文献情報
文献番号
201908044A
報告書区分
総括
研究課題名
実地臨床における支持療法の実装実態及び普及阻害/促進要因に関する研究
課題番号
19EA1009
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
全田 貞幹(国立研究開発法人国立がん研究センター 東病院放射線治療科)
研究分担者(所属機関)
- 田村 和夫(福岡大学 医学部 総合医学研究センター)
- 佐伯 俊昭(埼玉医科大学国際医療センター 乳腺腫瘍科)
- 内富 庸介(国立がん研究センター 中央病院 支持療法開発部門)
- 奥山 徹(名古屋市立大学大学院 医学研究科精神・認知・行動医学分野)
- 安部 正和(静岡県立静岡がんセンター 婦人科)
- 貞廣 良一(国立がん研究センター 研究所 免疫創薬部門)
- 華井 明子(国立がん研究センター 中央病院 支持療法開発部門)
- 島津 太一(国立がん研究センター 社会と健康研究センター予防研究部)
- 野澤 桂子(国立がん研究センター 中央病院アピアランス支援センター)
- 東 尚弘(国立がん研究センター がん対策情報センターがん臨床情報部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
①有害事象に対する単一介入の普及状況について量的調査により明らかにし、それを踏まえ、普及を阻害/促進している要因についてインタビュー等の質的な調査手法を用いて明らかにする。
② 有害事象に対する多職種連携チームによる複合的介入の普及状況の把握する。
③支持療法普及の阻害/促進要因を改善/推進するための具体的な対策案について提案する。
② 有害事象に対する多職種連携チームによる複合的介入の普及状況の把握する。
③支持療法普及の阻害/促進要因を改善/推進するための具体的な対策案について提案する。
研究方法
単一介入については化学療法誘発性嘔吐(CINV)および発熱性好中球減少(FN)を単一介入の代表例として調査を行う。
・化学療法誘発性嘔吐(CINV)
がん対策情報センターでがん診療連携拠点病院を対象に行ったQuality indicatorの調査をもとに、CINV対策実態調査について所定の手続きを経て活用する。また、既に収集されているCINV対策の未実施理由を詳細に分析し、二次的な分析参加施設を募集して、応募施設に対して詳細なインタビューを行うことで普及阻害/促進要因を洗い出す。
また、インタビューは実装研究のための統合フレームワーク(Consolidated Framework for Implementation Research、CFIR)に準拠して行う。
・発熱性好中球減少(FN)
日本がんサポーティブケア学会FN部会でアンケート内容を作成し、日本臨床腫瘍学会等主要な学会を通じて臨床医個人単位でのFN高リスクレジメン使用時の予防的G-CSF投与の実施率について調査する。実施率の調査項目は、FN高リスクレジメンに関する事項・予防的G-CSF投与に関する事項・所属病院/所属部署・経験年数である。
複合的介入に関しては、治療に伴うせん妄を典型例として取り上げる
・治療に伴うせん妄
各学会が出版しているガイドライン・ガイダンス・手引書で重複した記載がある中で共通して行うべき手技/ケアとしている部分について拾い出しを行う。その中からDPCデータもしくは臨床医個人単位での実施率調査として数値として抽出可能な項目を検討する。
・化学療法誘発性嘔吐(CINV)
がん対策情報センターでがん診療連携拠点病院を対象に行ったQuality indicatorの調査をもとに、CINV対策実態調査について所定の手続きを経て活用する。また、既に収集されているCINV対策の未実施理由を詳細に分析し、二次的な分析参加施設を募集して、応募施設に対して詳細なインタビューを行うことで普及阻害/促進要因を洗い出す。
また、インタビューは実装研究のための統合フレームワーク(Consolidated Framework for Implementation Research、CFIR)に準拠して行う。
・発熱性好中球減少(FN)
日本がんサポーティブケア学会FN部会でアンケート内容を作成し、日本臨床腫瘍学会等主要な学会を通じて臨床医個人単位でのFN高リスクレジメン使用時の予防的G-CSF投与の実施率について調査する。実施率の調査項目は、FN高リスクレジメンに関する事項・予防的G-CSF投与に関する事項・所属病院/所属部署・経験年数である。
複合的介入に関しては、治療に伴うせん妄を典型例として取り上げる
・治療に伴うせん妄
各学会が出版しているガイドライン・ガイダンス・手引書で重複した記載がある中で共通して行うべき手技/ケアとしている部分について拾い出しを行う。その中からDPCデータもしくは臨床医個人単位での実施率調査として数値として抽出可能な項目を検討する。
結果と考察
結果
・化学療法誘発性嘔吐(CINV)
調査の結果低リスク催吐性リスク抗がん剤に対する支持療法薬の過剰投与が48%みられることに関し今まで問題視されていなかったことが判り、これらの内容を含むインタビューで現在Pilot試験を行い(国立がん研究センター東病院へのインタビュー調査)データを収集中である。
・発熱性好中球減少(FN)
日本臨床腫瘍学会、日本乳がん学会、日本がんサポーティブケア学会、日本血液学会の協力を得て学会員個人単位でサーベイモンキーを用いて実態調査を行った。2020年5月15日にデータ収取を終了し、現在解析中である。
・治療に伴うせん妄
ガイドライン内で高いエビデンスレベルに基づく「強く推奨」される介入が非常に少ないことが判明し、現在、どの介入が標準的に行われているのかを調査中である。
考察
単一介入においては量的調査に加えインタビューを含む質的調査を加えることで阻害要因/促進要因の候補を挙げることは可能と考える。
複合的介入については推奨する介入について学会間でのコンセンサスを得る必要があると考える
・化学療法誘発性嘔吐(CINV)
調査の結果低リスク催吐性リスク抗がん剤に対する支持療法薬の過剰投与が48%みられることに関し今まで問題視されていなかったことが判り、これらの内容を含むインタビューで現在Pilot試験を行い(国立がん研究センター東病院へのインタビュー調査)データを収集中である。
・発熱性好中球減少(FN)
日本臨床腫瘍学会、日本乳がん学会、日本がんサポーティブケア学会、日本血液学会の協力を得て学会員個人単位でサーベイモンキーを用いて実態調査を行った。2020年5月15日にデータ収取を終了し、現在解析中である。
・治療に伴うせん妄
ガイドライン内で高いエビデンスレベルに基づく「強く推奨」される介入が非常に少ないことが判明し、現在、どの介入が標準的に行われているのかを調査中である。
考察
単一介入においては量的調査に加えインタビューを含む質的調査を加えることで阻害要因/促進要因の候補を挙げることは可能と考える。
複合的介入については推奨する介入について学会間でのコンセンサスを得る必要があると考える
結論
現時点で研究は進捗しているが結論を述べる段階ではない。
2021年3月までには単一介入に関してQI候補の提示が可能である。
2021年3月までには単一介入に関してQI候補の提示が可能である。
公開日・更新日
公開日
2020-09-09
更新日
-