がんゲノム医療に携わる医師等の育成に資する研究

文献情報

文献番号
201908042A
報告書区分
総括
研究課題名
がんゲノム医療に携わる医師等の育成に資する研究
課題番号
19EA1007
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
大江 裕一郎(国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 達也(国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科)
  • 吉野 孝之(国立研究開発法人国立がん研究センター東病院 消化管内科)
  • 土原 一哉(国立がん研究センター 先端医療開発センター トランスレーショナルインフォマティクス分野)
  • 内藤 陽一(国立がん研究センター東病院 先端医療科/乳腺・腫瘍内科/希少がんセンター)
  • 角南 久仁子(関原 久仁子)(国立がん研究センター中央病院 臨床検査科)
  • 西尾 和人(近畿大学 医学部ゲノム生物学教室 )
  • 小山 隆文(国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院 先端医療科)
  • 高橋 秀明(国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科)
  • 浜本 康夫(慶応義塾大学 医学部 腫瘍センター)
  • 櫻井 晃洋(北海道公立大学法人 札幌医科大学 医学部遺伝医学)
  • 中谷 中(三重大学医学部附属病院 中央検査部)
  • 武田 真幸(近畿大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
15,385,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がんゲノム医療は、第3期がん対策推進基本計画の分野別施策「がん医療の充実」に掲げられている重要課題である。質の高いがんゲノム医療の提供には、がんゲノム医療に携わる人材の育成が必要不可欠であるが、現場で対応する医師等に関しては、備えるべき知識や資質等が明確でなく、またそれらを修得するためにどのような研修が必要か明らかにされていない。また、質の高いがんゲノム医療を均てん化するには、がんゲノム医療中核拠点病院等のエキスパートパネルの質の向上、標準化が不可欠である。本研究では、エキスパートパネルを構成する専門的な人材の教育、育成およびがんゲノム医療に従事する医師等の教育、育成を行い、質の高いエキスパートパネルの判断に基づき、がんゲノム医療や分子標的治療に対する高度な知識と経験を有する医師等により、がんゲノム医療が実施されることにより、適切ながんゲノム医療を広く国民に提供することを目的とする。
研究方法
本研究事業では、1)がんゲノム医療中核拠点病院等で開催されるエキスパートパネルを構成する専門的な人材の教育、育成方法の研究(吉野小班)、2)がんゲノム医療中核拠点病院以外のがんゲノム医療連携病院などで、がんゲノム医療に従事する医師等の教育、育成の研究(西尾小班)を両小班の連携のもと実施する。
結果と考察
がんゲノム医療中核拠点病院等で開催されるエキスパートパネルを構成する専門的な人材およびがんゲノム医療中核拠点病院以外のがんゲノム医療連携病院などで、がんゲノム医療に従事する医師等が備えるべき知識や資質等を検討した。
パイロットトライアルとして、模擬症例を班会議前に配布し、各がんゲノム医療中核拠点病院でのエキスパートパネルによるClinical Annotationを行い、班会議でその結果を比較検討した。この結果、がんゲノムプロファイル検査で検出された遺伝子異常に対する推奨治療(治験情報)の把握度にエキスパートパネル間の差があることが明らかになった。
Syapse社、Aurora health St. Luke’s medical center、Swedish Cancer Institute、Henry Ford Cancer InstituteからVirtual molecular tumor board(VMTB)の現状把握のための情報収集を行った。
主としてがんゲノム医療中核拠点病院等以外に勤務し、がん診療に携わる医師等を対象にがんゲノム医療に携わる医師等が備えるべき知識や資質について検討した。また、身につけるための方策を検討の上、医師等を対象に、研修実施者の育成も念頭に置いた上で、研修の実施を準備した。がんゲノム医療に必須の知識を身につける際に求められる研修資料、教育プログラムの策定、モデル研修会の実施と評価法の策定を行った。
がんゲノム医療中核拠点病院等で開催されるエキスパートパネルを構成する専門的な人材が備えるべき知識や資質等を明らかにし、人材育成に資する研修資料や研修プログラムを作成・実践し、エキスパートパネルを構成する専門的な人材の教育、育成を系統だって実施することにより、がんゲノム医療中核拠点病院等のエキスパートパネルの質の向上が期待される。がんゲノム医療連携病院などで、がんゲノム医療に従事する医師等が備えるべき知識や資質等を明らかにし、人材育成に資する研修資料や研修プログラムを作成・実践することで、がんゲノム医療や分子標的治療に対する高度な知識と経験を有する医師等を育成することが期待される。
結論
標準化された質の高いエキスパートパネルの判断に基づき、がんゲノム医療に対する高度な知識と経験を有する医師等が、がんゲノム医療を実施することにより、適切ながんゲノム医療を広く国民に提供することにより、生存率の向上および医療経済的なメリットが期待される。がんゲノム情報管理センター(C-CAT)を介して、がんゲノム医療を受ける患者のゲノム情報、臨床情報を収集することにより、がんゲノム医療の学術的な発展をもたらすとともに新薬の開発などで社会的に貢献することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2020-09-09
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2020-09-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201908042Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
20,000,000円
(2)補助金確定額
15,517,000円
差引額 [(1)-(2)]
4,483,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,100,000円
人件費・謝金 3,269,000円
旅費 2,933,000円
その他 1,600,000円
間接経費 4,615,000円
合計 15,517,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2021-05-14
更新日
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