文献情報
文献番号
201906006A
報告書区分
総括
研究課題名
医療的ケア児等コーディネーターに必要な基礎的知識の可視化及び研修プログラム確立についての研究
課題番号
19CA2006
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
谷口 由紀子(淑徳大学 看護栄養学部)
研究分担者(所属機関)
- 岩本 彰太郎(三重大学医学部附属病院周産期母子センター)
- 大塚 晃(上智大学 総合人間科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
7,005,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、医療的ケア児等の状態像を踏まえ、コーディネーターに必要な基礎的知識の可視化及び研修プログラムの確立を行い、医療・福祉・教育等、多岐に渡る医療的ケア児の支援のマネジメントを担う人材育成に資することを目的とした。
研究方法
平成30年度にコーディネーター研修を開催した都道府県等への調査を実施、基礎的知識の可視化のため有識者会議2つの分科会を開催し、意見を収集した。収集した意見をコード化し、テーマに重要な要素を抽出し、研修テキスト、プログラムを作成した。作成したプログラム評価のため本研究に賛同した都道府県等からの推薦者を対象にプログラム案を実施評価した。演習プログラムについて研究協力を承諾した〇県で実施し評価した。
結果と考察
1.平成30年度に開催された研修内容調査結果
研修資料を提示した県(以下県と略す)は13県であった。
13県で実施された研修の期間は2日間(1県)、7日間(1県)11県は4日間であった。演習期間は12県が2日間、1県は半日であった。
2県で医療安全についての講義がなされていた。12県は研修3日目に計画立案について座学、演習を実施していた。1県は、演習3日目に施設の見学を盛り込んでいた。3県は事例を提示し演習を行っていた。
平成30年度に実施された研修は、研修科目は共通していたが、研修の内容はかなり異なっていた。また、研修時間や演習にも相違点がみられた。このことから、医ケア児の特徴を踏まえたコーディネーターの役割の明確化、学習効果の高い研修時間配分の提示、研修内容の統一、当該地域の特色を理解できる研修内容が必要であることが示唆された。
2.医療的ケア児等コーディネーターに必要な基礎的知識を可視化結果・考察
有識者会議は医療的ケア児等コーディネーター(以下コーディネーターと略す)に期待される役割や担うべき人材、基礎的な知識、活動環境について、岩本班では医療の視点から必要な知識、大塚研究班では発達支援、家族支援に必要な知識について令和元年6月から12月まで議論した。結果有識者会議では主に、本人中心のICFモデルを活用したテキストの作成、医療的ケア児等コーディネーターのアセスメントの視点の提示、各地域の特性を加味した研修対象者の選定が必要であることが分かった。岩本班では、経験豊富な医師が現場でよく出会う状態像を持ちかつ、福祉職が支援の方向性を決めかねる事例を提示することとなり、大塚班では、医療的ケア児等の発達の特徴を理解できる内容及び家族をマルトリートメントの視点でとらえることができる内容を盛り込むことを提案した。結果をもとにテキスト・プログラム案を作成し、11月に評価した。演習プログラムは、令和2年3月に〇県にて実施し評価した。
1)研修プログラム評価結果
令和元年11月16、17日に都内某所で、参加都道府県等(政令指定都市を含む)は30か所、参加者は65名(プログラム形成評価者・オブザーバー含む)を対象に実施した。プログラム形成評価者は 31名、職種は医師・訪問看護師・保健師・相談支援専門員・MSW・行政職であった。研修では、本研究で開発したアセスメントの視点や主要な研修科目について講義を実施し、演習は半日で要点のみを実施し評価した。
アセスメントの視点については、54.8%が「実践に活かすことは可能」、41.9%は「まあまあ可能」と回答した。評価アンケートの自由記載には、「アセスメントに追加を検討すべき項目」「アセスメントシート全般についての意見」「演習を組み立てるうえで必要な視点」等多くの意見が寄せられた。評価を通じて医療安全については研修時間、内容の精錬が必要と判断し、修正した。
2)演習プログラム形成評価
令和2年3月、〇県で開催されるコーディネーター研修にて実施した。受講者は25名であったが、受講後のアンケートの回答者は15名(回収率60%)であった。回答者の60%は相談支援専門員、40%は看護師、保健師、医療機関のMSWであった。
