乳幼児の身体発育及び健康度に関する調査実施手法及び評価に関する研究

文献情報

文献番号
201907021A
報告書区分
総括
研究課題名
乳幼児の身体発育及び健康度に関する調査実施手法及び評価に関する研究
課題番号
H30-健やか-指定-001
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 加藤 則子(十文字学園女子大学 教育人文学部)
  • 松浦 賢長(福岡県立大学 看護学部)
  • 盛一 享徳(国立成育医療研究センター 小児慢性特定疾病情報室)
  • 森崎 菜穂(国立成育医療研究センター 社会医学研究部)
  • 吉田 穂波(神奈川県立保健福祉大学 ヘルスイノベーション研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2020年に予定されている乳幼児身体発育調査に向けて、調査実施のための課題や手法を検討し、我が国の乳幼児の身体発育や健康度を把握するための基礎資料を作成することを目的とする。また、我が国における乳幼児の身体発育や健康度ついて、国際的に示していくためのデータ作成も行う。
研究方法
以下の4つのテーマに取り組んだ。
(1)諸外国の身体発育に関する調査に関する情報収集および、過去の乳幼児身体発育調査票(一般調査票)の改善可能な問題点の整理
(2)過去の調査手法を踏まえた我が国の乳幼児の身体発育及び健康度を把握するための調査手法の検討
(3)幼児健康度調査の実施手法の構築
(4)身体発育曲線を活用した保健指導・栄養指導に関する手法および、乳幼児身体発育評価マニュアル改訂に向けた内容の検討
結果と考察
(1)日本小児内分泌学会(身体発育曲線管理委員会、理事会)に研究協力を依頼し、過去の乳幼児身体発育調査票(一般調査票)を海外のそれと比較することで、調査票の改善可能な点を提案した。
(2)①次回調査の対象人数と誤差の検討:対象者数は、前回調査と同じ協力率70%を維持した場合で15%減少、協力率60%に低下した場合で27%減少することが見込まれる。統計手法としてGAMLSS法を用いると推定誤差が小さくなる可能性が示唆された。調査協力に関する普及啓発のために、わが国で最もポピュラーな一般育児雑誌の編集部へ身体発育曲線に関する企画を提案した。
②発育曲線作成ソフトの検討:次回調査での身体発育曲線作成には、LMS法をベースとするのが妥当であると考えられるが、GAMLSSパッケージを2010年乳幼児身体発育調査データに適用してみると、男子身長、男女胸囲、男女頭囲においては試行結果をそのまま平滑化値として差し支えないと考えられた。
③生後1か月前後の入院症例に関する検討:入院症例の多くは新生児科もしくは小児病棟に入院しており、現在の乳幼児身体発育調査における調査対象医療施設に対する調査のみでは、正しく生後1か月前後の入院児を捕捉することはできないと考えられた。
(3)次回幼児健康度調査における質問項目を、①先駆的質問項目、②接続質問項目、③継続質問項目のそれぞれについて具体的に設定した。
(4)「乳幼児身体発育評価マニュアル」の改訂箇所を整理した。
今後、(1)(2)の研究結果を踏まえて、2020年に予定している乳幼児身体発育調査の調査方法をさらに整理する。特に、回収率維持のための自治体との協力体制や国民への普及啓発等についての検討が重要である。統計学的手法はLMS法をベースとしつつ、その拡張版でもあるGAMLSS法についても検討を進める。(3)の幼児健康度調査については、調査項目がほぼ決まったので実施に向けての準備を進める。(4)身体発育曲線を活用した保健指導・栄養指導に関する手法を整理して、「乳幼児身体発育評価マニュアル」の改訂と、ガイドブック的な平易な冊子にまとめる。
結論
2020年に予定されている乳幼児身体発育調査および幼児健康度調査に向けて、調査実施のための課題や手法を整理した。

公開日・更新日

公開日
2020-10-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2020-10-28
更新日
2021-08-30

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201907021Z