文献情報
文献番号
201908031A
報告書区分
総括
研究課題名
精神障害患者の低いがん検診受診率を向上させる勧奨法の開発および標準的ながん治療・ケアへのアクセスを改善するための課題の把握と連携を促進する仕組みの構築
課題番号
H30-がん対策-一般-006
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
稲垣 正俊(国立大学法人島根大学 医学部精神医学講座)
研究分担者(所属機関)
- 山田 了士(国立大学法人岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科精神神経病態学)
- 内富 庸介(国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院支持療法開発部門)
- 藤森 麻衣子(国立研究開発法人国立がん研究センター社会と健康研究センター)
- 樋之津 史郎(北海道公立大学法人札幌医科大学 医学部医療統計学)
- 藤原 雅樹(国立大学法人岡山大学病院 精神科神経科)
- 堀井 茂男(公益財団法人慈圭会慈圭病院)
- 児玉 匡史(地方独立行政法人岡山県精神科医療センター 医療部)
- 宮路 天平(国立大学法人東京大学医学部附属病院 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
7,978,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
精神障害者は、がんによる死亡率が一般人口よりも高いことが示されている。精神障害者のがん死亡率が高い背景の1つとして、がん検診受診率が低い、診断の遅れや標準的な治療を受けることができない等、がんの予防、診療における格差があることが報告されている。そこで、研究1では、精神障害者のがん検診受診率の向上を目的として、かかりつけ精神科臨床場面におけるがん検診受診勧奨法を開発する。研究2では、がんを合併した精神障害者のがん治療、診断およびケアにおける課題を広く抽出する調査を行う。
研究方法
研究1:
1年目は、文献をレビューした上でがん検診受診勧奨法を作成し、パイロット研究を実施して実施可能性と予備的な有効性を明らかとした。2年目である2019年度は、1年目に開発した、かかりつけ精神科医療機関における複合的ケースマネジメントによる個別のがん検診受診勧奨法の有効性を検証するために無作為化比較試験を行う。
研究2:
1年目は、精神障害者のがんの診断、治療およびケアに関する自由記述アンケート調査を実施し、調査票の配布、回収までを行った。2年目である2019年度はその内容について質的な解析を実施する。
1年目は、文献をレビューした上でがん検診受診勧奨法を作成し、パイロット研究を実施して実施可能性と予備的な有効性を明らかとした。2年目である2019年度は、1年目に開発した、かかりつけ精神科医療機関における複合的ケースマネジメントによる個別のがん検診受診勧奨法の有効性を検証するために無作為化比較試験を行う。
研究2:
1年目は、精神障害者のがんの診断、治療およびケアに関する自由記述アンケート調査を実施し、調査票の配布、回収までを行った。2年目である2019年度はその内容について質的な解析を実施する。
結果と考察
研究1:
2020年6月3日に第1例目を登録し、9月9日に目標症例数の172例に到達し、無作為化比較試験を完了した。通常の外来診療にあわせての研究実施であるが、想定よりも早く患者登録を終了し得た。これは、十分な研究体制を確立したことも要因であるが、介入そのものが研究対象者にも、実施する医療従事者にも受け入れられやすい内容であると考えられる。
研究2:
精神障害のあるがん患者の診療における課題、考えられる課題の解決方法について、自由記述アンケートで得られた意見をコード、カテゴリとして集約した。また、その結果に基づき、精神障害のあるがん患者の診療における課題を評価するための質問票の作成を行っている。
2020年6月3日に第1例目を登録し、9月9日に目標症例数の172例に到達し、無作為化比較試験を完了した。通常の外来診療にあわせての研究実施であるが、想定よりも早く患者登録を終了し得た。これは、十分な研究体制を確立したことも要因であるが、介入そのものが研究対象者にも、実施する医療従事者にも受け入れられやすい内容であると考えられる。
研究2:
精神障害のあるがん患者の診療における課題、考えられる課題の解決方法について、自由記述アンケートで得られた意見をコード、カテゴリとして集約した。また、その結果に基づき、精神障害のあるがん患者の診療における課題を評価するための質問票の作成を行っている。
結論
研究1:
2年目である当該年度は、開発したがん検診受診勧奨法の有効性を明らかにするため、市からの通常勧奨を対照とした無作為化比較試験を完遂した。3年目に、データの解析、論文・学会発表を行い、実装・普及につなげる。
研究2:
1年目の3月に回収を終えた精神障害者のがんの診断、治療およびケアに関する自由記述アンケート調査の質的解析を行った。3年目は2年目の結果の公表に加え、課題の定量を目的とした調査を予定している。
2年目である当該年度は、開発したがん検診受診勧奨法の有効性を明らかにするため、市からの通常勧奨を対照とした無作為化比較試験を完遂した。3年目に、データの解析、論文・学会発表を行い、実装・普及につなげる。
研究2:
1年目の3月に回収を終えた精神障害者のがんの診断、治療およびケアに関する自由記述アンケート調査の質的解析を行った。3年目は2年目の結果の公表に加え、課題の定量を目的とした調査を予定している。
公開日・更新日
公開日
2020-09-09
更新日
-