演習を通じて、参加者の約66%がコーディネーターの視座を理解できたと回答し、80%がコーディネーターのアセスメントの視点について理解したと回答した。 結果から、演習プログラムは、実践力を高めるために効果的であったと評価した。
研修資料を提示した県(以下県と略す)は13県であった。
13県で実施された研修の期間は2日間(1県)、7日間(1県)11県は4日間であった。演習期間は12県が2日間、1県は半日であった。
2県で医療安全についての講義がなされていた。12県は研修3日目に計画立案について座学、演習を実施していた。1県は、演習3日目に施設の見学を盛り込んでいた。3県は事例を提示し演習を行っていた。
平成30年度に実施された研修は、研修科目は共通していたが、研修の内容はかなり異なっていた。また、研修時間や演習にも相違点がみられた。このことから、医ケア児の特徴を踏まえたコーディネーターの役割の明確化、学習効果の高い研修時間配分の提示、研修内容の統一、当該地域の特色を理解できる研修内容が必要であることが示唆された。
2.医療的ケア児等コーディネーターに必要な基礎的知識を可視化結果・考察
有識者会議は医療的ケア児等コーディネーター(以下コーディネーターと略す)に期待される役割や担うべき人材、基礎的な知識、活動環境について、岩本班では医療の視点から必要な知識、大塚研究班では発達支援、家族支援に必要な知識について令和元年6月から12月まで議論した。結果有識者会議では主に、本人中心のICFモデルを活用したテキストの作成、医療的ケア児等コーディネーターのアセスメントの視点の提示、各地域の特性を加味した研修対象者の選定が必要であることが分かった。岩本班では、経験豊富な医師が現場でよく出会う状態像を持ちかつ、福祉職が支援の方向性を決めかねる事例を提示することとなり、大塚班では、医療的ケア児等の発達の特徴を理解できる内容及び家族をマルトリートメントの視点でとらえることができる内容を盛り込むことを提案した。結果をもとにテキスト・プログラム案を作成し、11月に評価した。演習プログラムは、令和2年3月に〇県にて実施し評価した。
1)研修プログラム評価結果
令和元年11月16、17日に都内某所で、参加都道府県等(政令指定都市を含む)は30か所、参加者は65名(プログラム形成評価者・オブザーバー含む)を対象に実施した。プログラム形成評価者は 31名、職種は医師・訪問看護師・保健師・相談支援専門員・MSW・行政職であった。研修では、本研究で開発したアセスメントの視点や主要な研修科目について講義を実施し、演習は半日で要点のみを実施し評価した。
アセスメントの視点については、54.8%が「実践に活かすことは可能」、41.9%は「まあまあ可能」と回答した。評価アンケートの自由記載には、「アセスメントに追加を検討すべき項目」「アセスメントシート全般についての意見」「演習を組み立てるうえで必要な視点」等多くの意見が寄せられた。評価を通じて医療安全については研修時間、内容の精錬が必要と判断し、修正した。
2)演習プログラム形成評価
令和2年3月、〇県で開催されるコーディネーター研修にて実施した。受講者は25名であったが、受講後のアンケートの回答者は15名(回収率60%)であった。回答者の60%は相談支援専門員、40%は看護師、保健師、医療機関のMSWであった。
演習を通じて、参加者の約66%がコーディネーターの視座を理解できたと回答し、80%がコーディネーターのアセスメントの視点について理解したと回答した。 結果から、演習プログラムは、実践力を高めるために効果的であったと評価した。
結論
都道府県等への調査結果から、医療的ケア児等コーディネーター研修の現状と課題について、標準的な内容を受講できるプログラムの必要性が示唆された。
コーディネーターの基礎的知識を可視化し、総論6項目、各論18項目、地域でよく出会う状態像5事例と支援の留意点、知っておきたい医療用語19個を抽出し、テキストを作成した。またテキストの内容に基づき研修プログラムを確定した。
コーディネーターの基礎的知識を可視化し、総論6項目、各論18項目、地域でよく出会う状態像5事例と支援の留意点、知っておきたい医療用語19個を抽出し、テキストを作成した。またテキストの内容に基づき研修プログラムを確定した。
公開日・更新日
公開日
2021-06-10
更新日
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