新しいチーム医療等における医療・介護従事者の適切な役割分担についての研究

文献情報

文献番号
201901016A
報告書区分
総括
研究課題名
新しいチーム医療等における医療・介護従事者の適切な役割分担についての研究
課題番号
19AA2003
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
今村 知明(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 岡本 左和子(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
  • 小野 孝二(東京医療保健大学 看護学部/大学院 看護学研究科 放射線防護学 )
  • 内藤 祐介(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
15,530,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
働き方改革実行計画では医師も含めた全労働者に時間外労働等の上限規制を行うこととされている。医師については、医師法に基づく応召義務等の特殊性を踏まえ2年後を目途に規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等について検討し、改正法施行4年後を目途に規制を適用することとされている。
このような背景の中で、医師の時間外勤務を削減するための多職種へのタスク・シフト/シェアではどのような業務が委託・移管可能なのか、さらにその業務がどの程度の時間短縮効果があるのかなどを調査し、国内展開の実現可能性について把握すること、また、タスク・シフト/シェアの先進事例や課題などについても把握することを目的とした。併せて、海外でのタスク・シフト/シェアの状況、ナース・プラクティショナー制度の日米比較、介護職へのタスク・シフト/シェアについて調査、検討をすることで、様々な先進的な取り組みの我が国における実現可能性の確認も目的とした。
研究方法
本研究では、厚生労働省医政局医事課により開催された「医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアに関するヒアリング」において各職能団体から提案のあった「タスク・シフト/シェアの具体的な業務内容」に対して具体的な労働時間短縮(時短)できる項目を抽出し、その時短時間の調査とその実現性の検討を行った。
タスク・シフト/シェアの先進事例や課題の把握では、奈良県立医科大学附属病院での麻酔科医と臨床工学士へのタスク・シフト/シェアと済生会熊本病院での内視鏡下外科手術における外科系医師から臨床工学技士によるタスク・シフト/シェアに関して、育成・研修カリキュラムやその内容、組み合わせについて、実地調査及びヒアリングを行った。奈良県立医科大学の業務については臨床工学技士への1ヶ月間の観察研究を実施し、その効率を検討した。また、海外事例については、タスク・シフト/シェアが進む欧米諸国について、文献・オンライン調査を実施するとともに、米国では比較的新しい職種であるRadiologist Assistant(RA)の定義と役割、教育等について現地調査した。
Nurse Practitioner(NP)の日米の役割や教育システムの比較、医師事務作業補助者並びに介護従事者の医師からのタスク・シフト/シェアの可能性と、それに伴う課題について文献調査とインタビューを実施した。

結果と考察
本研究では医師からのタスク・シフト/シェアについては、まず各医療関係職能団体からタスク・シフト/シェアの提案をもらい、特に先進的取り組みや医師の労働時間短縮に関わる事柄について詳細に委託・移管可能な業務の項目を挙げ、具体的な時短可能な時間数と人数を試算して明らかにした。この研究結果によって、医師1人あたりの短縮時間を定量的に把握することができ、労働時間短縮の効果の比較検討の基盤づくりができた。これによってタスク・シフト/シェアへの期待は高まることが予測される。また、先行事例から、適切な業務分担や教育体制を構築することで、効果的にタスク・シフト/シェアが行われる可能性が示唆された。また、米国やドイツにおいて、RAは画像診断医のタスク・シフト/シェアに貢献している実態が明らかとなり、日本国内においても、RA導入は医師による画像検査の業務軽減の一助になることが示唆された。
一方、日本におけるNP導入の検討については、まず特定行為看護師と一般の看護師に医師からタスク・シフト/シェアできる部分が、まだあるのではないかと考えられた。介護職への医師からのタスク・シフト/シェアについては、両職種の間で同じ項目を委託・移管できるとして挙げており、互いの認識にギャップは認められなかった。ただし、喀痰吸引などタスク・シフト/シェアしたい(引き受けたい)業務の導入の仕方には認識の違いが認められ、これに関する調査と検討が必要と考えられた。
結論
医師のタスク・シフト/シェアを実現していくためには、業務手順の作成や院内体制の構築が今後の課題となることが浮き彫りとなった。特に、医師事務作業補助者や介護士などの国家資格を持たない職種については統一的な手順などはなく、各病院での独自運用がなされていることから早急な対応が必要と考えられる。今後は医療現場主導、すなわち「現行制度の下で実施可能な業務」において、効果的、特徴的な取組みについてさらに事例を収拾し、また、それらを一般化する方策(作業手順、院内体制等)について検討していくことは有用と考えられる。

公開日・更新日

公開日
2020-10-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2020-05-20
更新日
2020-10-19

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201901016Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
19,600,000円
(2)補助金確定額
19,600,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,019,821円
人件費・謝金 1,254,538円
旅費 3,528,686円
その他 7,726,955円
間接経費 4,070,000円
合計 19,600,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2021-02-22
更新日
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