高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究

文献情報

文献番号
201908032A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者がん診療指針策定に必要な基盤整備に関する研究
課題番号
H30-がん対策-一般-007
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
田村 和夫(福岡大学 医学部総合医学研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 長島 文夫(杏林大学 医学部腫瘍内科)
  • 相羽 惠介(東京慈恵会医科大学 医学部)
  • 齊藤 光江(順天堂大学 医学部)
  • 佐伯 俊昭(埼玉医科大学 国際医療センター乳腺腫瘍科)
  • 唐澤 久美子(東京女子医科大学 医学部放射線腫瘍学)
  • 内富 庸介(国立がん研究センター 中央病院支持療法開発部門)
  • 高橋 孝郎(埼玉医科大学 国際医療センター緩和医療科)
  • 海堀 昌樹(関西医科大学 医学部外科学講座)
  • 作田 裕美(大阪市立大学 大学院看護学研究科)
  • 今村 知世(昭和大学 先端がん治療研究所)
  • 辻 哲也(慶應義塾大学 リハビリテーション医学教室)
  • 小寺 泰弘(名古屋大学 大学院・医学系研究科)
  • 中山 健夫(京都大学大学院 医学研究科)
  • 小川 朝生(国立がん研究センター 先端医療開発センター 精神腫瘍学開発分野)
  • 濱口 哲弥(埼玉医科大学 国際医療センター・医学部)
  • 津端 由佳里(島根大学 医学部)
  • 高橋 昌宏(東北大学 加齢医学研究所 臨床腫瘍学分野)
  • 西嶋 智洋(九州がんセンター 老年腫瘍科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高齢者がん診療ガイドライン策定に必要な基盤整備をすることを目的とする。
研究方法
研究班と高齢者がん医療協議会が協働し多くの協力者の支援を得て、高齢者がん医療に関する診療の現状の調査、これまでのエビデンスを収集・解析してQ&Aの形で整理する。医学部・医学研究科ならびにがん診療連携拠点病院の老年腫瘍学に関する教育・研究・診療の実態に関するアンケート調査結果を公表する。これらの研究成果から高齢がん医療に関する問題点が抽出され、高齢者がん診療ガイドライン委員会を設置しガイドライン(GL)作成に向けて具体的な検討に入る。また、外科治療、医療経済に関しての議論が今までなかったことから、それぞれ委員会を設置し、アンケート調査、費用対効果に関する研究がスタートした。
結果と考察
老年腫瘍学・診療の実態調査を国際老年腫瘍学会で発表し、そのまとめをJJCOに掲載した。日本がんサポーティブケア学会HPに掲載していた「高齢者がん医療Q&A、総論」を冊子体としてまとめ厚労省に提出した。各論、すなわち臓器別の高齢者がんの治療に関する情報のまとめは、2020年3月に最終稿とした。これまでの研究からプレフレイルがん患者が加齢とともに増加し、多くの課題が存在することが明らかとなった。高齢がん患者のなかで症例数が多く、マネジメントに苦慮するプレフレイル患者を中心に予備的な検討を加えることになった。
まず、モデル事業として「プレフレイル高齢大腸がん患者のための臨床的提言(PCO)」を提示するために、6つのワーキンググループ(WG)を置いて議論を始めた。
また、これまでの研究は内科系に偏っていたことから高齢がん患者の外科治療を検討する外科委員会、そして難題である医療経済について検討する医療経済委員会を設置し、前者はがん診療連携病院における高齢がん患者の手術に関する調査を開始、後者は治療の費用対効果を評価するにあたって外来化学療法を対象に検討を始めている。

高齢者がん診療指針策定に必要な情報と解析が行われ、がん治療は可能だが標準的な治療は困難なプレフレイル者が多数おり、そのマネッジメントに特化した検討が必要であることが分かった。その課題克服に向けてガイドライン作成委員会を設置して議論を進めていくことが適切であると考えられた。
結論
エビデンスの少ない高齢者のためのがん診療指針を策定にあたって、内科系以外の領域の調査や大腸がんモデル事業を通して臨床的提言を行うことによりガイドライン作成方法が確立し、大腸がんの診療ガイドラインの作成につながる。その作業過程を経験することにより、それがモデルとなって大腸がん以外の領域のガイドライン作成にも応用されることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2020-09-09
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2020-09-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201908032Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
10,400,000円
(2)補助金確定額
10,400,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 625,124円
人件費・謝金 2,692,078円
旅費 2,590,527円
その他 2,092,271円
間接経費 2,400,000円
合計 10,400,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2021-03-01
更新日
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