP家族性アミロイドポリニューロパチー患者・家族会)総会・講演会、および交流会を毎年開催した。

公開日・更新日

公開日
2021-06-03
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201911015C

収支報告書

文献番号
201911015Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
10,000,000円
(2)補助金確定額
10,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,012,361円
人件費・謝金 902,461円
旅費 1,398,662円
その他 3,379,516円
間接経費 2,307,000円
合計 10,000,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2021-05-10
更新日
-